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No096 アイリの野望、覇王編 「アイチ領への帰参」 新しい仲間との旅立ち。 9歳12月~10歳4月

アイリは、アイリの本軍とメイド隊と抜刀隊を引き連れてオカザキに帰ってきた。

もちろん仲間は全員一緒だ。


リンコとネイは乗馬ができるようになった。

特に仔馬を可愛がっていたネイは、かなり上達している。

ギフで孤児たちに合わせてみたが、知り合いはいなかったようだ。


リンコは肉親がいないことで、孤児と同じ境遇になっている。

思いも色々あっただろう。子供達とは仲良くやっていた。


オカザキにも、孤児の子がいると聞いて感心したらしい。

孤児は誰も相手にしないのが普通だからだ。


リンコは早くも目標が出来たみたいだ。

まずはメイド隊に入って、その後は指揮官を目指すらしい。

キチョウやシホウ、ナオトラやマナリなどは、確かにある意味指揮官っぽいことをしている。

それはアイリの押し付けもあったりするが・・。


ネイの答えは「お嫁さんになる」だった。

子供らしくて大変よろしい。


オカザキでは、皆が帰りを待っていた。

孤児たちも出迎えてくれたが、見慣れない子がいた。

「あ・・あの子が娘さんね。」


元豪族から託された、7歳の娘だと聞いていた。

名前は、ツヤ。 「艶」と言う文字が浮かんだ。

それと共に歴史該当者として、「おつやの方」が出てくる。


「おつやの方」というのは、信長の叔母にあたる人物。

実は叔母と言っても、信長よりも年下だった。

オイチやシホウと同じ信長の血縁者の同名者と言うことになる。


岩村城の城主、遠山景任に嫁ぐが夫は病死する。

子がいなかったため跡継ぎとして、信長の五男である御坊丸を養子に迎える。

御坊丸は幼くて、実質はおつやの方が治めていた。


武田家の西侵により岩村城が攻められると、寡兵で三か月にも及ぶ籠城戦を行った。

この時信長は一向一揆との戦いで、援軍に行くことが出来なかった。

城は落ちないが、兵糧が不足し援軍も来ない。


武田家側から秋山虎繁(信友)の妻になるなら、無血開城で戦いを終わりにするという話がでる。

皆の命が助かるならとこれを承諾。

しかし、養子だった御坊丸は信玄の元に人質として送られてしまった。

信玄の死後、長篠の合戦で武田軍が大敗し、今度は信長から攻められることになる。


やはり援軍が望めないまま、半年間籠城する。

その後、命を助ける約束で開城することになるのだが、

信長の怒りが収まらず、結局処分されてしまった。


戦に翻弄され続けた、何とも悲しい生涯だと言える。


ツヤは芽が出ていないスキル持ちだった。

信長の血縁者でもあり、なんとなくアイリとのつながりがあるのだと思った。


娘の願いは、側近か側仕えとしてアイリの近くに居させてほしいというものだった。

アイリはこれを快諾し、側仕えにした。

側仕えでも側近でも皆アイリの仲間である。


豪族からの頼みでは、将来性があると思ったら役立ててやってくれというものだった。

それは本人の望みでもあるらしい。


しばらく、サヤカに面倒を見てもらうことにした。

ただ将来やりたいことが出来たら自由にさせてあげたい。


元豪族という叔父はいるのだが両親はいない。

アイリは保護者の立場になり、3人目の義妹にした。


アイリの居館の部屋は、11人になった。

アイリは、ギンとネイの3人で一緒に寝ているから。

ツヤは、サヤカと寝ることになった。


ツヤにも仔馬とメイド服を与える。

アイリと一緒にいるなら皆同じがいいと考えた。


ツヤは非常によく言うことを聞く子で、一生懸命に勉強している。

その姿を見て、ネイも勉強を頑張りだした。


リンコは、メイド隊の訓練に加わった。

見るととても筋がいい、きっと早く技能が発生すると思った。


アイリは、日々オイチとギンに助けられて仕事に精を出した。

予想していたが、仕事が山済みだったのだ。

オイチの処理能力は高く、どんどん片付けていってくれる。


最近では、官吏院のカンドウ爺に直接指示を出すようになった。


今回の家名騒動で、水軍だけは放置になっている。

活躍が支援だけなので、功績として挙げる要素が薄かった。


そこでアイリが考えたのは、海兵隊が主力になった時の四国への侵攻。

四国を取って瀬戸内海を水軍で制圧する。

これで文句なく家名と昇格ができる。


これは、中国地方を狙うヒデヨシに対する牽制にもなる。


この先の計画では、防衛兵と言う位置づけの存在は消える。

皆すべて歩兵隊に変わるのだ。

装備を統一し、汎用的に運用できる形にする。

その中からも、海兵隊へ編入させて水軍の兵数を増やす。


刀兵や弩兵も同じで、装備の統一が進めば、すべて歩兵隊になる。

海兵隊や歩兵隊の装備は、火縄銃と軍刀。

その為、今急いで装備を量産しているところだ。


各地にいる防衛兵が攻撃に回せるのは大きい。

これはアイリの支配地が、他領から攻められる余地がなくなってきているのもある。

あえて言えば、今アイリの支配地を狙えるのは位置的に武田軍くらいだ。

その為にギフに軍を置くことにしたのだ。


アイリは、そのうちケンシンが、武田軍を追い詰めてくれると内心信じている。


後詰軍の隊長らの昇格を行ったのも、そういったことを考えている。

指揮官補と大隊長が増加したことにより、動かせる兵数が増える。

大量の歩兵大隊が出来上がる。


防衛兵に変わるのは、治安維持のための警察官だ。

以前アイリが、領内の安全を守るために巡回係りとして作った、おまわりさん。

その時作った組織が官吏院直下の警察院である。

すでにそういう組織があるから、役割を明確にして人を増やし武装と権限を上げるだけでいい。


アイリは、国内だけでなく海外諸国に対しても警戒している。

その為もあり、武装船の装備を見直した。

現在アイリは、更なる軍船を構想中だ。


アイリは忙しい中でも、考える係りとして先のことを考えている。


しばらく、アイチ領でおとなしく仕事をしていると異変が起こった。


ギフの北にいた豪族の支配権放棄。

はっきり言って放置状態だったのだが、ここへきていろいろ考えたのかもしれない。

北陸までアイリの支配地になり、周辺をアイリの支配地に囲まれた状態になった。


しかもアイリの支配地だけがどんどん発展していく。

正直やってられるか状態に陥ったのだろう。

領民からもかなり、いわれていたようだから精神的に追い詰めてしまったのかもしれない。

これに関しては、断る理由もなく承諾した。


元京極家であるシガ領豪族の支配地内での内乱。

これにより、京極家の元領主は、内乱軍により処分された。

その後、内乱軍からの恭順の姿勢を示す使者が来た。


アイリの支配地に加えてほしいとのことだった。

領民を苦しめると、いつかはこうなることを予測していたが。

また軍費徴収だとか無理な徴兵だとかやらかしたんだろう。


これも断る理由も見つからず承諾した。


これにより、ギフ領とシガ領は完全直轄地になった。

山が多い場所は苦手だが、領民の期待には答えたい。


しばらく後に内乱軍を指揮した人物が仕官希望でやってきた。


名は「小法師」、歴史で該当する人物は「京極高次」になる。

元京極家領主と違い、本当の京極家の同名者だった。

偽物退治とか、運命だったのだろうか。


武将として歴史に名が出始めるのは、信長に仕えて足利家攻めに従軍した頃から。

明智光秀の本能寺の変後に光秀に仕えることになる。

秀吉の長浜城攻めを行っている最中に、光秀が秀吉に倒され、逃げ回った。

その後、秀吉の側室に妹がいたことで、助命嘆願で許され秀吉に仕える。


関ケ原の合戦では、大津城で籠城。

毛利元康、立花宗茂らの軍勢を足止めして、関ヶ原に参陣することができなくした。

徳川家康からこの功績を認められ徳川家に仕えることになった。


アイリは基本的に仕官希望者は採用決定だ。

努力して学んでくれればいい。



やがて、聖祭日が来てアイリは10歳になった。


聖祭日の5日間は仕事から離れ、神社で祭りを楽しんだ。

祭りと言っても露店が並んでいるだけだが、皆楽しそうだ。


夏の花火祭り同様、アイリの露店もある。

アイリがいろいろ忙しかったせいもあり、昨年の夏祭りと同じ露店だ。

それでも仲間たちは喜んだ。


新しい仲間の3人は、それはもうはしゃぎまくった。


この時アイリは、かねてからの懸案だったものをおこなう。

よさこい鳴子踊りを、よさこいダンサーズの女性たちと披露した。

彼女たちはアイリがいない間も練習していたらしく、かなりうまくなっていた。


逆に振付師兼指導者だったはずのアイリは、練習不足で変に目立ってしまった。

揃った踊りをする女性たちの先頭で、何故かソロダンスをしている状態になる。

しかしそれはそれで領民たちに大うけだ。

かなり好評だったので新年を迎えたら、演芸場の出し物として定期開催をしていくことになる。


ダンサーズのメンバーには、長い間待たせて申し訳ないと思った。

アイリはあまり出演できないが、彼女たちの中からスターが現れるのを期待する。


楽しかった聖祭日は終わり、1月になった。


聖姫様から呼び出されて、まだ内緒の話だから言われた。

何かと思ったらお子様が出来たらしい。

皇王家の血族も数が少なくなっていたから心配したが、これは先が楽しみだ。



最近やっと仕事が落ち着きだしたので

妹アイルのところに顔が出せるようになってきた。


あまり顔を出さなさすぎて、お前誰だと言われたらつらい。

アイルも数え年で4歳になる。

実際には3歳と2か月ほどなのだけど・・。


もう話ができるから楽しい。

アイルの部屋はアイリからの贈り物でいっぱいだ。

時々孤児たちのところで紙芝居を見ているらしい。


育児院にも遊びに行くらしく、同年代の友達もいる。

自分がいないせいで遊んでやれなくて申し訳ないと思った。

実の姉として失格である。


妹を見て自分はこんな年で領政をするとか、両親に言っていたんだと思うと。

よく納得してくれたなと感心した。

特に母上が賛同してくれたことには感謝する。


母上と妹はこの春にギフへしばらく移動する。

なんだか妹から友達を引き離すことになるみたいで悲しく思えた。

最低な姉である。


そこでアイリは考えた、戦争に行くわけじゃなかったら妹も私が面倒見ればいい。


父と母は仲が良いい、妹は乳母のサユリ任せだし、私が妹の面倒を見れば二人は楽しくやるだろう。

この案で母上を説得することにした。


母上は何の抵抗もなく賛同してくれた。

「アイリに任せておけば大丈夫でしょう。ちゃんといろんなことを教えてあげてね。」

昔から物分かりが良すぎる母上だが、自分をそれほど認めてくれていることが嬉しかった。


アイリはさっそく妹の面倒を見る。

アイルと一緒にいる時間を作るために、アイリの部屋で生活する。

妹は途端に仲間たちのアイドルになった。

もちろん、乳母としてサユリも同行だ。


アイリの部屋は13人になった。


アイリが妹と寝ることになり、義妹たちは残りの一人の座を争った。

ギンとネイである。しかしここで遠慮していたツヤも名乗り出てきた。

アイリはローテーションにした。


風呂に入るときは、妹4人と一緒だ。

実妹と義妹だが・・。

アイルも懐いてくれるようになったことがとても嬉しく思う。


そして、時がたち春になると母上は父のいるギフへ向かった。


アイリは、関東へ向かう準備をする。

戦争をしに行くわけではないが、江戸入場イベントと関東の様子を見に行くためだ。

募兵と訓練が終わったテンカイも軍と共に一緒に向かうことになった。


アイリも、もしもを考え本軍を連れていく。

2軍の移動は輸送艦での海路になる。

護衛として水軍から、ヨシタカが同行してくれることになった。


オオサカは、船長ことタカノブとタケヨシに任せて

ユキナガは、海路防衛で関東に行っている。

三浦半島と房総半島の距離が近いから北条家の水軍警戒だ。


ヨシタカは、この付近で哨戒任務に付いていた。

母親がアツミに残っているから、タカノブが気を利かせたらしい。


今回は妹のアイルも同行になる。

仲間もすべて同行だ。


アイリの本軍だけでなく

アイリ直属の近衛軍として

メイド隊30軍300人、抜刀隊2中隊600人も行く。


メイド隊隊長は、キチョウで、副隊長はシホウ

抜刀隊隊長は、ナオトラで、副隊長はマナリ

4人ともアイリの近衛隊所属として側近格になっている。

今その近衛隊も、リンコが加わって5人になった。


アイリの側仕えとして

サヤカ、オイチ、ギン、ネイ、ツヤの5人


そして妹のアイルと、アイルの乳母のサユリ。

乗馬は無理なので馬車を準備した。

二人は遠くに行ったことがないから楽しみにしているみたいだ。



4月中旬、アイリ一行はアイチ領を離れ、東へと向かう。







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