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おじいちゃん

馬鹿なことをしでかしたものだ。

勇者とやらを擁立(ようりつ)して信仰を集めるつもりだったのだろう。

そんな者、この世界には必要ないというのに。


そのための駒(こま)を用意するのに失敗したのだ。

それも、かなり強引な介入(かいにゅう)を行(おこな)ったのだろう。

反動で自身の格をほとんど失うほどだ。意思が残っているかどうかも怪しい。

恐らくだが、失敗することなど想定していなかったのではないか。

ヒトでなければ容易(ようい)に御(ぎょ)せると軽く考えたな。


現世(うつしよ)は人類だけで作られているものではない。

人類から得た信仰の影響が顕著(けんちょ)に見えるというだけのこと。

数多(あまた)ある徳の形、その一つに過ぎないのだ。

それだけを束ねても大きくなれるだけ、神に至ることなどできまいに、そんなことも忘れてしまったか。


だが、迎(むか)えた者を無碍(むげ)にする事はできない。それはこの世界を貶(おとし)めることに等しい。

他者の愚行(ぐこう)の後始末など業腹(ごうはら)でしかないが、ひとまず合意と言えるものは結ぶことができた。


傲慢(ごうまん)と謗(そし)られようとも、今後の干渉はしない。

ただ、約束の履行(りこう)を待っていてもらうだけだ。

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