第十七話 屋敷にて
気持ち悪い表現が含まれているので気を付けてください。
「凄い数ねぇ」
虫のような姿になった人が次々に襲いかかってくる。
どこからか取り出したクナイを辺りにばらまく。
「『狐火』」
地面に刺さったクナイからは蒼い焔が吹き出て辺りの敵をまとめて倒す。
これが私の妖術。
物を通じて魔法を発動する事で少ない魔力で強力な効果を見込める。
その分事前準備が必要だがそれを差し引いてもメリットは大きい。
道具には限りがあるので長期戦は向いていない。
このままでも動きが無いようだしこちらから動く必要があるだろう。
既に「『折神』」を用いて地下に通路があることか解っている。
周囲の敵を一掃しながら移動してある地点に辿り着く。
「ここねぇ」
床板を押してみると沈み込み、通路が開く。
中に入っていくと驚くべき光景が広がっていた。
地下の空間に大量にぶら下がっている繭。
その内の一つが割れて先程まで戦っていた虫が出てくる。
私はその光景に吐き気を覚えた。
恐らくこの部屋は培養部屋。
奥に見える扉の奥こそが原因なのだろう。
繭から垂れ落ちる粘液を避けながら扉の前に立つ。
勢いよく扉を開けると地獄が待っていた。
「嫌だ、嫌だ嫌だあぁぁぁ」
巨大な虫に捕まっている男性。
虫はその男に針を突き立てた。
男はピクピクと痙攣し、力なく地面に倒れる。
その背中には奇妙な膨らみがあった。
「卵を産みつけて増えているのかしらぁ」
それならば、あの女王を倒せばいいのだろう。
しかし、女王の周りにはまだ見たことのない虫が居る。
他とは違う武器となる部分が多い外骨格。
背中からは羽が生えていて何匹かは宙に浮かんでいる。
恐らくはあれが完全な生体。
親衛隊のような位置にいることからもその強さが窺える。
一匹が私に気付いたようで高速で突進してくる。
咄嗟に札を出し「『結界』」
その頭部に生えた角が防御とぶつかり合い、激しい衝撃が生まれる。
これはまともに食らったら大怪我は免れないだろう。
「『狐火』」
蒼い焔が虫を包み込むもその外殻に守られて多少焦げた程度だった。
次々と他の虫もやってきて私を攻撃してくる。
「まずいわねぇ」
結界もとっさに張ったものなので強度もそんなになく、今にも破られそうだ。
「あれを使うしかないかしらぁ」
一枚の形代を取り出す。
「『式神召喚 玄武』」
結界が割れた瞬間、水球が私を包み込み、攻撃を防ぐ。
「間に合ったみたいねぇ」
そのまま広がって虫を吹き飛ばした水は集まり、亀の形をとった。
虫が数匹亀を襲う。
だが亀には傷一つつけられない。
むしろ、攻撃した虫はそのまま水の中に沈み込み、水流によってバラバラになった。
亀は虫に狙いをつけて口は開く。
そこからは高水圧の水が放たれて成虫を一掃した。
ここにきて初めて女王が反応を見せる。
亀と女王は正面から向かい合った。




