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No094 アイリの野望、激動編 「関東方面軍その後2」 関東平野の占拠。 9歳9月~

カンスケは武田軍との戦いに勝利を収めた後

諜報員からの情報で、武田本軍が信濃方面で攻撃の手を止めたということを聞いた。

関東に戻ってくるかもしれないことを考え、その対策を練る。


アイリが武田軍が止まっているという情報を聞いたのは実はこの時のことである。


甲斐方面からの移動経路になる郡を、急ぎ占拠することになった。

迎え撃つ為、地の利の有利さを選ぶ。

この時点では、すでに5郡を占拠しており、次の1郡を取れば当初の計画通り6郡になる。

しかし今は、そんなことを考える余裕はなかった。


一機に占領するため全軍で侵攻を開始。

しかし敵兵は少なく、ほどなく占拠が完了した。


カンスケは知らなかったが、戦った関東北部の武田軍というのは、実は信濃へ向ける軍だった。

南と北から信濃を攻める為に準備された軍。


どおりで精強で数が多いわけである。

現在関東に残っているのは、防衛兵だけになる。

それは、特殊諜報員による各郡での情報取得が完了しなければ知らないことだ。


カンスケはこの時点ではそれを知るわけもなく、

とにかく対応策の為に、郡を占拠しようとした。


武田軍が止まっていたのは、作戦が機能しなくなったことにある。

アイリの関東方面軍により、別動隊が壊滅させられてしまったからだ。


そこで、このまま前進するか関東に戻るかを検討していた。

領主は、関東北部に別動隊として置いてあった軍が壊滅したという事実に注目した。

そんな軍があるのかと驚いたが、アイリの軍の強さは聞いていた。


今戻って、たとえ勝ったとしてもかなり疲弊するのは間違いない。

そうなると、軍を最初から立て直すところから始めなければならなくなる。

今のままでも信濃は取れると目算している。

関東へ戻り戦って、軍の立て直しなどしていれば、

息を吹き返され、何もかも最初から始めることになる。


そこで進退が極まってしまった。

一番有効そうなのは関東を捨てでも信濃を手に入れ、その後アイリの軍と対峙すること。

ただしそれも別の選択がある。

関東を取り返すより、北の越後を取るという選択だ。

武田家の領主としても、関東の地は裕福で惜しいのだが越後も負けず裕福な土地だ。


結論として、関東を捨て信濃を取り、その後越後を抑える。

もしアイリの軍と戦うならその後だ。

こちらも軍を新しく再編しなければならない。


武田軍はその後、再び軍を動かし信濃への侵攻を始めることになる。


カンスケがその情報を受け取るのは、その後しばらく後になる。


現在カンスケは、甲斐からの街道出口で迎え撃つための準備をしている。

山林を利用した伏兵も可能な場所だ。

こういう作戦もアイリから聞いている。

こちらが寡兵であっても、こういう隘路を使った伏兵で相手の兵を減らす事が出来る。


最悪な手段としてだが、投石機で焼夷弾を投げ込んで、大規模な遠距離火計もできる。

何故最悪かと言えば、山火事を消火するのが大変だからだ。

可燃性の高い油でついた火は、なかなか簡単に消えない。

アイリはそういう場合は、砂や土を使えと言った。


だが、木から木へ燃え移る火を消すのは困難だとも言っていた。

それは最終手段になる。


仮に武田家の領主が、関東へ戻る選択をしていたら、この火計に巻き込まれていた。

だから領主の選択は間違っていなかったことになる。

領主はアイリの兵器のことを知らなかった。

なのに間違った選択をしなかったというのは、アイリの言う「偶然は必然」だったのだろうか。


彼にもまだ何かしらの役目があるのかもしれない。


結果としてカンスケは準備が整った時点で、

諜報員から武田家は関東に戻る様子は無く、そのまま信濃制覇に向かうと聞くことになる。


関東方面軍の各指揮官は、それを聞いて安堵した。

あの強かった武田軍の本軍ともなれば、更に手ごわいと予想したからだ。

しかも、あの軍を作った本人が指揮するともなれば、その強さは相当なものになる。

きっとその時は、火計を使うしか手段がなかった。


この後、やっと豪族との約束を守り、娘をアイチ領へ送ることが出来た。

防衛兵を付けてアタミまで送り、そこから船でアイチ領へ移動になる。

豪族はこの地に残り内政を学び、内政官としてやり直すという。


カンスケは、総指揮官としての代理権限で官吏院に連絡を取る。

とりあえず6郡への人材派遣とこの地の開発の準備のためだ。

アイリにも伝令を出すことにした。


アイリがこの連絡を受けるのは、アイリが視察の旅にまわっていた頃になる。

これも偶然だが、アイリの移動のために伝達が遅れることになった。


それを聞いたアイリは、次の策を練ることになるのだった。

それはアイリがギフへ戻り、その後アイチへ戻ることにつながる。



関東方面軍はその後

指揮官の協議により、関東各郡を占拠することに方針を変えた。

警戒しながらの行動で、時間をかけた。

そのため関東平野の全領支配が完了し、戦後処理が終わったのは、かなり後のことになる。


関東方面軍は次の方針を話し合い、さらに先を目指すことになった。


豪族と諜報員から、この関東の南の海の前に大きな半島があると聞いた。

そこにも領主がいて、北に行った隣領につながっていると言う。

その情報から、隣領は大きな半島とその付け根の平野部が領地範囲だと結論付けた。


関東での海上警戒と防衛の為に水軍へも依頼を出す。


また北部にも隣領地があることから、ここを中心に多くの領境があるということが理解できた。

二つの隣領地が並んでいる状況だ。

実は他にも隣領地があるのだが、それはまだ理解していなかった。


とりあえず、半島のある領地を確保することで決定。

再び関東方面軍は動き出す。


アイリがその場にいればそれは千葉、埼玉だと分かった。

そして、群馬もある。

そんなことは知らない指揮官たちは聞いた情報で判断するしかない。

この国には地図など無いからだ。


情報から、半島の領地を持つ領主は、北条家と名乗っている。

これもアイリなら理解できただろう。


歴史での北条家は、この国では里見家の場所にいる。

アイリなら北条家滅亡イベントだと言って、そこを攻めるのを優先したに違いない。

奇しくもそんなことを知らない指揮官は、偶然同じ選択をしたことになる。



「次も手強い敵ではないといいのだが・・。」

カンスケはそんなことを言った。


アイリがそれを聞いたら、たぶんこうツッコむだろう。

「それフラグだから。」









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