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荒廃世界の少年商人〜剣も魔法も使えないので、値付けと信用で世界を立て直す〜  作者:


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35/43

帝国と王国の同盟、そして戦火の兆し

帝国再建ファンドが動き出してすぐ。


「カイ」


「はい?」


リオが私の額を指で“コツ、コツ”と叩いた。


「いつの間に“帝国まるごと商会”にしたんだ?」


「え?  あ、えへへ……」


「笑ってごまかすな」


「ぷるっ(知ってた)」


(だって、気づいたらそうなってたんだもん……)


―――


「ということで、帝国の問題は一段落しました!」


魔動通信球を使って王国のレイヴァンに報告すると──


『……は? 帝国を改革した???』


「はい! “商会として”!」


『もはや何も言うまい……』


(レイヴァンさん、声が少し震えてる)



「レイヴァンさん。帝国と王国を繋ぐために、“交易路改修ファンド”を立ち上げたいんです!」


『……それは良いな。即承諾する。』


「ラインハルトさんもお願いします!」


「無論だ。帝国は王国と協力する必要がある」


『……帝国の皇帝が自分の意思で話している……? 本当に改革したのだな……』


(レイヴァンさん、それまだ信じてなかったんですか)


こうして──


王国 × 帝国の正式な交易同盟

が成立した。


―――


しかし、その時、帝国と王国が手を取り合ったという噂は、とある国を動かしてしまった。


「カイ殿!!大変です!!」


善意商会の使いが飛び込んできた。


「隣国・連邦が──帝国に宣戦布告しました!!」


「えっ!!?」


「歴史的に一部が帝国に支配されていたため、“大義名分は十分”と主張しているとのこと……!」


ラインハルトが歯を食いしばった。


「……愚か者め。帝国が弱っていたからこそ牙を剥くのだ」


「王国と同盟を結んだと聞き、今なら勝てると判断したようです!」


「ぷるっ(こわい)」


(戦争なんて……放っておけない)


「行きます」


「カイ?」

「カイ殿!?」


「連邦へ向かいます。戦争を“商人として”止めに行きます」


リオは深く頷いた。


「……そう言うと思った。俺も同行する」


「ありがとう、リオ」


「カイ殿!! 私も行く!」


「儂も行くぞ小僧!! 戦じゃ戦じゃ!!」


「ダメです!!!!」


私は全力で止めた。


「お二方には帝国を守ってもらわないと困るんです!!! 今行ったら、帝国が“本当に無人の国”になりますから!!」


「む……!」


「むぅ……!」


「ぷるっ(のこって)」


ラインハルトとドラゴンはしぶしぶ頷いた。


「……カイ殿の頼みなら致し方ない」

「儂は宝を守らねばならんしのぅ……」


(理由そこなんだ……)


―――


「リオ、スライム、行きましょう!」


「おう」

「ぷるっ!」


こうして──

カイ一行は“戦争を止めるための行商”に出る。


連邦は帝国を飲み込もうとしている。

騒動は大陸全土に広がる予兆を見せていた。


だがカイは──

武力ではなく、商人の知恵で戦争を止める方法を知っていた。

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