第二十八話 鎧の仕組み
新たな仲間を迎え、ダンジョンから出た俺たちは宿へと戻ってきて、俺の部屋に集まった。
兎人族の少女もここの宿に生活場所を変えるようだ。
「ところで、あなたの名前を聞いていなかったな。」
「ミアと言います。」
「俺は鎧と呼ばれている。よろしく頼む。」
「私はミハルです。」
「俺はバックだ。」
「俺様は特別な魔剣。レインフォース様だ!」
「剣さん。」
「ん、なんだ?」
「すこーしだけ削ってもいいですか?痛いのは少しですから。」
「ぜっっっっったいにやだ。調べるんならあの鎧にしろよ!」
「鎧さんの鎧も特別なんですか?」
「まあ、ただの装備ではないな。」
「ちょっと見てもいいですか?」
「ああ、構わないぞ。」
「マジか。お前勇気あるな。」
「脱げるんだったらこんな鎧すぐに脱ぐからな。」
「じゃあ失礼しますね。」
そして五分後。
「これは……異常なほど強固な封印術式ですね。装着者本人も縛ってしまうほどの。」
「なんだと。」
「他にも見たことのない術式もある。これは……繰り返す術式と取り出す術式?」
「そんなことまで分かるのか?」
「確証はないですが、発動している様子を見るに恐らく。」
「そうか……。」
「あと、内部から強力な魔力が湧き出ています。反転術式を使えば中を見ることが出来ますがどうしますか?」
「暴走する可能性がある。やるなら郊外などにしよう。」
「分かりました。」
「おっと、話が逸れてしまったな。それで、ダンジョンは思ったより簡単に攻略してしまったがこの後はどうする?」
「難易度は高くないとはいえ、私たちがおかしいんですけど……。そうですね、私はもう少しこの街にいたいです。」
「俺はどっちでも構わない。」
「あたしはどっちでもいいです!」
「私は、もう少しここで商売をしたいわぁ。」
「そしたらしばらくここに滞在しよう。過ごし方は自由だ。」
「じゃあ、剣さんーー」
「断るっ」
「まだ何も言ってないじゃないですか!」
「じゃあ、なんて言おうとしてた?」
「薬品かけてもいいですか?」
「駄目に決まってるだろ。」
そんな彼らを尻目に
「鎧さん」
「どうした?」
「良ければ、また買い物に行きませんか?」
「いいぞ。何か欲しいものがあるのか?」
「いや、そう言うわけではないんですけど、ダンジョンのある街での買い物は楽しそうだなって思って。」
「それなら俺じゃなくてモミジとかに頼んだほうがいいんじゃないか?」
「モミジさんは商売がありますし、私としては鎧さんと行きたいななんて。」
「分かった。そしたら今日は暗くなってきた。明日の朝、また会おう。」
どこか落ち着かない様子のミハルを気にしながらも俺たちは一度解散した。




