ほんとうの夢
シンシンと降る雪の中を、同じ速さであがっていく。
背中を押されるように。
これが、人の子の妖精の力なのか。
ずんずんと上がっていく。
仲間たちに不思議な顔をされながら、すれちがっていく。
雲が近くなり、月も見えない。
しばらくすると、止まった。
そう思えた。
ただ、仲間は次々と降りていくので、しばらくすると上下左右の感覚がなくな
り、しりもちをついた。
何もないところに。
そうすることで、上がどっちかがわかる。
下を見ると、あの明かりのついた家さえ見えない。
ここまでなのか。そう思った。
雲の上に行きたい。それができれば、あの光も見えると思った。
あと少し。
あと少しなのに。
どうしたら上がれるのだろう。
ぼくの、妖精の力に願いを込めた。
力いっぱい願いを込めた。
無理とわかっていても、上に向かって歩いてみた。
全然、上がらない。
それでも、あきらめきれない。
最後の力をふりしぼって、願いながら、歩き続ける。
歯を食いしばり、手に力を込めて、目指すのは、雲の上。
空回りしているぼくの体。
すると、雲さんが、話しかけてきた。
「変わった子ね」
聞きたいことが、いくつかあった。
「ぼくは、ユウキといいます。夜空にいっしゅんの光のことを知りたいです」
雲さんは、しばらく考えると、
「知りたいことは、私の知っていることでいいの?」
「ユウキ君のしりたいことは、自分で、見て知りたいのではないの?」
ぼくは、もう聞くことしかできないと思っていた。
「もう力がないんです。ここまできて、せめて教えてほしい。」
雲さんは、
「よくがんばったはね。ここまで戻ってくる勇気は、そのがんばったのは立派です」
「でも、ここまできたら、あきらめないで。ユウキくんがそこにいられる、
落ちていかないのがユウキくんの妖精の力なの」
ぼくは、ぼくの体を見た。そんな力を使えていたなんて、びっくりした。
「わずかな望みがまだあるわよ」
ぼくは、すぐにたずねた。
「なんですか、それは」
雲さんは、
「わたしを動かすことのできる風さんです」
「もうすぐ朝一の風さんがやってきます」
「風さんにつかまれば、もしかしたら、さらに上にいけるかも」
ぼくは、希望をもらった。
「ありがとうです。雲さん」
深々と頭を下げて、お礼を言った。
雲さんは、にこやかな笑顔で、
「あの光のこと、少しだけ教えてあげます」
「あれは、『流れ星』というの」
「そして、それを見ているうちに、願いを言えたら、かなうといわれているわ」
流れ星って言うんだ。
流れ星
流れ星
流れ星
精一杯の思いを込めて、大きな声で叫んだ。
「流れ星に会いたい!」
つまったので、流れ星と雪を見に行きました。
流れ星は見れませんでしたが、雪を見て心を癒されました。
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