ハンター街道六次
祝?ep100まで来れました
街道の移動を三日続けたあと、街に到着しました。
人の馬のおかげで速く移動することができたのですよ。
でも、この街はまだ途中の街です。移動先はちょっとだけ寒い街のはずなのです。
街に着いたあと、人の馬は用事があると言って、どこかへ行ってしまいました。
次は任務じゃないときに会えたらいいな、と言っていましたよ。
今日は猟獣会に行って小屋を借りるのです。
なので、この街の猟獣会へ向かいますよ。
扉を開けようとしたら、でっかい犬が飛び出して逃げていきました。
あの匂いには覚えがありますね……ダメ主に付いて来ていたうんこたれの匂いです。
私の匂いを察知して避難したのでしょうか?
失礼なやつです。私は誰彼構わず理由もなく噛み付く乱暴者ではないのです。
まあ、ごすじんがそれを分かってくれているので、気にする必要はありません。
それに、いちいち絡まれないで済むのなら、そっちの方が楽ですね。
「いらっしゃいませ、本日はどのようなご用件でしょうか?」
「猟番一名、猟偵一名、ルシェントまでの移動の途中でね、一泊だけ部屋を借りたいんだ」
「この木札はエスト猟獣会のものですね……他に提出するよう預けられている物などはありませんか?」
「特には無いです」
「本当に無いんですか?例えば書簡とか令状とか、あと個人的な手紙とか……」
「いえ、そういったものに心当たりはないです。それが無いと泊まれないのですか?」
「あ、大丈夫です。問題はありません」
なんだか様子が変ですね。
「まーたやってるのミャ」
おおう、これはニャーの人……に似ていますが、違いますね。
「気にしなくていいミャ。このコ、勝手に泣かし屋の真相を探ってやがるのミャ」
「だって、危険かもしれないじゃないですか」
「だとしても、まるで会の意向かのように方々に手紙を撒くのはよろしくないミャア」
「ああ、その返事を持参していないか期待されていたというわけか」
「そも、猟獣会がハンターを売るような真似、するはじゅがないのミャ」
「安心してもらえるかどうかは別として、泣かし屋なんてハンターは存在しないよ」
「泣かし屋さんにそう言えって、脅されてるんですね?」
「……あんたらも、いろいろ大変そうだミャア」
「失礼だが……どこかで会ったことが?」
「んーん。直接の面識はない……かミャア?」
「私たちの事は?」
「妹分がお世話になった……のかニィ?まあ、そういう繋がりで話は聞いてるのミャ」
「いもーと……ニャーの人?」
「いや、そこは白足袋って呼んでやって欲しかったミャア」
「では、彼女もここに?」
「んーん。居場所という意味なら、今この街にはいないミャ。所属という意味なら、ミャー達はいろいろな街を転々としてるのミャ」
「そうですか。では、よろしくお伝えください」
「こらこら、どこへ行くつもりなのミャ?」
ごすじんが引き返そうとしたら、ミャーの人に回り込まれてしまいました。
「明日も移動ですし、食事を摂って、休もうかと」
ごすじんも負けていません。踏み出した一歩を半歩に縮めて、次の一歩でミャーの人を避けます。
「あのコとは一緒に飯を食ったミャ?なら、ミャーとも一緒に食うのが道理ってものミャ」
あ、これは反則ですね。抜けられそうになったミャーの人が、ごすじんの手を掴んでしまいました。
ごすじんはそのままごはんスペースに連れて行かれてしまいました。
もちろん、付いて行きますよ。
「お代はミャーが持つから、好きなものを頼むのミャ」
ごすじんが先に選んで、私もおんなじものを頼みます。
「まじゅはお礼を言っておくのミャ、あのコの悪い癖を直してくれてありがとうなのミャ」
「悪い癖……というと?」
「現場には居なかったから伝聞になるミャが、一個ちょうだいしなくなったミャ」
そういえば、人の皿から盗っていくのをやめて、交換するようになりましたね。
「マァ、それが例の噂の一節になってしまってるのは申し訳ないミャア」
「いえ、出過ぎた真似をした代償なのかもしれませんし……」
「んーん。初対面で面倒を起こすことが減ったし、結果的に交友関係も広がってるみたいミャ」
「重畳です」
「オオムズィナの時もご一緒だったみたいだミャ?背中を任せる仲間ができた、とか言ってて忌々しいことこの上ないミャ」
「それは……何か、問題が……?」
「当ったり前なのミャ!姉より優れた妹なぞ存在してはいけないミャア」
「ああ、なるほど……保護者として、頼られる姉貴分でいてあげようと思っているんですね」
「はぅ……めおぅ……」
あれ?なんかゴロゴロ?クルクル?音がしていますよ?
ごはんのあとは今日の寝床に向かうのですが――
「今夜はミャーの部屋に泊まるのミャ、それがいい、それが一番ミャ」
「いや、もう小屋の手配はしてもらっているし、いろいろと問題があるのでは?」
「あっちが背中を任せられる仲間なら、ミャーは寝食を共にした仲間にするのミャ」
まあ、布の家ではないので、三人でも狭くは無いと思います。
「さあ、遠慮なく上がって休んでいくと良いミャ。部屋履きは……んモッ――」
ごすじんが靴を脱いだとき、ミャーの人が口を半分空けた変な顔のまま固まりました。
視線もなんだか定まっていないように見えます。
ごすじんがショックを受けているようですが……どうしてですか?
よくわかりませんが、ごすじんをいじめるつもりなら許しませんよ。
「ぐるる」
「待つのミャ!違うミャ!これは悪臭で悶絶したワケじゃないミャ!つい、気になる匂いを分析してしまったのミャ!」
「あう……つまり、気になる匂いは発している……のか」
ごすじん?




