拾い物
狩りが終わって、後片付けの時間になりました。
オオムジナはお肉にはしません。なので、持って帰りません。
尻尾だけ切り取って集めます。
それと、オオムジナが使っていた武器も集めるそうです。
「放っておくと、他のオオムジナが拾って使うかもしれないからね」
おお、次やその次の厄介さを下げるということですね。
「たまーに、形見や家宝なんかで探索願いが出てることもあるニャ」
「ああ、そうか、元は人から奪ったり、拾ったりしたものだったね」
ごすじんは、拾う前に武器に向かって手を合わせて目をつぶりました。
「オオムジナもヒツカキのように定期的な駆除作戦があるのかい?」
「うんニャ、こいつらは荒らして移動してを繰り返して、定住していないのニャ」
「では、見つかる度に合同作戦?」
「それも違うニャ、普段なら常駐のハンターで対処するニャ」
「今回は見つかった数が多かったから、合同作戦になったということか」
「そうニャ」
「どこから来るんだろうなぁ」
「いろいろ説はあるのニャ、確かめた奴はいないけどニャ」
「どんな説があるのかな?」
「大集団が、人の住む領域の外を年単位で移動してる説ニャ。で、増え過ぎたら枝分かれニャ」
「ふむ、そのうち一つが人の方へ来たと」
「次に、どこか遠くに本拠地がある説ニャ、そっからあぶれた連中が、人の領域に来るニャ」
「確かめるのは難しそうだ」
「それから、自分たちを率いる主を探してる説もあったニャー」
主というか、長がいても、あれではどうにもならないと思います。
「分からないからこそ、いろいろと考えられるんだろうね」
「そんなの考えても意味はないニャ。考えるなら、被害を減らす方法なのニャ」
「事前に防ぐのは難しそうだ……とりあえず、今はアフターケアだね」
ああ、私たちは元気ですが怪我をしてしまったハンターもいますね。
割り込みへの割り込みが上手くいっていたので、ひどい怪我はいないみたいです。
それでも、足をやられていて自分で歩けない人や、武器を持てない人を見かけます。
「手間かけさせちまってすまねえな……」
「なに言ってやがる。人間同士が助け合う、サマになるってもんだぜ」
「そうそう、当たった場所が悪かっただけだ。ちゃんと働いてたじゃねーか」
「俺、バキューン膏持ってるからよ、戻ったら使わせてやるよ」
んん?なんだかハンターが、みんなちょっと優しくなっています。
「なんニャ?あいつら全員で同じ飯でも食ったのニャ?」
肩を貸したり、手を引いたりして、怪我した人を手伝っています。
「他に共同作戦やったとき、あんなことはやってニャーのニャ」
よくわかりませんが、みんな無事に戻れそうですね。
戻ったらごはんを食べて、ゆっくり休むのです。
「それより見たかニャ?ニャーも鉤手甲、使いこなしてたニャ?ニャ?」
あ、やっぱりゆっくりできないかもしれません。
埋めて帰りますか?
「あれ、これは何だろう?」
武器を拾っていたごすじんが、違うものを見つけました。
「でっかい、たまご?」
いえ、たまごにしては細長いような気がします。
私の覚え違いでしょうか。
「なんちゅうことを……」
ごすじんがニャーの人に顔を向けると、ニャーの人がびっくりしています。
「それはたぶん鱗人の卵ニャ、形からして蛇系ニャ」
「りんじん?」
「見たことないニャ?獣人とは別の系統の人間ニャ。毛皮じゃなくて鱗が生えてるニャ」
「オオムジナがどこかの集落から盗み出した?」
「滅ぼして搔っ攫ったのかもニャア……普通は厳重に保護されるのニャ、赤んぼと同じニャ」
「それなら、丁寧に弔ってあげないといけないね……」
ごすじんがたまごを埋めるためなのか、穴を掘っていますが、待ってください。
「それ、生きてる。まだ」
ごすじんは、たまごを持って他のハンターが集まっているところへ向かいました。
こういう場合の掟がわからないので、みんなに相談するのだそうです。
それにしても、たまごから生まれてくるヒトもいるのですね。
不思議です。
あれ?ハンターたちが慌て始めましたよ。
「あぶぁ!ぷえぇぇぇ!ぷえぇぇえ!」




