ソルとメア
城を抜け出してから歩き一週間、ようやく村に着いた。
村では1日しか休まず、食料を補給し村を後にした。
途中で会う獣や魔物を食べたりその素材を商人に売ったりして命を繋ぎ旅を続けていた。
行く宛のない旅を始めてから2ヶ月、私は国境にさしかかっていた。
国境には特に何かがある訳では無く、普通に通れた。
野原を普通に歩いていると背後から音がした。
何かがこちらに向かって来る音だ。
振り返るとそこには全身真っ黒の魔族の男が立っていた。
「ようやく見つけましたよ、裏切り者」
男は嬉しそうに私を見ている。
「テレポート」
それを聞いて焦った私は静かに呟いた。
私は逃げる為見える限り最も遠い場所に転移した。
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転移魔法のテレポートは行った事のある所にしか行けないと言うのが一般常識だが本当は見たところになら転移出来るのだ。
つまりどんなに遠くても視界に入ればそこに転移できるのだ。
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それから森の一件に入る。
「メア....」
俺は気付かぬうちに呟き、悲壮の表情を浮かべていた。
悲壮の表情を浮かべた理由は勿論メアが魔族だったからではない。
俺の前世と似たような人生をおくっている事が余りにも可哀想に思ってしまったのだ。
大切な人が死に助けて貰いたい時に助けて貰えず、産みの親にも虐げられる、そんな彼女が可哀想だったのだ。
ようやく理解出来た。
俺がメアを他人として扱わなかったのか。
それは前世の俺に似ていたからだ。
「どう幻滅した?私が悪名高き魔族で」
メアは涙を拭いながら聞いてくる。
「いや、そんな事ない」
俺は悲壮の顔を直し否定した。
「それってどうゆう....」
メアは涙を拭い終わり赤く腫れた目で俺を見つめる。
「トレントは悪人だけを敵対視する。でもメアはトレントに攻撃されなかった。それって俺と一緒だろ」
俺は微笑み、メアを見つめ返した。
勿論それは建前だがメアと俺が似ているのはじじだ。
メアは赤く腫れた目から再び一粒の涙を流した。
「おいどうした!何か悪いこと言ったか?」.
「違う!私と同じなんて言ってくれる人いないと思ってたから嬉しくて」
メアは涙を流しながらもさっきとは別人のような綺麗な笑顔で笑っていた。
「そんなに泣いたら幸せが逃げるぞ」
「泣いたら不幸になる?」
俺は冗談めかしに言ったのだがメアは間に受け涙を堪えた。
「冗談だよ冗談、本当は泣きたい時には泣け、泣いた分だけ笑え、涙を溜めると幸せが寄ってこない」
「そんな決まりがあるの?」
メアは泣き止み聞いてきた。
「ある人の受け売りだけどな」
「ある人?」
「ないしょ」
メアは不満そうだが前世の話をする訳にはいかない。
何故なら転生が禁忌の可能性があるからだ。
「私だけ話したの不公平」
メアは頬を膨らませる。
「話せ」と目で訴えかけてくる。
しかし前世の事は話せないから話す事などほとんどないのだ。
気がつくと日が暮れていた。
一先ずメアには洞窟に泊まってもらった。
村に連れて行かなかったのは村には教会があり少なからず魔族に敵対意識のある信者がいるからだ。
わざわざ危険を冒す必要はない。
俺は明日もここにくるし、何よりここは辺境の森だ、問題はないだろう。
俺はメアに別れを告げ暗い森を一人で帰った。
遅くなり申し訳ないです。
やる事が立て込み中々書く時間がなく、今になってしまいました。
これから宜しくお願い致します。




