第20話 ダンジョンの街
街を出てから、二日。
俺とリナは街道を歩き続けていた。
景色は少しずつ変わっていく。
これまでいた街の周辺とは違い、道沿いに冒険者らしき人の姿が増えてきた。
「なんか、冒険者が多くなったな」
「この先にダンジョンがあるからでしょう」
「やっぱり、ダンジョンって人気なんだな」
「魔物の素材や宝箱など、得られるものが多いですから」
「なるほど」
しばらく歩いていると、前方に大きな街が見えてきた。
街の入口には、多くの人が並んでいる。
その中には剣を持った者や、杖を持った者も多い。
「ここが目的地です」
リナが言う。
「この街の近くにダンジョンがあります」
「思ったより大きいな」
門を抜ける。
街の中は活気に満ちていた。
武器や防具を扱う店。
魔物の素材を買い取る店。
そして、ダンジョン攻略に必要な道具を売る店。
冒険者向けの店が目立っている。
「ダンジョンがあるだけで、こんなに変わるのか」
「それだけ冒険者が集まるということでしょう」
俺は周囲を見渡した。
今までいた街とは、雰囲気が全然違う。
少し歩いたところで、リナが一軒の店を指差した。
「あちらへ行きましょう」
「何の店?」
「ダンジョン用の道具を扱っているようです」
「なるほど」
店に入る。
店内には松明や薬、ロープなどが並んでいた。
「何が必要なんだ?」
「最低限の回復薬と、明かりは必要でしょう」
「じゃあ、それを買おう」
俺たちは必要なものを揃えた。
買い物を終えたところで、俺は店員に尋ねる。
「この辺りのダンジョンって、どんな場所なんですか?」
「初めてかい?」
「はい」
「なら、最初は浅い階層だけにしておいた方がいい」
店員が真剣な顔になる。
「浅いところなら比較的安全だが、深くなるほど魔物も強くなる。特に十階層より下は、初心者が簡単に行ける場所じゃない」
「十階層……」
「それと、妙な罠もあるらしい」
「罠?」
「ああ。落とし穴みたいな単純なものじゃない。転移系の罠を見たって話もある」
俺は少しだけ眉をひそめた。
「転移?」
「本当かどうかは知らん。だが、突然仲間が消えたって話は何度か聞いてる」
リナを見る。
リナも真剣な顔をしていた。
「ありがとうございます」
俺は店を出た。
「どう思う?」
「警戒は必要でしょう」
「だよな」
転移系の罠。
少し気になる。
とはいえ、まだダンジョンに入ってすらいない。
「まずは冒険者ギルドで情報を集めよう」
「はい」
俺たちは街の中心にある冒険者ギルドへ向かった。
中に入ると、これまでのギルドよりもはるかに広い。
受付もいくつも並んでいる。
掲示板には、ダンジョン関連の依頼が大量に貼られていた。
「すごいな……」
「それだけダンジョンを目的に来る冒険者が多いのでしょう」
俺は掲示板を見る。
魔物討伐。
素材採取。
護衛。
そして――。
「ダンジョン攻略依頼もあるな」
「はい」
俺は一枚の依頼書を手に取った。
「これ、受けてみるか」
「内容を確認しましょう」
二人で依頼書を読む。
指定された階層まで進み、魔物を討伐するという比較的簡単な依頼だった。
「これなら問題なさそうだな」
「危険がないとは言い切れません」
「もちろん分かってる」
俺は依頼書を握る。
「でも、せっかくここまで来たんだ」
ダンジョン。
未知の場所。
そして、今の自分がどこまで戦えるのかを試す機会でもある。
「挑戦してみよう」
「承知しました」
リナが頷いた。
俺たちは受付へ向かう。
ダンジョンへの挑戦。
それが、後に俺たちを思いもよらない場所へ導くことになるとは――。
このときの俺は、まだ知らなかった。
ステータス
レオン・アストレア
職業:無職
役職:貴族
レベル:5
HP:94
MP:75
攻撃:34
防御:30
魔力:36
敏捷:35
運:19
スキル:
《チャット》
AIとの会話
遠隔チャット
《剣術》
称号:
アストレア家の嫡男
貴族
冒険者
リナ
職業:アサシン
レベル:10
HP:118
MP:64
攻撃:52
防御:41
魔力:27
敏捷:76
運:35
スキル:
短剣術
隠密
気配察知
暗殺術
称号:
レオンの護衛




