祭りの後
お祭りが終わりました。
いつもがいつもに戻ったのに、街がなんだかさみしそうなのです。
みんな、お祭りではしゃぎすぎて、疲れてしまったのかもしれません。
それから、曲がり角や木の根元で、酸っぱい臭いがしている場所があります。
本当は気付きたくないのですが、どうしようもないのです。
ゲロゲロのあとですね……
角の人は祭りが終わるとどこかへ行ってしまいました。
ごすじんに「角を磨いて待ってろ」と言っていましたよ。
角なんて生えていないのに、変ですね。
ごすじんは首を洗うようなものか、と受け入れていました。
むむむ、なんだか除け者にされているみたいでモヤモヤします。
体当たりをして問い詰めましょう。ドーンとボフッと。
次に会うための約束のようなものらしいです。
つまり、またやって来るつもりなのですね。
まあいいのです。
いつもが戻って来たので、私たちは狩りに行くことにしますよ。
今日はどんな依頼が出ていますか?
どんな獲物を狩ってくればいいですか?
お祭りではヘビ以外のお肉もたくさん使ったみたいです。
だから、お肉の依頼が多いそうです。
ウサギもヒツジもヤギもシカもイノシシも、たくさん欲しいと言われました。
それと、お祭りの後は怪我をする人が多くなるみたいですよ。
お姉さんが、気を付けてほしいと言っていました。
それにしても、今日はいつもより人が少ないですね。
これも、お祭りの後ではいつものことなのだそうです。
みんな寝ぼすけになってしまったのですか?
まあ、よそはよそなのです。
ごすじんに獲物を選んでもらったら、私たちは出かけますよ。
今日の獲物は、怪我の心配が少ないウサギにしました。
真っ直ぐ追いかけて、鉤手甲で引っ掻けます。
やっぱり鉤手甲は便利ですね。待ち伏せしなくても狩れるのがいいのです。
それから、パチンコで五寸挿しを飛ばすやり方も、試してみましたよ。
飛びゴッスンなのです。
上手く当たると刺さるので、遠くからでも仕留めることができますよ。
でも、ウサギは刺さった後、その場で倒れないで逃げることがあります。
まあ、逃げても匂いを辿れば、追いかけられるのです。
しつこく追いかけなくても、すぐに力尽きるので、そんなに問題はありません。
でも、狭い穴に逃げ込んでから、力尽きるのは困ります。
土に空いた穴なら、ウサギも五寸挿しも、掘って取り返すことが出来ますが、岩の間や木の根っこの奥はダメでした。
五寸挿しは今、四本も持っているので、三本までは失くしても大丈夫です。
それに街に戻れば、おやじさんが用意してくれます。
それでも、失くさないほうがいいに決まっているのです。
なので、ウサギに飛びゴッスンはやらないようにしましょう。
もっと大きい獲物を狩る時に、どんな使い方ができるか確かめますよ。
大丈夫です。使い方はごすじんが考えてくれますから。
ウサギを狩ったら、街へ持って帰ります。
運びやすいように、ごすじんがウサギを縛ってまとめてくれています。
このいつもが、私たちのいつもなのですよ。
ちょっとだけ前に出て、ごすじんと一緒に街に向かって歩きます。
今日はなんだか、いつも通りということがとても嬉しい気がします。
そう考えると、たまにはお祭りもいいですね。
街に戻ると、出掛ける時よりもさみしそうな感じが、薄まっている感じがしました。
明日かその次には、街も普通に戻りそうですね。




