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No077 アイリの野望、激動編 「近江侵攻戦2」 策謀を防ぎ北に行く。 8歳12月~

アイリの本軍が南へ移動していると。

敵兵らしき集団が見えてきた。

先行させていた、特殊諜報員の物見に敵兵数を聞く。

「敵は約1200程です。」


今まさに上陸が終わったところのようだ。

この距離でも火箭が届くが・・。

奇襲に来たような寡兵には使うのはもったいない。

しかも敵はまだ布陣が出来ていない。


「本軍急ぎ前進!」

アイリはそのまま前進を命令する。

「敵の布陣が終わる前に叩きます。」


投石機と移動弩の射程距離までいくと

従来の戦術と違って、ほぼ同時に指示を出す。

「投石、移動弩の準備。」

「騎兵、歩兵は突撃準備。」

伝令が飛ぶ。


「投石、移動弩は、順次投石、曲射を開始!」

太鼓が2回鳴る。

「騎兵、歩兵は、突撃!」

太鼓が連続して鳴る。

メイド隊や抜刀隊も突撃を行う。


「敵が迎撃準備する前に、このまま押し切ります。」

「投石、曲射は、騎兵と歩兵が敵に斬りこんだ時点で中止。」

伝令が飛ぶ


投石や弩の矢が敵の中央に降り注ぐ。

前後にいる敵兵は、事態がつかめない。

敵の弓を構える兵が準備しだしたところへ、メイド隊から軽弩の矢が飛ぶ。

そのまま、騎兵が敵集団前方に突入、その後を歩兵が続く。


ここで、投石と曲射がやむ。

アイリはそれを見て「全軍前進!」と告げる。


弩と弓の射程に入ると指示を出す。

「弩と弓の投射準備。」

伝令が飛ぶ。


「騎兵と歩兵は敵集団後方へ移動待機。」

太鼓が4回鳴らされる。

騎兵と歩兵は敵集団から離れ、周囲を左右に分かれて移動する。


アイリは中央が開いたのを見て命令を出す。

「直射開始!」太鼓が2回鳴らされる。

弓兵と弩兵が直線上の敵に狙いをつけて矢を放つ。

「そのまましばらく継続。」


騎馬と歩兵は敵の後ろに移動して待機した。

「投石と移動弩準備。」

伝令が飛ぶ。

「敵後方へ、投石、曲射開始!」太鼓が2回鳴る。


アイリは、戦場での指揮に、こうした太鼓を使う。

隊長クラスに軍術の教育が必須なのは

状況に応じて鳴らされる太鼓の音で動きを理解するためだ。


いちいち何もかも伝令していたら遅くなる。

準備指示の伝令を送ったら、開始や中止は太鼓で知らせる。


「投射中止!」太鼓が3回鳴る。 

頃合いを見る。

「騎兵、歩兵は突撃!」太鼓が連続して鳴る。

後方で待機していた騎兵と歩兵は再び敵の後ろから突撃を行う。


「そのまま殲滅戦へ移行。」太鼓が鳴り続ける。

残念だがここには、敵の逃げる場所はない投降するかどうかだけだ。


奇策と言うのは決まれば大きいが、失敗したら後戻りできない。

船で敵地まで来た兵には、すでに逃げることはできない。

「投降の伝令をお願い。」


数人の伝令兵が戦いの場近くで、大声で投降を呼びかける。

口にはメガホンを持っている。

「投降したら命を助ける。領主様は約束を守る。」

「直ちに投降せよ!」


生き残っていた敵兵は皆あきらめて投降した。

「歩兵は、投降兵を捕縛して。」


随行している防衛兵に指示を出す。

「あの船とりあえずもらっておくわ。確保して。」


その後、近くまで来ている南の防衛兵に、彦根の防衛依頼と

船の引き渡しを行う。

船は何かに使えるかもしれない、アイリは船が無かったから手に入れておいた。


南からの戦況情報を彦根の地で、そのまま待つ。


その間、投降兵から情報を引き出す。

京極家の動きと、この奇襲作戦を指示した者の名前。

ここで驚く名を聞くことになる。


京極家は、北の浅井家と同盟をした。

手を結び、織田家が来たら協力して戦う。

近江へ織田家が来ることは、京極家の重臣が予想していた。


今回の奇襲はその重臣の命によるもの。

後ろを取って本陣を奇襲。

成果が出なくてもいいから、混乱させる目的だった。


奇襲後は急ぎ、関ケ原に向かい敵地で暴れる。

敵地が混乱したら。

相手が対応する前に離脱して逃げる。


そして、命令したその重臣の名は「ミツヒデ」

京極家が皇都方面で立ちいかなくなったころ仕官にやってきた。


ミツヒデは領主に言った。この地にいても仕方ない。

近江を取るのがいい。自ら指揮を執り近江の豪族を滅ぼす。

近江に拠点が出来たのち、京極家は移動し重臣に召し抱えられた。

以後、近江の戦いでは、すべての指揮をとっている。


京極家にいたのは、ミツヒデで策謀家でもあった

明智光秀の同名者である可能性が高い。


それと北の浅井家との同盟と共同戦線。

アイリの動きを読んで対策を考えていたこと。


特殊諜報員でも探れなかったことが聞けた。


「それにしても、考えることがすごいな・・」

アイリが特殊諜報員を使って、奇襲の動きを察知していなかったら

後手に回る可能性もあった。強敵の出現である。


ただ言えることは、北の動きは例の黒幕とは関係なく

ミツヒデの策謀によるものだった。

「となると黒幕が動いたのは西や南だけなんだ。ふうん」

きっと拠点領地から近い場所で動いたのだろう。


今後、浅井・朝倉ならぬ、京極・浅井との戦いが待っている。


南からの報告が来た。

アイリの作戦通り、初戦の対戦は勝利。

「敵軍1万5千は、半数を失い撤退しました。」

「1郡目は完全占拠に成功し、2郡目に侵攻を開始しました。」

これはかなり痛手になっただろう。


これを聞いて、アイリは北への移動を決める。

「まずは目の前の敵、ミツヒデを倒す。」


投降兵を、随行する防衛兵に任せる。

「米原まで行ったら、関ケ原の砦の兵に渡して。」

投降兵は、北の状況が落ち着くまで、しばらく監禁になる。

この兵は農民兵ではない、直属の武官だった。



「本軍は、これから北へ移動し、北の軍と合流します。」

アイリは再び北へと向かう。

決着をつけるまで北で戦うつもりだ。











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