第三十六話 新事実
さて、そろそろこちらからも仕掛けるか。
相手が剣を振り切った瞬間に斬り込む。
だが、その一閃は浅く傷をつけただけで終わった。
まだ、身体能力の差が大きすぎるようだ。
鎧の力の40%を解放する。
これでようやく五分といったところか。
だいぶ不安定なので早めに蹴りをつけたい。
一気に距離を詰めて横薙ぎ。
当然相手は受けるがそれだけでは終わらない。
縦横斜め。
全てを使い相手を翻弄する。
そして一撃が入るーー
はずだったが
「クソがぁ!」
発生した衝撃波によって阻まれる。
「人間が調子乗ってんじゃねえぞ?」
背中に生えた黒翼が本気を出したことを物語っている。
「強化結界!」
気づけば俺たちを囲むように陣が出来ている。
どうやらモミジがやってくれたようだ。
これなら周囲に被害が出にくく、力が上がる。
今度は飛び上がって攻撃してきた魔族。
それをいなし、かわし、反撃していく。
徐々に向こうの傷が増えてゆく。
当然自然治癒もあるがそれをダメージが上回っているのだ。
「おらっ!」
ラースの大振りを躱して黒翼を片方斬り落とす。
これで飛ぶことは出来なくなった。
既に鎧は46%ほど解放されてしまっている。
ここまで来ると完全に静止したままでいることは難しいのだ。
加速度的に増えていくのでそろそろ終わりにしなくては。
「『暗黒弾』」
ここにきて魔法が飛んでくる。
こうなったら前に出る。
魔法を躱しながら突っ込む。
まだ空中で待機しているものがあるのでそれに気をつけつつ斬り結ぶ。
だが、生半可な相手ではない。
流石に意識を削がれながらだと隙が生まれる。
相手の蹴りが腹に当たり、大きく吹き飛ばされた。
その時
「あ?なんだこの音は?」
高速でラースに何かが突っ込む。
ラースはなんとか避けたようだ。
「あー、避けられましたか。」
この声は……
煙の中から現れたのは三人だった。
そう、ミハルとバックとミア。
「楽しかったな!」
それと剣。
「何してんだよ。ほら、さっさと倒すぞ。」
「まだ終わってませんよ。」
「ああ、そうだな。じゃあ、行くか!」
まず俺が斬りかかり、ミハルがそれに合わせる。
隙を見つけてはバックが攻撃する。
ラースの左腕が落ちる。
ついで、喉元に剣を突きつけた。
「俺たちの勝ちだ。あの方について話してくれ。」
ラースは笑ってこういった。
「冥土の土産に少し教えてやるよ。あの方は魔王であり、人間だ。」
「なんだと!」
「今行くぜーー」
魔力が渦巻く。
「みんな逃げろ!」
ラースは自爆した。
幸い、被害は結界のおかげで少ないが、また一つ、謎が増えた。




