↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
24/46

第24話 死影の力

 神殿を出た。


 目の前に広がっていたのは、薄暗いダンジョンの通路だった。


「……やっぱり、帰り道は分からないな」


「はい」


 リナが周囲を見回す。


「ただ、先ほどまでとは違います」


「何が?」


「魔物の気配を、以前よりはっきり感じ取れます」


 リナは目を閉じる。


 数秒後、ゆっくりと目を開いた。


「前方に三体」


「三体?」


「はい。こちらにはまだ気付いていません」


 俺は驚いた。


 アサシンだった頃から気配察知は持っていたが、今のリナは明らかに精度が違う。


「じゃあ、避けるか?」


「……いえ」


 リナが短剣を抜いた。


「試してみたいです」


「新しい力を?」


「はい」


 リナが音もなく前へ進む。


 俺も少し遅れてついていく。


 通路の角を曲がった先に、三体の魔物がいた。


 俺が見つけたときには――。


 リナはもう、そのうちの一体の背後に立っていた。


「速っ……」


 一瞬だった。


 リナの短剣が魔物の急所へ入る。


 魔物が振り返るより早く、リナは次の標的へ移動した。


 二体目。


 三体目。


 ほとんど時間差がない。


 三体の魔物が倒れる。


「……」


 俺は言葉を失った。


「どうでした?」


 リナが戻ってくる。


「どうって……」


 俺は倒れた魔物を見る。


「強すぎないか?」


「以前より、相手の隙が分かりやすくなっています」


「これが《急所看破》か」


「おそらく」


 リナは短剣を収めた。


「ですが、まだ完全には扱えていません」


「それでこれなのか……」


 俺は苦笑する。


 リナが強くなった。


 それは間違いない。


 だが――。


「俺も負けてられないな」


 俺は自分のステータスを思い出す。


 職業は【????】。


 スキルもいくつか増えている。


 なのに、そのほとんどが何なのか分からない。


「試してみるか」


「何をですか?」


「新しいスキル」


 俺は目の前の通路を見る。


 敵の姿はない。


 なら、まずは安全そうなものから試したい。


「《魔力循環》」


 意識を集中する。


 すると、身体の中を何かが巡る感覚があった。


「……これか」


 魔力が自然に身体へ流れていく。


 思ったよりも感覚が軽い。


「魔法は使えるんでしょうか?」


「分からない」


 俺は苦笑した。


「そもそも俺、魔法なんてほとんど使ったことないし」


 そのとき。


 奥から物音がした。


「……来ます」


 リナが短剣を構える。


 通路の奥から、四体の魔物が姿を現した。


 今度は俺たちに気付いている。


「今度は俺もやる」


「承知しました」


 魔物が一斉に走ってくる。


 俺は剣を抜いた。


 一体目が飛びかかってくる。


「っ!」


 剣を振る。


 ――ズンッ!


 想像以上の力が出た。


 魔物が大きく吹き飛ぶ。


「……え?」


 俺自身が驚いた。


「今の、俺がやったのか?」


「はい」


 リナが即答する。


「かなりの威力でした」


 残りの魔物が迫る。


 俺は剣を構え直す。


 身体が軽い。


 視界も妙に広い。


 敵の動きが、以前より遅く感じる。


「これが……【????】の力?」


 分からない。


 ただ、身体能力が以前とは比べ物にならない。


 一体。


 二体。


 剣を振るたび、魔物が倒れていく。


 最後の一体が距離を詰める。


 俺は反射的に横へ避けた。


 魔物の爪が空を切る。


「危なっ――」


 次の瞬間。


 俺の身体が勝手に動いた。


 剣が魔物の攻撃を受け流し、そのまま反撃へ繋がる。


 魔物が倒れた。


「……今のは?」


 俺は剣を見る。


 自分で考えて動いたというより、身体が勝手に最適な動きをしたような感覚だった。


「レオン様」


「ん?」


「今の動きは、以前のレオン様とは明らかに違います」


「やっぱりそうだよな」


 俺は拳を握る。


 まだ分からない。


 この【????】という職業が何なのか。


 どんな力を持っているのか。


 けれど――。


 少なくとも、俺は以前の俺ではなくなっていた。


「進もう」


「はい」


 俺たちはさらに奥へ進んでいく。


 食料は少しずつ減っている。


 水も無限ではない。


 だからこそ、立ち止まるわけにはいかなかった。


 しばらく進むと、通路の先に分かれ道が現れた。


 左。


 右。


 そして、正面。


「どれにする?」


 俺が尋ねる。


 リナは目を閉じた。


「……右です」


「理由は?」


「風があります」


「風?」


「微かですが、右の通路から外へ向かう空気が流れています」


 俺は驚いた。


「それなら右だ」


「はい」


 俺たちは右の通路へ進んだ。


 まだ地上までは遠い。


 それでも――。


 帰還への道は、少しずつ見え始めていた。


ステータス


レオン・アストレア


職業:????


役職:貴族


レベル:6


HP:350


MP:305


攻撃:158


防御:126


魔力:145


敏捷:122


運:43


スキル:


《チャット》


AIとの会話


遠隔チャット


《剣術》


《???》


《因果視》


《魔力循環》


《異常耐性》


《????》


称号:


アストレア家の嫡男


貴族


冒険者


リナ


職業:死影


レベル:11


HP:198


MP:86


攻撃:121


防御:51


魔力:33


敏捷:158


運:39


スキル:


短剣術


隠密


気配察知


暗殺術


《急所看破》


《影歩》


《致命追撃》


《殺気遮断》


《影縫い》


《死影の一撃》


称号:


レオンの護衛


死影


暗殺者

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。