我々思う故に我々在り
「よう、お前ら準備の方は順調か?ところで俺は人間だ」
「おう、確かにお前は人間だ。準備の方は……後は頭数が揃えばってとこかな」
なんだか猟獣会にいるハンターが、おかしな挨拶をするようになりました。
「オオムジナの動きはどうなってる?ちなみに俺は人間なんだが」
「そうだな、確かにお前は人間だな。目立った動きはないが、川沿いに少し移動したみたいだ」
ここに来た日には、あんな挨拶はしていませんでした。
おかしなこともあるものですね。ヘックシ!
おかしな挨拶は増えましたが、様子のおかしい人たちは来なくなりました。
おかげで、静かにごはんを食べることが出来ます。
イライラしながら食べたり、急いで食べたりすると、お腹の中が捻じれてしまうこともあるそうです。
そうなったら大変です、おしまいです。
今日は昨日よりもハンターが増えていて、猟獣会の中がヒツカキ作戦のときみたいです。
まあ、ここはよその街の猟獣会なので、匂いはいろいろと違います。
オオムジナも数がたくさんで、街や村に押し掛けてくる迷惑な獣のようです。
でも、ヒツカキの時とは違って、仕留め役と追い立て役に分かれたりはしません。
ヒトを見ると襲い掛かって来るので、たくさんにはたくさんで対抗するみたいです。
今はまだ、ハンターの方が人数が少ないと聞いています。
私たちみたいに、ほかの街からお手伝いに来てくれるハンターを待っているのです。
人数が集まらないときは、別の作戦を考えないといけないらしいですよ。
そうなったら、狩る場所や使う道具を変えないといけないそうです。
せっかく準備していたのに、準備をやり直すのは大変ですね。
でも、ハンターはいろんな街からどんどん集まっているみたいです。
「ありがてえ、一挙に三十人のご到着だ。あんたらも勿論人間だよな?」
「え?んあぁ……そのつもりだが?」
「だよな!だよな!よろしくな!俺も人間だ」
「なんだ?何かあるのか?」
到着したハンターは、初めはみんな戸惑うみたいですね。
その後、こしょこしょと話を聞かされて、おんなじ挨拶をするようになります。
つまり、あの挨拶をする人がどんどん増えていってます。
この調子なら、人数は集まりそうだと受付の人が言っていました。
どうやら、準備をやり直さなくてもいいみたいですよ。
まあ、準備をやり直すときはごすじんにお任せなので、私は応援しかできません。
それに、戦ったことが無い相手なので、どんな風に倒すのかはわかりません。
そこもごすじんにお任せですね。
その代わり、狩りの本番では私が頑張りますよ。
「おミャーのそれも美味そうニャ、ところでニャーは人間ニャー」
む、この匂いは確か……
「オゥフ、意外なところで再会なのニャ、おミャー達もオオムジナを狩るのニャ?」
これは、静かにごはんを食べるのは無理そうです。




