第十四話 手分け
少し手間取ってしまったことで昼になってしまった。
モミジと合流する。
「情報はあったか?」
「一応場所の候補は掴んだわぁ」
モミジの調べによると場所の候補は三箇所。
地図に印が書いてある。
街の近くの洞窟。ある新興宗教の教会。郊外の寂れた屋敷。
どれも怪しそうな感じがする。
「手分けしよう。」
「そうだな。だが、俺たちは二人しかいないだろ。三箇所は無理だ。」
「私がいるじゃない。」
「あなたが?」
「これでも昔は冒険者やってたのよぉ。」
「そしたら頼む。次に場所だがーー」
「俺たちは洞窟行くぜ!」
「おい、勝手に出てくるな!でも、まあ、俺たちは洞窟に行く。」
「私はここに行こうかしらぁ。」
そう言ってモミジが指を置いたのは郊外の屋敷。
「そしたら俺は教会だな。」
「じゃあ、すぐに行ってくる。」
「ハズレでも刺激された奴らが何をするか分からない。片をつけてから他に来てくれ。」
「分かった。」
「だが、危なくなったら逃げろ。」
「分かってるよ。」
そう言い残してバックは去っていった。
「モミジもだ。」
「じゃあ、行ってくるわねぇ。」
残された俺は教会へと向かう。
ーー体の感覚が鈍いです。
前が見えません。
私は今どこにいるのでしょうか?
突如目の前が明るくなりました。
ここは……教会?
「もう目が覚めたのですか。」
手足が金属の輪で固定されています。
「かなり強い薬だと言うのに……。流石は転生者。いいサンプルが取れそうです。」
これは……手術台?
この世界は、転生者が来るたびに文明が歪な進化を遂げています
これもその産物でしょうか。
「は、離してっ」
この枷は素手では壊れそうにありません。
そういえばーー
鎧さんがくれたあの双剣。
あれには幾つかの特殊な効果があります。
その中の一つのある機能。
あれを使えば……
「シミル、レジス!」
双剣の名を呼んでみます。
「な、なにを!」
ステンドグラスを割って剣が飛んできました。
それは私の手に収まり、「『崩壊』」
両手の枷が壊れ、手が自由になります。
剣を振るい、相手を牽制してから同じ要領で足枷も外します。
これで自由になりました。
まだ、頭はぼんやりとしていて、体はうまく動きませんが剣を構えます。
魔法を使えば、薬の効果も消せるかもしれませんが、それには使われた薬が何なのか分からなければ不可能です。
私を捕まえていた神父のような男は驚いた顔をしているもののまだ余裕そうな態度を崩してはいません。
神父は細剣を抜きました。
絶対に帰る。
その意志が私を駆り立てます。
そのためにーー
目の前に立ち塞がる神父に向かって走りだしました。




