アナリティクスお姉さん
毎年の事とはいえ、祭りの後は寂寥感がありますね。
猟獣会は通常営業ですが、ハンターさん達の姿は疎らです。
飲んだくれた挙句の頭痛に苛まれていらっしゃるか、燃え尽きたようにやる気を失っておられるのでしょう。
私どもとしては、一刻も早く祭りで消費された数々の食肉の補充を始めていただきたいのですが……
とはいえ、気もそぞろな状態で狩りに出られ、怪我をされるのも困りますからね。
そんな中、普段通りに活動なさっているハンターは貴重と言えますね。
この方――いえ、この方達は謎が多いハンターです。
いつものように受付で依頼を選んでおられますが、邂逅した日のことは忘れることができません。
いえ、制服も一新されたことですし、決して悪い意味だけではないのです。
最近はウサギと称してマダラオオトカゲを納品されることもありません。
おそらくは、しばらくして合流なさったお方が、上手く取り成してくださっているのだと思います。
お二方とも大変に奇――個性が強くてあらせられます。
この街に来る前に活動されていた拠点が、かなりの遠方だったものと類推できます。
猟番の獣人さんは、言葉数は少ないのですが、かなり強い信念をお持ちの様子。
独特の距離感で、軋轢や衝突を呼び込んでしまわれることもあるのですが、根底は善性なのだと思います。
わざわざ他者に絡みに行って、自らの能力を誇示なさるようなこともありません。
むしろ、他者には積極的に関わらないよう振舞っているとすら感じますね。
過度な干渉や拘束さえ強いなければ、とても優秀な猟番としてお付き合いすることができます。
謎多き人物ではありますが、私も最近、適度な距離感というものが掴めて来たと自負するところです。
もうお一方は、こちらで登録をされ、今は猟偵として活動しています。
正直に申しまして、ハンターとしての適正は低いと思われます。
年齢的にも躍進は難しいと申さざるを得ませんし、見た目も、頼りなく感じてしまいます。
ですが、決して侮ってはいけません。
献上され、今は剥製となって展示されているガナリグマ。
あの熊の討伐に多大な貢献をされたと聞き及んでおります。
そして、それが原因で、有名な賞金稼ぎの人に目を付けられてしまうのですが……
それを鮮やかに切り抜けられ、逆に一目置かれるようになっておられました。
とはいえ、それらを誇ったり驕ったりすることなく、飄々と振舞っておられますね。
物腰が柔らかく、学もあるように見受けられるのですが、こちらもまた謎多き人物です。
気になるのは、お二人のご関係ですね……
とても強い絆で結ばれているように思われますが、種族も違いますし、親子という線は無いですね。
相棒というには、つり合いが取れていないというか、お互いの毛色が違いすぎます。
まあ、本来ならば、このようなことを詮索してはならないのですが、自分で推察するだけなら何ら問題ありません。ないよね?
どなたかに聞かせたり、意見を求めるようなことをするつもりもございません。
惜しむらくは、私にまったく興味が無さそうなことですかね。
ハンターの中には、私の気を引こうと言い寄ってこられる方も多いのです。
少々食傷気味で、迷惑に思うこともございますよ。
ですが、お給金にはソレに対する手当ても含まれておりますので、承知の上であるとも言えます。
なにより、私自身がそれを利用して、少々無茶な頼みをすることもございます。
その手が使えないというのは、なんとも張り合いがありませんね。
ですが、獲物を狩って来られるハンターは良いハンターです。
これからも猟獣会のため、狩りに勤しんでいただきたいところですね。
勿論、怪我には十分に注意して、無理のない範囲で、ですが。




