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荒廃世界の少年商人〜剣も魔法も使えないので、値付けと信用で世界を立て直す〜  作者:


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22/43

革命の終わりと、帝国への道

王都を揺るがした暴動は──驚くべき速さで幕を下ろした。


「兄上。国民と兵士たちの声を聞きましたか?」


レイヴァンが静かに言い放つ。

第一王子は蒼白な顔で震えていた。


「わ、私は……悪くない……!」


「悪いです。全部です」


そしてレイヴァンは、棒読みで叫んだ。


「カイ様のご命令だーー(棒)」


「ちょっ!? 言ってない言ってない!!」


「兄上の拘束を許可するッ!!(棒)」


兵士たちは一斉に動いた。


「や、やめろ!! 私は王太子だぞ!!」


「もう違うので」


革命、開始。


革命、終了。


(……この王子、演技すらする気ないよね!? なんで棒読みで革命を終わらせるの!?)


リオは横でぼそっと言った。


「逆にすごいな……」


カオスな空気のまま、王都の支配者は静かに交代した。


そしてカイの“やけくそ改革ファンド”が始まる。


「もう、やけくそで発表します!! 改革ファンド、開始!!」


「おぉ……また新しいファンドが……!」


レイヴァンはすでに巻き込まれる気満々で隣に立っていた。


「今回は“土地ファンド”じゃありません! 緑地化に成功した村々から、食料や物資を“定期的に出荷”してもらう仕組みです!」


・余剰食料

・織物

・毛皮

・薬草


それらを王都へ回すことで、王都の生活基盤を安定させる。


「協力してくださるのは──緑地化に成功した村のみなさんと、行商人さんたち!」


「任せろぉぉ!!」

「ワシら、こういうの得意じゃ!!」


(ほんとこの人たちフットワーク軽い……)


「あと、レイヴァンさん。薬草からポーションを作る方法、教えます」


「えっ……本当に? カイ様が……?」


「はい。王都の医療体制を強化するためです」


レイヴァンは目を潤ませていた。


「……必ず、守ります……絶対に外へ漏らしません……!」


「別に漏れてもいいんですけど……」


「秘密にします!!」


(なんでそんな全力で秘密にするの……まぁ、レイヴァンさんが嬉しそうなのでいっか……)


こうして改革ファンドの出荷品に、新たにポーションが加わった。


王都の崩壊は、カイとレイヴァンの手で徐々に抑えられ始めていた。


―――


「さて……次は帝国商会の支店ですね」


「ここが第一王子の散財先だな」


「ぷるっ!」


王都の北区にある店へ向かうと──


「……もぬけの殻ですね」


店の扉は開きっぱなし。

棚は空。

帳簿も痕跡もすべて持ち去られている。


リオが呟く。


「帝国……早いな。証拠隠滅が手慣れている」


「これじゃ王都にいても手がかりは見つからないですね」


レイヴァンも店内を見回して言った。


「帝国商会は、王都に“侵食”というより“実験”をしていたようですね。直接行かない限り、実態は掴めません」


私は深く息を吸った。


(ここまで来たら……やるしかないよね)


「リオ」


「なんだ」


「帝国に行きましょう」


「……やっぱりそう言うと思った」


「ぷるっ(行く気満々)」


私は拳を握った。


「このままじゃ、王都どころか国全体が飲み込まれます。帝国の本拠地に行って、この“経済侵略”の正体を掴みます!」


リオは剣を肩に担ぎ、レイヴァンは微笑んで頷いた。


「必ず戻ってきてください。帰ってきたとき、この国はあなたの力で立っていますから」


「それプレッシャー!!」


こうして、カイ一行はついに決意した。


帝国へ乗り込む、未知の旅路へ。

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