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驚愕の事実

これが冬休みだったら良かったのにと、美結は思った。

あれから陸や明人から連絡が来たが、どれも返すことができなかった。

本当の事実を知るのが怖かった。


しかし明日はやってくる。

嫌でも陸や明人と顔を合わせなければいけない。

幸い、陸とは新学期から朝登校するのをやめていた。

陸が朝練のため早めに学校に行っていたからだ。


明人とは同じクラスのため避けられない。

またヘラヘラと友人のいる前で昨日のことを話されたらどうしようと、怖かった。

食事もろくに通らず一向に眠れそうもない美結の前に、夜中母が訪れた。


「今日学校で何かあったの?」

「お母さん。」


母は二つのミルクティーを持って、机の椅子に座った。

普段は天然でおっちょこちょいの母だが、大事な局面ではいつも自分の心境に誰よりも早く気付いてくれる。

美結はマグカップを受け取りながら、涙が出てしまった。


「陸のことも、明人のことも信じられなくなっちゃったの。」

「…そう。陸くんとは順調に付き合ってるようだったけど。もしかして二人の関係を知っちゃったから?」

「二人の関係…?」


母は俯きながら、静かな声で話し出した。

幼なじみ同士の親であることから、母も陸や明人の母と仲が良かった。

それは明人の転校が決まって数ヶ月後に、仲の良い陸の母から美結の母が聞いた話だった。


陸や明人の親は美結達家族よりも早く家を建ててこの街に住んでいた。

そして偶然にも明人の母と陸の父は高校の同級生で、家族で親交があった。


しかし二人は友人の関係を越えて不倫をしていた。

もちろん陸の母は長年不倫を知ることがなかったが、互いの子供が産まれてから明人が夫によく似てることに疑惑を抱くことになった。


そして数十年が経ち、二人の不倫関係は陸の母の知るところになりDNA鑑定で明人は不義の子であることが分かった。

その事実を知った明人の父は激怒しそのまま夫婦関係は崩れ離婚をし、明人は転校し母方の実家に住むことになったのである。



美結は明人と陸が異母兄弟であった驚愕の事実を知り、全身に鳥肌が立ち息が乱れた。

美結の母はそんな美結に厚手のブランケットをかけ、隣に座り手を握った。


「明人くんを責めないで。辛い思いをして、大好きな貴方と別れることになって心苦しかったでしょう。それと二人の関係を引き裂いてしまった事実に陸くんも悩み、それでも貴方のことを想って大切にしてくれるのよね。」


美結は母の言葉に自然に涙が流れ、嗚咽した。

母は背中をひたすら優しく背中を摩ってくれた。


「美結も辛いわよね。でも二人のためにできること、ママは正直になることだと思うの。怒ってもいいから、二人に真剣に向き合ってあげて。」

「ママ…。」


そう言う母の言葉に、美結は泣き崩れ膝の上に倒れた。

そして優しく頭を撫でてくれる手が懐かしく、気持ちが和らいでいた。


「でも、それでどちらかを傷つけることになってしまったらダメじゃない?」

「それは仕方ない。男なんだから、耐えてもらいましょう。美結が幸せになれるのがママの一番。自己中かな?」


そう言うと母はいつもの笑顔で、親指を立てた。

美結もつい笑みが溢れ、不安が消え去っていたことに気付いた。


「このことは二人に話してもいい?」

「ええ。いずれは貴方が知ることだったんだろうし。おしゃべりなママが悪者になるといいわ。」

「ありがとう、ママ。」


母はそう言いながら、美結の頭を撫でる手をやめなかった。

そして美結は居心地の良い場所でそのまま眠りについていた。



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