第27話 ドルシアパレスへの帰還
ティナサイド
私はエーデル号のフロントの
ガラスが完全に割れて巨大な
ガラスの破片が無防備な
私の背後から迫って
来たときに、ルミナスが私を
抱いて、背をフロントに向けて
かばってくれたのだ。
私の身代わりとなって。
ルミナスの体は、背中から
大きなガラスの破片が2か所も
貫いた。彼女おへその辺りの
おなかの真ん中と、左胸。
私はミルフィーヌ様から
授けて貰った外傷を癒す
回復呪法のホーリーヒーリングを
傷口に手を当てて、回復
してあげようとしたが、
私の天力では助けてはあげられ
なかった。ホーリーヒーリングは
天力が上がり、経験を積めば
エグゼグホーリーヒーリング、
メガホーリーヒーリング、
ギガホーリー、ヒーリング
マスターホーリーヒーリングと
より強い回復需呪法を行える
もし私が最強クラスのマスター
ホーリーヒーリングが使えたら
内臓の損傷も含めて、体の
傷は完治に近い状態に
治して、ルミナスを救って
あげられたと思う。
あの後、リヌエットが船医の
アントワークをブリッジに呼んで
来たが、手遅れだった。
ルミナスは私の胸の中で
息を引き取った。
エーデル号はブリッジ内だけで
なく、機関部や航空部隊、
その他にも多くの負傷者が
いて、アントワークを始めと
する医療班は懸命に
治療を行っていた。
総督のエミリウスは
オペが終わり、一命をとりとめたが
切断した左手もまだ
再生できていなくて
ベッドで安静にしていた
エーデル号と艦隊の指揮は
攻撃班長のミルスが行い
ドルシア様の命により
エーデル号と空母機動部隊
駆逐艦などのエミリウス艦隊
は、ドルシア空港に帰還した。
息を引き取ったルミナスは
冷蔵施設の中のベッドに
横たえて安置されてた。
私は悲しそうに舵輪を握り
レバーを引いて、エーデル号の船脚
を下ろして、空港に着陸させた。
艦長席にはミルスが腰かけて
艦隊総司令の代理を務めていた。
ミルス「・・さあ、着いたぜ、ドルシア
空港に、」
リヌエット「・・グスン、ルミナス様」
ドルフィ「・・・・・・・・・」
ティナ「・・・・・・・・・・」
ブリッジに残った私達4人は
ルミナスを救ってあげられなかった
悲しみを全員で、背負っていた。
私は航海長席に置いていた
大きなガラスの破片で背中から切断
されたルミナスの左側の白い
翼を胸に抱いた。
ティナ「・・ルミナスちゃん、着いたよ
ドルシアパレスにさあ
降りるよ、グスン。」
ミルス「・・ドルフィーノにク
リスティーナ、ありがとう
船乗りは初めてだのに
よくやってくれた。
さあ、船を降りよう。」
ドルフィ「・・うん・・」
リヌエットは寂しそうに
私の右手を握った。
ティナ「・・じゃあ、降りよっか
リヌエットちゃん。」
リヌエット「・・うん・・」
私たちは艦隊の戦死者の霊を
葬る為にドルシア城の広大な
霊園を訪れた。
ドルシアパレス内の霊園は広大で
城壁が遥か向こうにある山脈の
ように見えた。
霊園には様々な花が植えてあり
永遠と続くお花畑の地平線
のようだった。
霊園には、死者を清める
大きな神殿が建てられていた
無くなった機動部隊のパーロット
たち、やエーデル号の機関部の
方々、
そして最後にルミナスの遺体を
安置していた、保存カプセル
が運ばれてきた。
私は胸に抱いてた。ルミナスの
白い翼をリヌエットに渡した。
ティナ「・・ルミナスちゃんの翼を
持ってってね、
リヌエットちゃん。」
リヌエット「・・うん、・・」
ルヌエットは翼を受け取り
胸に抱いた。 私は、安置カプセル
で両手を胸に抱いて眠っていた
ルミナスの安らかな顔を
悲しそうに見ていた。
翼が折れた天使、ルミナス。
私は、カプセルのガラスのケースを
開くと、丁重に彼女を
お姫様抱っこした。
彼女は守護天使の女の子が
エーデル号の制服から
白いワンピースのドレスに
お着換えをしてくれてた。
ドレス姿のルミナスは
とても綺麗だった。
私はもう泣いてはいなかった
私は眠っている彼女に言った
ティナ「・・あなたとの約束、
忘れないからね
地上の、人間の女の子として
生まれ変わったあなたを
導きの天使として、見出して
かならず、またこの天上界に
連れて帰ってあげるからね。
待っててね、ルミナス。」
ルミナスの為に用意された
天国の棺桶と呼ばれてる
縦長の6角形型のピンク色の棺桶は
冷凍システムが装備されていて
遺体が傷むことがないように
なっていた。いつまでも綺麗だった
ルミナスの姿を保つために。
私はそのタイプの
棺桶を彼女の為に選んだのだ。
もし彼女が地上で善い行いと
功績を残こせば、また
この天上界に戻ってくることが
できるのだ、
私は導きの天使として
地上に降りてゆき、
彼女が正しい道と行いが
できるように心にささやいて
導いてあげるのだ。
そして彼女が地上での女の子
の生涯を終える時に
また、この天使の肉体に
霊が宿り、ルミナスは
以前の天上界で過ごした
記憶も体も、取り戻すことが
できるから。
だから、永遠のお別れじゃ
ないのだ。私は胸に抱いてる
ルミナスに言った。
ティナ「・・ルミナスちゃん、
しばらくの間、眠ってってね。
私が、あなたの霊を
この天上界に連れて帰る
日まで。グスン、さよならは
言わないから・・。」
私は眠ってるルミナスを
白い花が入れられてる
ピンク色の棺桶に丁重に
仰向けに寝させて、両手を
胸の前に握らせた。
リヌエット「・・優しかった、ルミナス様
リヌエットのこと、忘れない
でね。」
リヌエットは、胸に持っていた
ルミナスの翼を彼女の左の
背中に合わせて丁重に置いた。
その時、ルミナスの切断
された翼から1ッ本の羽が
抜けて落ちた。
私はその羽を拾うと
胸に抱いた。
ティナ「・・このあなたの羽、貰っておくね
あなたを忘れないために。」
私はリヌエットの羽を
ショルダーバックに丁重に
仕舞った。
その後彼女と親しかった
クルーたちがそれぞれ用意
した花束を棺に入れて
声を掛けてあげた。
ミルスが言った。
ミルス「・・じゃあ、棺を、お墓の中に
入れてあげよう。ドルフィーノ
手を貸してくれ。」
ドルフィ「・・分かった。」
ミルスとドルフィはルミナスが
眠ってる棺桶を二人で担ぐと
墓標のスイッチを押し、鋼鉄の
シャッタ―が開きそこに
棺桶を入れた。
そして私に言った。
ミルス「・・墓標にあるシャッターの
スイッチは、クリスティーナ、
君が押してやってくれ。」
ティナ「・・うん、分かった。」
そのシャッターを押せば
オートロックが掛かり、
地上の女の子として
生まれ変わったルミナスが
地上で、良い行いと、実績を
残して、生涯を終えたのちに
またこの天上界に霊として戻って
来ることができた時に
ロックが解除されるシステムだ。
だから私はルミナスを導いて
彼女の霊を連れて
この天上界に戻してあげる
決心をしたのだ。
私はその日の為に今まで
導きの天使として
修行してきたのだと思った。
私は後ろに立っていた
エーデル号のクルーたちに
を見渡して言った。
ティナ「・・じゃあ、シャッターの
スイッチを押すよ。
これで、ルミナスちゃんとは
本当にお別れだよ。みんな。」
ミルス「・・ああ、俺が好きだった
ルミナス、さよなら・・
グスン。」
ドルフィ「・・ルミナスちゃん・・」
リヌエット「・・ルミナス様・・
安らかに眠ってね。」
アリス「・・じゃあな、ルミナス。」
メトロノクス「・・メインエンジンばかり
かまってって、死に目に
会えなかった俺を
許してくれ。」
私はルミナスと近しかった
クルーたちの顔を見渡した。
その時船医のアントワークと
車いすに乗ったエミリウスが
瞬間移動してきた。
ドルシア様とミルフィーヌ
もだ。
ティナ「・・アントワーク先生に
エミリウス様。それに
最高神、ドルシア様・・」
エミリウスがルミナスに言った
エミリ「・・ルミナス、君が無くなったのは
全て、私の責任だ、それに
君の気持ちに、最後まで
答えてあげなかった
私を許してくれ、そして
艦隊総司令代理として
責務を果たしてくれてありがとう。」
ドルシア「・・ルミナス、私はあなたの
クリスティーナの身代わりと
なっり天使の生涯を
終えてしまった。功績は
忘れませんよ。
あなたの未来に、きっと
祝福があるでしょう。」
ミルフィーヌ「・・・・・・・・」
ドルシアは私に言った。
ドルシア「・・さあ、クリスティーナ」
ティナ「・・は、はい、じゃあ
また逢う日まで、
安らかに眠ってね
ルミナス・・」
私はそう言って、ルミナスの
体を横たえた棺桶のシャッター
のスイッチを押した。
【ウイイイイイイイン
シューーーン】
ルミナスサイド
私は自身の遺体を横たえた
冷凍システム完備の棺桶を収めた
自分のお墓のシャッターが
閉まるのをドルシア様や、
エミリウス様
そして近しかった、
エーデル号の仲間たち、
そしてお友達と
なったドルフィーノ様や
クリスティーナ様を
少し離れた所から彼らの
背中を見ていた
そして静かに言った。
ルミナス「・・さよなら、エーデル号の
皆様、ドルフィーノ様、
私が愛してたエミリウス様、
そして、大好きだったお友達の
クリスティーナ様、さよなら
グスン。」
私は霊体となってた。天使だった
肉体から離れたのだ。
私は5歳児の翼が生えた
女の子の姿だった。
着せてもらってた純白のドレスも
幼い子供のサイズに
なっていた。
私は彼らに背を向けると
寂しそうに泣きながら
目をこすって歩き出した。
聖霊の女神のアドレイド様
が待つ霊界のゲートに向かって
どこまでも。
お花畑の地平線
の向こうまで続く、道を
私はうつむいて
とぼとぼと歩き続けた。
どこまでも。
すると私に白くて温かい
光が注がれた
私はうつむいてた顔を上げた
ルミナス「・・んん?・・あなたは?
聖霊の女神、アドレイド様」
聖霊の女神のアドレイド様は
純白のドレスをまとい、
水色の透き通るような
髪の毛をお尻を超えるくらいまで
伸ばしてた。前髪は
長く両目が隠れていた。
アドレイドは不変の15歳の
あどけさが残る、少女
ドルシア様と同い年のだ
首輪には、50000を超える
数字が書かれていた。
それだけ勲章の力を使える
強力な神だ。
彼女の足は、青白いオーラで
隠れて見えなかったが
やがてオーラが薄くなり
彼女の足が見えた。
純白のブーツを履いてた
彼女は173㎝あり背が高い
女神だ。
私はじいと彼女を見ていた
アドレイド様は目が隠れてた
前髪をかき分けて優しそうな
目を私に見せてくれた
そして私にお声を
掛けてくれた。
アドレイド「・・お迎えに来ましたよ。
祝福された天使の霊の娘
ルミナス。」
ルミナス「・・アドレイド様」
アドレイド「・・ドルシア様はあなたが
クリスティーナ様の
身代わりとなった素晴らしい
行いをとてもお喜びです。
これからあなたが行く霊界
では、あなたには素敵な
祝福を用意しています。」
ルミナス「・・あ、ありがとうございます。」
私はクリスティーナ様の
身代わりとなったことは
一遍の後悔もなかった。
祝福して頂けることが
嬉しくなった。私は
胸をわくわくさせた。
【ウフフ、私に用意された
素敵な祝福って何かな?
アハハハ・・】
アドレイド様は私の右手を
握った。
私は母に手を繋がれた
幼い娘のように彼女と
手を繋いで、霊界に歩き出した。




