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流れ星

 

 夜の中に暗く見えない雲さんが、白く美しく大きな形を表しながら光りはじめる。


 生まれたばかりの雪ん子たちは、太陽の光でまぶしく輝きはじめる。


 もう、光の景色の中に、影一つない。


 この景色は、神様が創ったものと思える程に、美しい。


 


 そう、見とれていた時、体が浮いたかと思った瞬間に、押しつぶされそうなほどの力でぼくを運ぶ。


 風さんに声をかける。


「風さん、ぼくは、ユウキです」


「僕を雲の上、さらにその上の流れ星さんのいる所まで、運んでほしいです」


 風さんは、


「ユウキくんか、面白いことを言うな」


「そんな所に行ったら、きみはきみでいられなくなる。それに、流れ星を、私は知らない。」


「それでもいいのか?」


 ぼくは、力いっぱいの返事をした。


「はい!」


 風さんはにこやかに笑うと、天高く、ぼくを吹き飛ばした。


「ありがとう」


 風さんにお礼を言ったとき、もう風さんの姿はなかった。


 あわただしい、親切な風さんだと思った。


 


 まだ、朝がこれから始まろうとしているところ。


 下を見ると、あの大きかった白い雲さんが、小さく見える。


 上を見ると、空には無数の星が光っている。


 星さんたちに、声をかけた。


「星さんたち、流れ星さんを知りませんか」


 

 しばらくまっても、返事がない。



「星さんたち、どなたか流れ星さんをしりませんか」


 

 よく見ると星さんは、かなり遠くにいる。聞こえていないのだろう。


 それでも、あきらめることができなかった。


 太陽さんがやってくれば、ぼくは溶けてしまうだろう。



「星さんたち、どなたか流れ星さんをしりませんか」


 だんだんとまわりが明るくなってくる。



「星さんたち、流れ星さんをしりませんか」


 太陽さんの光の線が見えてきた。


「流れ星さんをしりませんか」


 太陽さんの光の線が何本も広がり、大きくなってくる。


「流れ星さんどこですか」


 


 もう、熱く溶かされそうになってきて、だめなのか・・・


 そう思ったそのとき、


「だれか、わしを呼んだか」


 すごい音の声がした。


「流れ星さん、あなたはいったい・・・」


 話声が大きな振動で消されていく。


 その声のした方向から一すじの光が向かってくる」


 流れ星さんは、


「わしに聞くことはない。ただ、見ること、それだけじゃよ」


 そういうと、流れ星さんは、あっという間に、近づいてくる。


 そして、そのまぶしく大きな光が、ぼくの目の前を通り過ぎる。


 そのまぶしさのあまり、ひかりの世界に取り込まれる。


 その中で、友達の笑顔が見える。

 

 カズマ、タユ、ミズキ。


 これが、ぼくの夢、ぼくの願いなんだ。


 




 ぼくは、光の世界から、ゆっくりとはなれていく。


 

 ここがどこかもわからない。


 

 周りに雪ん子たちの姿はない。


 

 空にいくつかの雲さんが見える。


 

 太陽さんの光をさえぎってくれている雲さん。


 

 下を見ると、ちきゅうさんが、目の前にいる。


 

 いっしゅんで、帰ってきたのか。

 

 

 

 もうそこに、友達はいない。



 

 ぼくは、伝えたかった。


 流れ星さんと会えたこと。


 流れ星さんに願ったこと。


 『みんなが、笑顔でいられますように』


 

 

 ちきゅうさんの上に、雪ん子たちの姿はない。


 もう進化してしまったのだろう。


 ちきゅうさんの上に、見覚えのある家が見える。


 そう、あの人の子のいた家。


 その家の前に光っているものがある。


 見覚えのある光。


 カズマだ!


 ぼくは、うれしくなった。


 涙があふれてくる。


 ぼやけながらもよく見える。


 カズマは、雪だるまの頭にいる。


 ぼくに手をふっているかのようだ。


 ぼくは、力いっぱいさけんだ。


「かえってきたよぉ~!」


 ミズキが気付いて、こっちを見る。


 そして、隣のタユとカズマに肩をたたいて、知らせる。


 ぼくは、もう一度、力いっぱいさけんだ。


「かえってきたよぉ~!」


「おかえり~」


「おかえり~」


「おかえり~」


 みんなの声が、輪唱のようにこだまする。


 あと少しで、みんなの所にいける。



 そうおもっていたが、だんだん流されはじめた。


 あと少しなのに、みんなが遠のいていく。


 必死になって、手を伸ばすがとどかない。


 カズマ、タユ、ミズキが、手をつないでも、とどかない。


 

 もうだめかと思ったとき、妖精があらわれた。


 カズマの妖精。


 タユの妖精。


 ミズキの妖精。


 そして、ぼくの妖精が、手をつなぐことができた。


 ぼくは、みんなと肩を組んだ。


「みんな、ありがとう」


 妖精さんたちも、うれしそう。


 そして、みんなで、踊りだす。


 手をつなぎ、スキップして、歌いだす。


 すると、ぼくたちが、浮かび上がる。


 なんと、雪だるまさんが、踊りだしたのだ。


 カズマがしょうかいしてくれた。


「雪だるまさんの『ダルマ』さん。あの子の妖精さんだ」


 そういって、窓を指さす。


 窓には楽しそうにこちらを見ている人の子がいる。


 みんなの笑顔を見て思った。


 流れ星は、本当に願いをかなえるのだと。


 


 

読んでいただきましてありがとうございました。

この作品は、初投稿した『何もない!何も、なーんにもないんです。』の闇の中の作品と対照的に、光の大きさや形が、夢を持たせる。光の世界を書いてみました。

評価いただけると嬉しいです。


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