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サイハテの村人たちは勇者がいなくても平気なようです 〜ただしご近所は魔王城〜  作者: 青咲花星


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第35話 人外離れ

エリーたちはトマト料理のお店に入ると怪しい人物が入ってきてもすぐにわかるように一番奥の見渡せる場所に入った。

注文してしばらくするとシータが話し始めた。


「どうやら入っては来ないみたいだな」

「ん?何が?」


ヴィラがシータの言葉に聞き返す。


「アクセサリー屋で子供が狙われてる話を聞いただろう?どうやらそれっぽい奴につけられてるんだ」

「え!大丈夫なの!?」


ディナが大きめの声を出したので、3人でシーっと人差し指を立てて止めさせた。


「それっぽい気配は今の所一人だけだからな、あと二人別でいるけどその人たちは違うようだ」


シータは眼を瞑って気配を思い出す。


「近くにいるのは男一人、武器は多分小型のナイフだな。それを監視しているのは……監視?って感じがしないけど、一人はサイハテ、もう一人はエリーに近い感じがする」


能力は威圧のはずなのにどこか人外離れしている兄を凝視するディナ。


「お兄ちゃんそんな事もできるの」


「私に近いって事は魔術師っぽいってことかなぁ、他には特徴ないの?」


「2人ともどこかで会ったような感じがする、サイハテはイダーテお兄さんかもしれない。もう1人はサイハテじゃない、高貴な感じと落ちついてる感じと、動物っぽい感じとごちゃごちゃしてる」


「それラピスじゃない?絶対ラピスだよ」


エリーが嬉しそうに手を合わせた。

ああ、とシータが納得する。


「エリーお姉ちゃんのお友達?」


「そうだよ。この前話してた動物に変身できる子で、すごく可愛いの」


この国の王女様だけど内緒にしておこう。

会った時に驚かせたい。


「なんでイダーテお兄さんと一緒にいるのかわからないけど監視してくれているのかな?」


「ラピスは異性には絶対話しかけない、関わらないイメージがあったけど案外平気そうだな」


シータがラピスと初めて会話したのは卒業式に助けを求められた時だ。

それまではすれ違っても隣にいてエリーと会話をしていても、目があっても一切喋らなかった。

まるで借りてきた猫のように。猫だけど。


「オレが嫌われていただけ?」


「そんな事ないと思うよ、あの子は事情があったからね。イダーテお兄さんは誰とでも仲良くできるし」


ラピスは第七王女だから変な噂が立たないようにしていたのだろう。

彼女は腹違いの兄をたてるように、息を殺すように過ごしていたけれどそれでも王族というのは注目されてしまうものだ。


「ラピスと合流したいけどつけてきてる人に逃げられちゃうかな」

「そうだな、もう少し泳がせておこう」


そうこうしているうちに注文していた料理がきた。

今は目の前の美味しそうな料理に集中しよう。


____



〜王都近郊魔王軍〜


やっと、王都に辿り着いた。

出発時にサイハテの村人たちに翼をヒュンされたアンドラスは安堵のため息をついた。


さあ、ここからが本番だ。

慎重に、気を引き締めていかねばなるまい。


「念の為勇者の行方の調査を。ダンジョンに居る事を確認した後、王都襲撃作戦へと実行に移す」


そう命令すると人間の姿になれる諜報員の部下が敬礼をして走り去って行った。


「奴らが来ないうちに手中に収めねば」


ボソリと溢した言葉に部下たちが真面目な顔で頷いた。

全員一致の考えのようだった。


だが、その奴らがもう既に王都に居ることをアンドラスたちは知らない。


彼は出てくる時に見た、ぼろぼろになった魔王城を思い出す。


「絶対に、成功させねばなるまい。魔王様の為にも」


……それとサイハテのご近所に帰りたくないからな。


矢が掠った羽をさすりながらそう心の中でつぶやいた。

完全にトラウマになっているアンドラスだった。

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