第三十五話 攻略
バック、いや、剣さんが辺りの触手をどんどん切っていきます。
今のうちに私はどうにか皮をーー
「『炎剣』『氷剣』」
シミルが炎、レジスが氷を纏い、連続で斬りつけます。
極度の温度差に流石のボスの皮も耐えることができず、脆くなった部位から攻撃が通るようになっていきます。
燃えているところと凍っているところがはっきりと分かれていたのでもしかしてと思ったのですが成功してよかったです。
しかし、まだ気を抜くことはできません。
また進化しないとも限りません。
一気に仕留めないと。
「俺たちがダメージを与える!」
「分かりました!」
役割を交代します。
私が双剣で相手の攻撃を防いでいる間にバックと剣さんは剣を構えると
「廻討流 一の形 不知火」
揺らめくような剣閃が沈み込みます。
そのまま生き物のように動き回り周囲を抉っていきます。
鮮血が咲き、大きなダメージが入りました。
その肉が裂けてあるものが露わになります。
「これはまさか……コア?」
それは本来ボスが持っているはずがないもの。
ダンジョンの奥で淡く輝いているだけのはずのもの。
しかし、実際に今コアはボスの体内で強い光を放っています。
「廻討流 三の形 鎌鼬」
巻き起こったのは光の奔流。
引き起こしたのは一振りの剣。
刹那で放たれた一撃はコアを穿ち、破壊しました。
同時に足場の崩壊が始まります。
ダンジョンの魔物はコアによって生まれます。
即ち、コアがなくなれば魔物もまた死ぬということです。
ボスも例外ではありません。
ハラハラと崩れていきます。
まるで、あの時の異形化した人のように。
もともとそこには何も存在していなかったような静寂が広がりました。
たまらず私とバックは座り込んでしまいました。
極度の温度差の中で動き回っていたので無理もないんじゃないでしょうか。
でも、今はそんなことは言っていられません。
自身に『回復』を使い、立ち上がります。
バックは剣がかけてくれたようで同じく立ち上がりました。
考えていることは同じです。
「鎧の方へ行くぞ。」
先程までは戦闘に集中していた上に、ボスも大きな音を出していたので気づきませんでしたが鎧さんの向かった方からは大きな音が鳴り響いています。
鎧さんが負けるとも思えませんが、とにかく向かいたい、そう思います。
死ななくても怪我をするかもしれない。
そんなことを考えるだけでひどく恐ろしくなります。
「ミアも行きますよ!ってミア?」
「自走式高速滑走型移動機 起動準備完了!」
そこに組み上がっていたのはーー
「自動車?」
「なにそれ?」
自分でこれを作ったんですか。
先程のロケットランチャーといい本当に凄いですね。
でも今、滑走と言っていたような?
「さあ!二人とも乗って!」
私たちが乗り込むと
「起動!」
ミアがボタンを押します。
後部からロケットのように炎が出てきて、崩れたビルをジャンプ台にして空へと飛び上がりました。




