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心ふるわせる光を求めて!

 

「みんな見たか!」

 

 ぼくは、まわりに大きく声をかけた。


「なんかあったのか」


 となりの『カズマ』がこたえる。


「どうかした?」


 上にいる『ミズキ』がこたえる。


「なになに~」


 下にいる『タユ』がこたえる。


 みんな、見ていないのか?


 ぼくは、力強く説明した。


「いま空から、すっごい光が落ちてきたんだ!」


「あの光は、月さんより、太陽さんより、明るくはげしい光だったんだ!」


 カズマは、


「そんなすごい光、見なかったぞ」


 ミズキは、


「うん、みてないなぁ」


 タユは、


「夢でも見たんじゃないの?」


 ぼくは、確かに見た。


「夢じゃない!本当に光ったんだ。すごい光だったんだ」


 タユは、


「そうなんだ。見られなくてざんねん」


 ミズキは、


「え~っ!そんなすごいの早く教えてよぉ~」


 カズマは、


「光か!じゃあ俺は、すっごい光に進化する!」


 カズマのまっすぐな笑顔をしていた。


 こいつなら、本当になると思った。




 

 ぼくは、何になりたいのだろう。


 考えて、思い付きはしなかった。


 ただただ、光のことが頭からはなれない。


 ここまできて、上を見上げる。


 長い旅の空は、無数の雪ん子の仲間の白銀の世界の先に、雲さんが、小さく見える。


 雲さんをよく見ると、ぼくたち雪ん子のひかりで、ほんのり白くてらされている。


 ぼくたちが集まれば、あの大きな雲さんでさえ、てらすことができるんだ。


 わずかでも、光続けているぼくたち。


 あっという間に、かがやいて消えたあの光は、なんだったのだろう。


 

 

 もう一度見たい。


 知りたい。


 確かめたい。


 

 

 この気持ちに、体が動きだす。


 カズマが、


「ユウキ、どうしたんだ!どこへいくんだ!」


 ぼくは、真剣に答えた。


「空に上がる。雲の上に、あの光に会ってくる!」


 タユは、


「何考えてるの、ここまできて、進化は目の前よ」


 ミズキは、


「みんなでいっしょに、進化するって約束したでしょ」


 カズマは、


「ここから、上がれるような方法もないだろう」



 そう、ぼくたちは、ちきゅうさんに、引っ張られている。


 片道切符しか、持たされていない。



 届かない夢なのか。



 そう、あきらめかけていたとき、『ハスジイ』が声をかけてきた。


 ハスジイは、風で飛ばされてきたはぐれ雪ん子で、一度ちきゅうさんにあったことがあるそうだ。


 もっとも、進化していないハスジイを信じるものたちはいなかった。


 ただ一つ、ぼくたちよりもずっと長く生きていることは、見てわかる。


 ハスジイは、


「雪ん子、われらはみな妖精の力で生きている。他の妖精の大きな力をもらえば、上れるかもしれんぞ」


 ぼくは、その意味を理解できずにいた。


 わかることは、登れる方法が、あるかもしれないということ。


 ぼくは、ハスジイに頭を下げた。


「教えてください」


 ハスジイは笑顔で話し始めた。


「われらは、願うことで少しばかりの変わった力を使える。それが、妖精の力」


「でも、小さなわれらでは、大したちからはないが、人の子なら妖精の大きな力を持っている」


「あの遠くにある家の窓に子供がいる。その子に願えば、その子の妖精の力が、借りれるかもしれん」


 ぼくは、妖精の力がなんなのかさえ、わからない。


 ハスジイは、安心させるかのように、やさしいく、


「深く考えなくていいい。われらは、雪ん子の妖精。人の子は、人の妖精を持っている。人は大きくなる


と、妖精の力を無くす分、子供の頃の力が強い。」


「あの子の中の妖精に話しかけて、願いをかなえてもらう。人の妖精は気まぐれだから、何が起こるか、


わからんぞ」


「深く、心から願えばよい」


 ぼくは、とまどうこともなく、ただ祈った。




『空の上に上がりたいです。あの光を見たいです』


 


 まわりのみんなも、妖精の力を試したいのか、祈り始めた。


 すると、人の子が、こちらをずっとみている。


 

 もう、ちきゅうさんに着いてしまう。


 だめなのか・・・



 その時、体が浮いた。


 

 行ける。そう信じられる。



 ぼくはうれしくて、踊り始めた。


 みんなに、


「ありがとう、ぼくは行くよ。みんないっしょの進化の約束は守れないけれど、みんなの最高の進化にな


るように、願ってるよ」


 タユは、


「必ずその光を見てきなさいね。そして、私たちに、聞かせてね。」


 ミズキは、


「楽しかったよ。ありがとうね。」


 カズマは、


「がんばれ、これからだぞ!」


 ハスジイは、笑顔で見てくれている。


 ぼくは、さらに軽くなり、上がり始める。


 

 みんなが、手を振ってくれている。


 みんなが、少しづつ小さくなる。


 

 

 降りてきた速さで、上がっていく。


 あの、心を震わせたなぞの光を求めて。


 




 






 


 






 読んでいただきましてありがとうございました。

 四話構成になりそうです。

 次話は、近日中に、上がりそうです。

 今年中に、完結予定です。

 出来ましたら、評価をお願い致します。

 

 

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