メアの部屋で… 1
ソルの目の前には尻餅をつき怯えた顔をした
ジュンとミオラがいた。
「お前ら…なんでこんな所に…」
ソルは二人を見ると目を丸くし尋ねるが、二人は震えたままソルを見つめ続ける。
「おい」
「……」
ソルは木刀を納めながら呼びかけると、ジュンとミオラは同時に気絶し眠ってしまった。
「メア、こいつら入れてもいいか?」
ソルはメアに許可を取ろうとする。
メアは何も聞かずに頷いた。
ソルはジュンとミオラをメアの部屋に運び込み仰向けで寝かせた。
メアは扉を閉め俺の隣に座った。
「悪いなメア、俺が甘かった」
ソルは静かに寝ている二人の横でメアに謝る。
「ソルは悪くない…」
「でも、もし俺をつけてきたのが信者だったらお前は…」
ソルは起きてもいない事を考える。
メアは青いイヤリングの形をした魔道具をつけており魔族特有のの角を隠しているが、見る人が見れば一発でバレてしまう。
「ソルは心配性?」
メアはソルの顔を覗きながら言う。
「仕方ないだろ、失うのはこりごりなんだよ…」
「何かあったの?」
メアは優しく問いかけてくる。
「なに、生まれて初めてできた大切な人があっさり死んじまっただけだよ」
ソルは寂しげな表情で答える。
その瞳には輝く物が浮かんでいた。
「ソル…」
メアは少し言葉を失う。
「っと、そんな事よりミオラが起きそうだ」
ソルが言葉を失うメアを見て話題を切り替えるようにミオラに視線を移す。
メアもソルの言葉につられてミオラに視線を移す。
「うぅ〜」
ミオラが唸り声を上げながら起き上がる。
「ここどこ?私どうしたの?」
ミオラは自問自答をしている。
まだソル達には気づいていないようだ。
「ソル!?なんでこんな所に……そうか!」
ミオラは思い出した自分がなぜこんな事になったのかを。
「はぁ〜」
ソルはようやくかと言わんばかりにため息をこぼす。
「ソル!あなたこんな所でなにしてるの?それにこの子は何?」
ミオラは少し声を荒げ問い詰めてくる。
「新しくできた友達のメアだ。そしてここはメアの部屋」
ソルはミオラの質問に端的に答える。
「そんな子村では見た事ないけど…」
やはりミオラは頭の回転は悪いが無駄に鋭い。
「メアは訳あって村には行けないから、村の連中にも誰にもメアの事は話さないでくれ」
ソルはミオラに向かって頭を下げる。
メアもソルと同じくミオラに頭を下げる。
「わかった、何か事情があるのね」
「あぁ、詮索しないでもらえると助かる」
ソルとメアはミオラに承諾を貰うと頭を上げる。
「改めて私はメア、ソルの友達…」
メアはミオラに自己紹介をしているが「友達」と言った時少し不満そうにソルを見ていたが、ソルは気にしていない。
「ふーん、友達ね〜」
ミオラはソルとメアを交互に見ながらニヤニヤしている。
なんともイラつく顔をしている。
「なんだよ」
「なんでもないよ〜、メアちゃんよろしくね〜、私はミオラ、ソルのお姉さんです」
ミオラはニヤニヤしながら軽くメアに嘘を吹き込む。
「おい、嘘つくな、お前みたいなのが俺の姉な訳ないだろ?」
ソルは先程のニヤニヤの仕返しか、軽くミオラをからかう。
「もぉ〜ソルったら、酷いよ〜でも私のが年上なのは本当だからね!メアちゃん」
ミオラはメアに話を振る。
「ふっ」
「もぉ〜メアちゃんまでからかわないでよ〜」
ソルとミオラだけで会話していた時は不満気だったメアも、焦るミオラを見て少し顔を綻ばせる。
そんなメアを見たソルも、揃って顔を綻ばせた。




