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青いうんこは存在するのか

黒いうんこ事件から三日後。


私は、机の上にノートを広げていた。


『黒 成功』


そう書かれた文字を見つめながら、私は静かに考える。


黒は再現できた。


ならば次だ。


青。






古来より、人類は青いうんこに憧れてきた。


いや、少なくとも私は憧れていた。


だが、青は難しい。


茶色という強大な現実が存在するからだ。


どれほど青いものを食べても、人体は最終的に“あの色”へ回帰しようとする。


私はこれを、“茶色への収束”と呼んでいた。


私はスマホを開き、過去のメモを確認した。


『ソーダ味アイス 変化なし』


『青色ラムネ やや緑』


『海外グミ 腹痛のみ』


失敗の歴史だった。


だが、今回は違う。


私は通販で取り寄せた。


海外製の青いシリアル。


箱の表面には、自然界ではまず見ない色の液体が描かれていた。


私は少しだけ興奮していた。








翌朝。


牛乳を注いだ瞬間、器の中が鮮やかな青に染まる。


食欲は、なかった。


だが研究に私情を挟むべきではない。


私は無言でスプーンを動かした。


食後、舌を確認する。


青い。


かなり青い。


私はメモ帳を開いた。


『08:11 舌への定着を確認』


そこまで書いてから、自分でも何を書いているのかわからなくなった。


だが、もう引き返せなかった。


その日の私は、普段より水を多めに飲んだ。


消化速度への影響を観察するためだった。







昼。


変化なし。


夕方。


まだ来ない。




夜。


私は便器の前に座り、静かに目を閉じていた。


頼む。


青であってくれ。


数秒後。


私はゆっくりと目を開いた。


緑だった。


かなり緑だった。


私は天井を見上げた。


「またか……」


敗北感があった。


だが同時に、確信もあった。


青は存在する。


ただ、人体がそこへ到達することを拒んでいるのだ。


私は静かにノートを開いた。


『青 未到達』


その下に、私は新しくこう書き加えた。


『緑は、青になれなかった者の色である』

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