表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
65/67

会長は気になる

「会長、ミルテ猟獣会(りょうじゅうかい)の会長がお見えになりました」

街道(かいどう)(ひと)()()ってお()ましとは、随分(ずいぶん)と有能な事務員を(かか)えているようだね」

(ちから)(およ)ばず、申し訳ございません」

「いや、ただの皮肉だよ。会長ともあろうものが、そんなに(ひま)なはずは無いのでね」

「はい?」

「君はよくやってくれていると思っているよ」

「あ、ありがとうございます?」

「彼女は()たせると(へそ)を曲げそうだから、早速(さっそく)(とお)してくれたまえ」


「それで、一体(いったい)何をしに来たのかね?ここ最近、書類のやり取りに不備(ふび)はなかったはずだが」

「書類に不備はないよ。実態(じったい)(ともな)ってるかまでは分かんないけどね」

「それは虚偽(きょぎ)記載(きさい)があったと言いたいのかね?」

「それ以外に何があるってんだい?ミチヅレの猟果(りょうか)がどう考えてもおかしいだろ!」

「これは()なことを。証明(しょうめい)部位(ぶい)も協会に提出(ていしゅつ)()みなのだがね?協会が(かぞ)間違(まちが)えたと?」

「ウチの会の倍以上狩れてるなんて、説明が付かないよ」


「おかしくはないさ、分布(ぶんぷ)の差、ハンターの数、装備の(しつ)要因(よういん)はいくらでもある」

「ハンターの数はそう変わらん。猟番(りょうばん)だけならウチの方が多いくらいだ」

「それはそれは、人材が多くてうらやましい限りだ」

「あと、鉤手甲(かぎてっこう)つったか?あの道具はウチでも出回(でまわ)り始めてる」

「結構なことじゃないか」

「調査の結果、入植(にゅうしょく)したての開拓地(かいたくち)二箇所(にかしょ)(つぶ)されていた。どちらもこの街よりウチに近い」

「なら、そこからこちらへ移動してきたと考えられるね」

「おかしいのはそこだ」


「奴らは不利を(さと)れば逃走する。取り逃しがこちらへ流れたとするなら、自然なことでは?」

「あいつらを()つのはベテランでも(こた)えるんだ。ソッチからも()()らしが出るはずだろ」

「そんなことは知らないね。被害の収束(しゅうそく)が早かったことを喜ぶべきだろう」

「吐け、どんなペテンを使いやがった?」

「私は何もしていないさ。ハンターたちの薫陶(くんとう)賜物(たまもの)じゃないかね?」

「薬か?判断力を(うば)って(けしか)けたのか?」

「そんな危ない上に金が掛かりそうなこと、するはずないだろう」

猟奇(りょうき)趣味(しゅみ)の変態でも(かこ)って()らせたのか?」

「それこそ、まさかだ。ただまぁ……」

「何だい?」

「街に迷惑を掛けないなら、獣を狩るハンターは良いハンターだ。違うかね?」

「……っ!」


「お互い暇ではないはずだ、沽券(こけん)だの面子(めんつ)だのを気にする余裕があるのかね?」

「だが、私は……」

「こうしている間にも、君の承認(しょうにん)が必要な書類が積みあがっていくのでは?」

「むう……」

「私とて状況は君とそう違わない。そろそろお引き取り願えないかね?」

「とにかく、(うし)(ぐら)いことはしてないんだな?絶対だな?」

「そこは狩猟(しゅりょう)女神(めがみ)に誓ってもいい。嘘ならば、かの長弓(ながゆみ)で射抜かれようとも」


「ようやく帰ったか……痛くもない(はら)を探られるのは、面倒(めんどう)(きわ)まりないね」

「あの……」

「ああ、丁度よかった。今呼ぼうと思っていた」

「何か御用でしょうか?」

「いや、その前に、今何か言いかけていたね?何か報告が?」

「報告ではないです。先に用件をお聞きします」

「ふむ、実を言うと、私は本当に今回の要因(よういん)を知らないのでね、それとなく聞き回ってくれないか?(あば)()てるような真似(まね)はしなくてもいい」

「わかりました」

「で、何を言いかけていたのかね?私はそういうのが気になるクチでね」

「いえ、あの人、割と会長の事が好きですよね?危ない橋を(わた)っていないか心配だったのでは?と」

「なっ?馬鹿な!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ