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012話 討伐軍集合

 播磨国(はりまのくに)幕府天領 討伐軍集合地


 元禄14年6月15日、ここは播磨の国。幕府方討伐軍集合地、赤穂の北の北部にあたる。

総勢約106,000 はここに集結した。

鳥取藩32,000、岡山藩31,000、津山藩18,700、姫路藩15,000、明石藩10,000の兵である。


各藩主の事情は以下の通り

  鳥取藩 32万石 池田吉明 18歳

  岡山藩 31万石 池田綱政 63歳 高齢のため代理を立てる

  津山藩 18.7万石 森 衆利 28歳

  姫路藩 15万石 本多忠国 36歳 

  明石藩 10万石 松平直常 22歳 家督継承直後


岡山藩 池田綱政は63歳と高齢のため戦に出陣できず、嫡子もいないため家老を代理とした

明石藩 松平直常22歳であったが、先代が高齢で出陣できないため急遽家督を継承して出陣した


 協議((いくさ)評定(ひょうじょう))の結果、総大将は最も兵の供出の多い鳥取藩主 池田吉明(のち吉泰に改名)に決まった。総大将と言っても名目上で実は各藩の合議で意思決定がされる。

いよいよ赤穂城に向けての進軍が始まる。




 赤穂城下の手前 


 元禄14年6月17日、討伐軍約10万が城下町を取り囲んで進軍を止める。

総大将の池田吉明は斥候を放って、その報告が入るのを心待ちにしていた。城下の外から見る限り物静かであった。ようやく待ちに待った斥候の第一報が届く


御大将(おんたいしょう)、申し上げます。城下町の中はもぬけの殻です、人っ子一人も見かけません。武士だけでなく町民も見当たりません」

「なにっ それで赤穂城の様子はどうであったか?」

「それが外堀より前に進めません」

「どういう事だ? 軍評定を開く、主だった者を集めよ」


 暫くして各藩の代表と補佐が集まってくる。池田吉明は皆が床几に腰掛けるのを確認すると、先程の斥候の報告を話し始める。


「各々方どう思われるか皆の意見を聞きたい」

「罠かも知れませんがこちらは10万の兵、敵はいかようにも出来ましょうぞ」

「そうだ、そうだ、赤穂兵など蹴散らせばよい」

「敵兵がいないのであれば入るしかありませんな、休む場所もいる。某は賛成でござる」


という声が大部分で池田吉明は決断した


「ならば城下に侵入して町を占拠しろ、くれぐれも慎重にな」


 というわけで討伐軍は城下に入る事にした。赤穂兵がいないのでは他に取るべき作戦もない。全軍が町に入るのはかなり時がかかると思うが、そこで一旦休みを取ることにしよう...と総大将の池田吉明は考えた。

それが討伐軍の破滅の始まりになるとは思わずに......




 ここは安芸の国、野貝原山 地中の拠点である


イワレヒコは例のごとく制御室で監視モニターを眺めていた、思わずほくそ笑む


『我が君、討伐軍は城下に入りましたね』

「ほんにまぁ これぞ袋のネズミになったよなぁ」

『袋のネズミにするには袋の入口を締めませんと♡』

「あれ? <飛んで火にいる夏の虫>作戦じゃなかったのか? いつから<袋のネズミ作戦>になったんだ?」

『我が君よ、意味はほとんど同じ様なものです、結果的に』

「あいつ等が寝静まったら次の作戦を決行してくれ。それとそろそろ幹部連中は集合だ。こんな面白いものを見せとかないと後で嫌味を言われるだろうよ。特に黄忠には見せておいてくれ、あとで挑発(からかい)に行ってもらおう」



 元禄14年6月18日、赤穂城下町


 城下で一泊して少し疲れが取れた頃、偵察部隊から新たな報告が届く


「御大将、申し上げます。只今街道の方を偵察しようとしましたが、町の外へ出られなくなっております。透明な壁みたいなものが城下を取り囲んでおりました。外は見えるのですが人は出入りできません。赤穂城と同じものと思われます」


斥候のこの報告を聞いて池田吉明はじめ幹部達の顔色が変わる


「池田殿、これは我が軍は閉じ込められたと言う事ですかな」

「まず透明な壁の破壊を試みるべきでは?」

「とこか抜け道が無いか探すべきでしょう」


 取り敢えず障壁の破壊を試してみることになった。まず腕に自信のある者数人で切りつけてみる事になった。刀を振り下ろすと

「カキーン」という甲高い音が響き切りつけた者は手が痺れたのか刀を手放していた。

次は長槍隊10人余りが一斉に突く。ガキッ と言う鈍い音がして長槍隊も手が滑った。

最後の切り札は鉄砲隊である。「ガン、ガン、ガン」と連続して衝突音が響き鉄砲玉は壁の前に落ちていた。


「池田殿、これは駄目ですな。如何いたしましょう?」

「う~ん 門を壊す為に持ってきた破城槌で突いてみますか」


 ここでいう破城槌とは車輪付きではなく、丸太に太い紐を付けたものを数人で門にぶつける簡単なものであった。要するに丸太と紐と人足さえ揃えれば破城槌ができた。

結果はこれも失敗に終わった......



 総大将の池田吉明は再び戦評定を開いた、と言っても戦はできないためただの対策会議であった。まず兵糧担当の者を呼ぶ、各藩からも兵糧担当者を出してもらい報告させる。

結果は全軍合わせて半月分しか兵糧がないようだ。


ここに孔明の兵糧の計が完成した、別名<袋のネズミの計>ともいう。



 これは過去のイワレヒコとの会話である


『赤穂城壁に侵入できない透明な障壁(バリアーみたいなもの)を設置します。討伐軍が赤穂城下に入ったところで、城下町の外側にも障壁を張ります。中にも外にも出られない袋のネズミ状態にします、このまま一月も閉じ込めれば兵糧が尽きましょう。餓死という素晴らしいご体験を経験して頂きましょう』 「その手があったか、さすが孔明」



なぜ江戸時代にバリヤーが張れるのか? 考えたら負けです、そういう設定なので悪しからずご了承ください。

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