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異世界魔王は世界を壊したい  作者: spiegel
2章
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なんでわかんないんだよ!


 青く光るスープラの瞳。ブラウドラッハと契約していることの証だ。


(ロキシーが解除方法を探ってくれてる。私達でお兄ちゃんを足止めしよう!)


 スープラの声が脳裏に響く。


 わかった!


(共に戦ってくれる仲間がいると心強いのう、夏央。まとめて支援してゆくぞ)


 夏央は大剣を振りかざして右から。スープラはレイピアを握り左から。


 ゼータの左手が輝き、カイトシールドが現れた。


 夏央はロングソードで受け止められ、スープラはシールドで受け流される。


 強い。


(レイピアじゃだめだ。夏央! お兄ちゃんの刀を貸して!)


 スープラの声に答えて、夏央は腰の刀を鞘ごとスープラに投げ渡す。


 ゼータの目が光る。

 しまった。これをゼータに渡してはいけない。


 ゼータが動く。夏央は刀とスープラを守るようにゼータの進行方向に立ちはだかる。


 ゼータの方が速い。刀に向かって伸びる手。


 しかし、刀は僅かに軌道を変えてゼータの手を逃れ、スープラの手に収まった。


(こやつも今のゼータに使われたくないらしい)


(刀に意志?)


(今は良い。使い方は分かるな)


(……わかる。使えるよ!)


 ブラウドラッハとスープラのやり取りを聞きつつ、夏央はゼータの攻撃に耐える。


 背後から視界に現れたスープラの攻撃予測を後ろに下がって回避する。


 ガガガガガッ!!!


 発動したスープラの剣技をゼータが全て撃ち落としていた。


 しかもゼータの方が手数が多い。


 スープラを背後に庇うように改めて前に出て剣技を大剣で受ける。弾き飛ばされそうになるが何とか耐える。


 ゼータの目は死んでもいないし、諦めてもいない。ラファエラの言いなりでは無い。ただ、迷いが見える。


 ゼータは迷ってる??


(迷ってもらわなきゃ困るよ!)


(それはそうじゃな)


 ラファエラの手前、会話ができない。自分たちが話をすれば何をしてくるかわからない。だから、ラファエラの対策もできないしお互いの落とし所もわからない。持っている情報も違うし優先することもきっと違う。


 だから、俺達にできることをしよう。


(そうだね!)


 スープラが刀を掲げる。

 ゼータの頭上に一抱えほどありそうな岩石が出現。


 しかしあっさりと真っ二つにされた。


 斬った瞬間の隙を狙い、もう一度ふた手に分かれて仕掛ける。今度は逆から。


 ゼータの攻撃予測範囲は夏央側に出現。


 勢いがついていて止まらない。

 ゼータのシールドバッシュで夏央は弾き飛ばされた。


 反対側のスープラが距離を詰める。


 ゼータは夏央への追撃を思いとどまり、スープラの攻撃をロングソードで受ける。


 力負けしたスープラが後ろに飛ぶ。


 くるくると回るように立ち位置を変え、ゼータを攻める。


 お互いに致命傷は無い。というよりも足止め以上のことは出来ておらず、吹き飛ばされ転がされる事が増えてきた。


 気づけば夏央もスープラも息が切れていた。


 ブラウドラッハの底上げがあるとはいえ、地力に差があり過ぎる。


(ごめん。ちょっと息が)


 足を止めたスープラが肩で息をしている。


 夏央は息を切らしながらゼータの視線を誘導するように大剣を振りかざす。


 一瞬の迷いを見せてから夏央に狙いを定めたゼータを爆炎が襲う。


 ズドン!!


 ゼータは辛うじてシールドで受けた。


 爆炎の向こうに、ロッドを構えたリップが立っていた。


「お姉ちゃんはみんなを倒して蘇生してもらうことなんて願わない! こんな時お姉ちゃんがどうするかを一番知ってるのはあんたでしょ! 私にだってわかることがなんでわかんないんだよ!」



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