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鎧の人  作者: たい。
間章
39/46

第三十四話 新たな進化

ロケットランチャーのようなものと言いましたが、あれは間違いです。

見た目や用法はロケットランチャーそのものでしたが、威力の桁が違いました。

魔獣を見てみれば全ての触手が根本から焼き切れ、背中は皮が焼けて肉が剥き出しになっています。

ちょっと気持ち悪いですね。

「今です!やっちゃってください!」

背中でその声を受け止めながら、一気に魔獣の体を駆け上がります。

あのダメージではダンジョンボス変異個体といえども再生するまでは動けないようです。

向こうでもバックと剣さんが攻撃を仕掛けようとしています。

「『重力(グラビティ)』」

深く剣を突き立て、硬貨を取り出す。

そして再びーー

「『電磁加速射撃(レールガン)』」

今度は体内に撃ち込みました。

これで効いてくれればいいのですが……

「ギュアァァーーー」

モンスター特有の叫びが耳を襲います。

「やったか?」

「剣さん、それを言ったらーー」

ボコボコ メキメキ

肉が膨張し、変形していきます。

「進化するぞ!気をつけろ!」

どうやらバックにはこの現象に心当たりがあるようです。

肉が波打つように動き、振り落とされそうになりますが、しがみつきます。

ミアのアレもそうそう連発できるものではないでしょうし、この機会を逃せば近づけなくなるかもしれません。

いや、先程の戦闘から考えると絶望的でしょう。

やがて魔獣の体を皮が覆っていきます。

「きゃっ」

急に足元が滑りやすくなったことで落ちそうになる。

その手が引き上げられた。

「大丈夫か?」

「ありがとう、バック。」

「気にすんな。さっさとこいつを片付けるぞ。」

先程よりもだいぶ大きくなっています。

触手も全てが復活してしまっていました。

でも、ここならば相手の体が盾となって触手攻撃は減るはずです。

そう思ったのも束の間

「くそっ」

触手は普通に飛んできました。

バックがいくつかを切り落とします。

避けたものは魔獣自身に当たったけれど、皮を貫通することはありませんでした。

触手の総数も増えていて、現在は二十本あります。

捌くだけでも一苦労です。

バックは見事ですね。

最低限の動きで躱し、時には相手の触手同士をぶつけて潰したりしています。

しかし、これでは埒があきませんね。

「バック、皮を破れるか試したいので少し時間を稼いでもらえますか?」

「了解だ。剣、一度変わるぞ。」

「オッケー。『交代(チェンジ)』」

ちなみに、物理が通らないことは確認済みです。

触手を弾く時点でなんとなくは分かりますが。

そろそろ終わらせないと本当にまずいですね。

この魔獣は全身が炎と氷で覆われているので乗っているだけで多くの体力が持っていかれてしまいます。

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