ソルの父
ソルのステータスプレートを見た父と母はひどく驚いていた。
その理由は勿論、5歳児にはあり得ない初期ステータスもそうだが何より人族が使える筈がない闇属性の適正を持っていたからだろう。
それとも5歳児にして絶級保持者ということだろうか?
「ソル、あなた…えっ!?」
「お前これどうゆう事だ!?」
父は今まで見たことない程慌てふためき、母に至っては言葉も出ない程驚いている。
「ソル説明しなさい!ステータスもそうだけど闇属性ってなによ!」
はっきり言って闇属性に至っては全く見覚えはない。
闇なんて感じた事も無いのに適正があると言われても困ったものだ。
「闇属性についてはわからない…けどステータスについては毎日筋トレしてたからだと思う…」
顔を俯かせ静かに答える。
他の異常な点は触れないでおこう。
変に謝るよりこれが当たり前だと思ってる様に見せかけた方が詮索されずに済む。
だいいち詮索されたとしてもこの身体に備わった才能としか言わざるを得ない。
「どうなってんだ一体、明らかに子供の力じゃ無いぞ」
「そうよね…いくら筋トレしていたとしても、普通は全部10くらいなのに…」
そう一般の5歳児のステータス値は殆どが10前後が当たり前なのだ。
因みに村人の平均ステータス値は100前後だ。
これだけでもソルの異常さが伝わると思うが、いくら天才でも5歳児で絶級持ちは前代未聞だ。
「よし!じゃあソル、森に行くぞ!」
父は強引にソルを森に誘う。
「なんで?」
ソルはただ純粋に疑問に思い、理由を尋ねる。
「お前のステータスプレートが壊れて無いか確かめに行くんだ」
「それがいいわね、こんなのおかしいもの」
父の提案に母もあったさり納得し、久しぶりに家族全員でお出かけする事になった。
「よし!ここら辺がいいかな」
森に入りしばらく歩いた先の拓けた場所に着き父がソルに向き直り木刀を構える。
母は止める気は無い様だ。
俺のステータスを嘘だと信じたいのだろうか。
「ここじゃなくてもっと奥に行かない?」
「いいだろ、ここで」
ソルはこの場から離れようと提案するが父は聞こうとしない。
ソルがここから離れたい理由は勿論、メアの洞窟が近くにあるからだ。
何かの間違いでメアが出てきてしまった場合説明のしようがない。
ミオラ達の様にあっさり納得してくれるとは思えない。
「仕方ないか…」
ソルは諦め父に向かい木刀を構える。
「いいか?本気でやれよ!」
父の命令に静かに頷く。
どのみち本気でやるしか無いのだ。
その理由は手を抜いてやったとしても、検査をすれば確実にバレてしまう。
それは時間稼ぎにしかならない。
しかもソルのステータスが異常である事を公表する事に繋がりかねないからだ。
「じゃあ いきます!」
ソルはいつもより緊張している。
何故ならば手加減をしなければならないからだ。
いくらソルの父と言ってもただの村人に過ぎない、そんな人にソルが本気で切りかかったら命がいくつあっても足りない。
—身体強化Ⅱ—思考加速Ⅱ—剣技—斬
ソルはいつもの硬化はつけなかった。
村人に力量を見せるのなら、この程度で十分だからだ。
「はぁぁぁ」
雄叫びをあげながら父に斬りかかる。
しかし結果は予想外にもソルの木刀はあっさり弾き返されてしまった。
「うっそ…」
ソルははじき返された衝撃で尻餅をつき、驚きの声を漏らした。




