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荒廃世界の少年商人〜剣も魔法も使えないので、値付けと信用で世界を立て直す〜  作者:


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39/43

水龍とスライムと、暴走気味の将軍殿

将軍グラドに、私はあるお願いをしていた。


「将軍さん。私が買い取った……いえ、仲間にした皆さんを、“自衛できるレベル”に訓練してほしいんです」


「任せろ。自衛だな、よし……わかった!」


(よかった……これで安全に──)


*五分後*


「お前ら!!! 連邦を変えるぞぉぉぉ!!! まず議会を叩き潰す鍛錬だァァァ!!!」


「ちょっと待って!?」

「えぇぇぇ!? 一揆……いや革命ルート!?」


リオが額を押さえる。


「カイ……将軍に頼むのが悪手だったのでは……」


「ぷる(やる気満々)」


(やる気満々じゃなくていいんです!!)


―――


「……とりあえず、逃げましょう」


「賢明な判断だ」


「ぷる!(にげろー)」


私たちは近くにあるダンジョンに避難した。


今回は入口から妙に静かで──扉を開けると、スライムが数匹ぷるぷる寄ってきた。


「ぷる?(だれだれ?)」

「ぷるる!(あ、スライムと仲良しの人間!)」


すっかり友好的だ。


「スライムかわいいですね……」


「出会うスライム全部味方になるの、お前ぐらいだぞ」


「ぷる♡」


と、ほっこりしたのも束の間。


「ここにいるぞ!!」

「皇帝を倒した少年だ!!」

「連邦議会の命令だ!!」


(うわっ来た……!)


だが──


ずる……

じゅるり……

ぷるぷるぷる……


「え?」


「あ」


「ぷる♡」


スライムが暗殺者をモグモグし始めた。


「ぎゃああああああああ!!!?」

「やめっ……やめろぉぉぉお!!」

「溶けるっ……溶けっ……!!」


みるみる消えていく暗殺者たち。


溶け残った装備から、スライムがキラリと光る結晶を吸った。


「ぷる……!!(つよくなった)」


「あ、また毒スライムが増えた……!!」


リオが驚愕する。


「カイ、完全に“餌付けされてる”状態だぞこれ……!」


「ぷる(後輩できたから先輩顔)」


(スライムが先輩風……かわいい……)


―――


「さて……下の階層に行きますか」


階段を降りると──


ごうっ……!!


水だ。


完全に沈んでいる。


「も、潜るんですか……?」


「泳げるのか?」


「ぷる(およげる)」


(いやスライムは泳げるでしょうけど!!)


「どうやら……特殊なアイテムが必要みたいですね……」


水面をじっと見つめ、私は考えた。


(水のダンジョン……水属性……竜……)


そして、ふと思いつく。


―――


水面へ向かって叫ぶ。


「ドラゴンさーーーん!! いますかーーー!!?」


「いや来るわけ──」


「は〜〜い♡」


「来たーーー!!!?」


光が走り、私とリオとスライムが一瞬で転移させられた。


―――


「いらっしゃぁい♡ あらぁ、綺麗な子ねぇ?」


現れたのは──煌めく青い鱗をまとった水龍のお姉さんだった。


「綺麗な子は好きよ? これ、あげる♡」


水龍はスライムに、水晶のような鱗片を一枚トンっと落とした。


スライムはそれを吸収し──


ぴかーーーん!!!


「ぷるるるっ!?!?!?」


スライムの体が透き通るクリスタルに!!

カチカチ!!

でも──


「ぷにっ」


触ると元に戻る。


(よかった……! スライムのぷにぷにが失われなくて……!)


水龍はにこにこして言った。


「さ、泳ぎの必要はないわよ。水の中も息できるようにしてあげる♡」


「え、そんな簡単に……?」


「竜だもの♡」


リオがぼそっと言う。


「……水龍、お前の知り合いのドラゴンより愛想がいいな」


「ほっほ♡」


(たしかに……)


―――


水龍の力で、私たちは水没階層も自由に動けるようになり、スライムはさらに進化し、暗殺者はいなくなり……


「さて、戻りましょうか!」


「戦争商会連盟との決戦が近いな」


「ぷるっ!(いくぞー)」

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