表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
74/75

この ○○○た時代へ ようこそ

たまごが割れて、中から子供(こども)が出てきてしまいました。ニョロっ子です。

ハンターたちは、()りの(とき)よりずっと(あわ)てた(かお)をしています。

「マジで、まいったなこりゃ」

「すみません。鱗人(りんじん)という人達(ひとたち)については何も知らなくて……」

「そりゃそうだ。俺だって久しぶりに見たし、何ならこんなに(おさな)いのは初めてだ」

(へび)系ならなおさら、街には()()かないからなぁ」


(なか)が悪いのですか?」

「いや、そういうわけじゃねえよ。この子も、(うえ)(ひと)と変わらねえだろ?」

「ええ、そうですね」

「問題は下半身(かはんしん)の方なんだ……まだ小さいから、こんぐれぇで(おさ)まってるが、成人(せいじん)したら大通(おおどお)りを横断(おうだん)するくれぇにはなる」

「宿に泊まろうにもベッドは窮屈(きゅうくつ)だし、投げ出してりゃ(とお)()かりに踏まれる、椅子(いす)に座るのも不自由だ」

「そういうことですか」


(きら)()ってるわけじゃねえが、こればっかりはどうしてもな……」

「ふぇ……」

ハンターたちの慌てる様子(ようす)が伝わったのか、ニョロっ子が不安(ふあん)そうな顔をしています。

「おーしよし、どしたどした?あばばばばぁ」

すごいですね。どこに(ちから)()めれば、あんな顔が作れるのでしょうか?

「きゃい、きゃい」

「お前……(ひと)りモンのくせに手馴(てな)れてんな、気持ち(わり)いぞ」

()っとけ、姉ちゃんに(めい)世話(せわ)させられてたことがあんだよ」


「それにしても色白(いろじろ)だな。ヌリワスレか?」

「ヌリワスレ?」

「ありゃ?通じねえか……アレだ、ごく(まれ)に生まれてくる全身(ぜんいん)()(しろ)な人や獣の事だ」

「ヌリソコネじゃなかったか?」

「ヌリソコネは()(くろ)のことだろ?」

「アルビノやメラニズムのことかな」

「わりぃ、そっちの言葉は俺が知らねえヤツだ」

「まあ、地域(ちいき)()みてぇなもんか」

「いやいや、今問題なのはそこじゃねえだろ」


おお、ハンターたちが落ち着いてきましたよ。

ごすじんが何かしたのかもしれません。

「オオムジナが使ってた武器や道具なら、拾った奴の取り分にしちまって問題ないんだがな」

「鱗人の卵なんか初めてだぞ?しかも(かえ)っちまったし……」

「いや、鱗人って卵の時点で人として扱うとか、そういうの無かったっけ?」

「んー……てことは、拉致(らち)されてたのを保護(ほご)したってことになるのか?」

()てていくわけにもいかねえ。とにかく連れて帰るぞ」


「あう、ぷわぁ」

今度はニョロっ子が不満(ふまん)そうな顔をしています。

言葉が通じないのは不便(ふべん)なものですね。

私もそれは、よくわかるのです。

(はら)()かせてんのか?何か()(もん)でも――」

「アホか!変なもん食わせて腹(こわ)したらどうすんだ。どっかに(くわ)しい奴ぁ居ねぇか?」

搬送会(はんそうかい)の連中は?鱗人の住処(すみか)に通ってる奴が居るかもしれねえ」

「よし、(あし)(はえ)え奴何人(なんにん)かで、先に向かってくれ。この場の片付(かたづ)けは――」

「あんたらも、その子を連れて戻りな。後は俺達が引き受ける」

ごすじんも、戻る一団(いちだん)に入れられてしまいました。

では、後片付けはニャーの人に任せて、私も行くのです。

「ぬニャ?」


猟獣会(りょうじゅうかい)に戻ってニョロっ子のことを報告(ほうこく)しました。

搬送会に行っていたハンターも戻って来て、教えてもらったことをみんなに伝えています。

「卵の中である程度育ってて、()()(そろ)ってるから、消化(しょうか)の悪いものでなけりゃ大丈夫みたいだ」

()()みとかも無いらしい。孵化(ふか)の立ち合いで神経質(しんけいしつ)になる必要は無いってよ」

「いや、それはもう遅えよ。まあ、安心材料ではあるが……」

それよりも大変なことが起きているのです。

ごすじんが私を(かま)ってくれませんよ。

ニョロっ子に取られてしまいました。ぷんすこ。


相手はちっちゃい子供なので、仕方(しかた)がないことではあるのです。

ちゃんと見ていないと大怪我(おおけが)をしてしまったり、コロッといってしまうことだってあります。

目を離しているあいだに、冷たくなって動かなくなってしまう、あれはそういうモノです。

でも、ほったらかしは(さみ)しいのです。

今は「まて」という合図(あいず)さえも、掛けてもらっていません。


こうなったら(おく)()を使います。

私はごすじんの弱点を知っているのですよ。

まずは、ごすじんに向かって中腰(ちゅうごし)になります。

そして、前足を胸元(むなもと)で合わせます……今は()ですが。

あとは、それを上下に、かっちょんかっちょん振るのです。

これでごすじんはイチコロというやつなのです。


「ニャーに後始末(あとしまつ)(ほう)()げて、一体(いったい)何をやってるのニャ」

んお?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ