表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
75/76

汝の鱗人を愛せよ

私の家庭(かてい)はかなり変わっています。

……とは言っても、一般的な家庭を知らないわけですから、それがどれだけ特異(とくい)なことなのか、あまり自覚(じかく)はありません。

あくまでも、私にとってはこれが日常(にちじょう)なのです。


(もう)(おく)れました。私はムクナと申します。

私のお(とう)さんの一人(ひとり)名付(なづ)けてくれたと聞いています。

そうです。私には、お父さんが沢山(たくさん)いるのです。


私は(へび)系の鱗人(りんじん)なのですが、沢山いるお父さんの中に鱗人はいません。

十数年前(じゅうすうねんまえ)、まだ(たまご)(くる)まれていた私には知る(よし)もないことですが、私の(さと)はオオムジナに(おそ)われ、私は卵のまま(さら)われたようです。

私をどうこうしようとしたのではなく、卵として食料にするつもりだったのだろうと聞いています。

その後、オオムジナはハンターによる合同作戦(ごうどうさくせん)討伐(とうばつ)され、私は救出されました。

その時のハンターさん達が、私のお父さんです。


私は変わった体質(たいしつ)をしていて、(かみ)(うろこ)を含め、体の表面が()(しろ)です。

なぜか、()だけは()()なのですが……

当時、お父さん達はいろいろな伝手(つて)(たよ)って私の引き取り手を探してくれたみたいですが、この体質のせいで、受け入れてくれる同族(どうぞく)がいなかったようです。

同族だというのに、そういうものなのですね。

でも、むしろ今の方が良かったのかもしれません。


後で知ったことなのですが、この街の猟獣会(りょうじゅうかい)はちょっと変わっていて、ゴチャゴチャ言わなくても、人間ならみんな仲間(なかま)だと認定(にんてい)してしまう習慣(しゅうかん)があるみたいです。

そして、受け入れてくれる場所が無いのなら、もうみんなで育ててしまおう。

そういうことになったのだそうです。


そうそう、もっと言うと私のお父さんには女の人も居たりします。

普通はお(かあ)さんですよね?

でも、お父さんなのです……

種族が違っても、年齢がバラバラでも、男でも女でも、私を育てる人はお父さんだと言うのです。

よくよく考えたらおかしい気もするのですが、それで今の私があると思うと、なんだか複雑(ふくざつ)な気持ちです。


街での暮らしは少々(しょうしょう)不便(ふべん)なこともありましたが、お父さん達が頑張(がんば)ってくれて、だいぶ過ごしやすくなりました。

寝る場所はもちろん、座る場所も私の()配慮(はいりょ)したスペースを用意してもらいました。

さすがに特別扱いが過ぎるものは、辞退(じたい)させてもらっています。


目下の困りごとと言えば……


「おう?なんだ兄ちゃん、ウチのムクナに何か用か?」

「何だお前、また来たのか?ムクナを口説くなら、俺達に認められてからだって言ったよな?」

(ひと)()ちもできてない坊やに、うちの子を(たく)すわけにはいかないよ」


()()いをする機会に、なかなか(めぐ)まれないことですね……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ