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No076 アイリの野望、激動編 「近江侵攻戦1」 陰謀。 8歳12月~

近江へ侵攻したアイリに対して急展開、信長包囲網の様なものが出来上がっていきます。

12月

アイリは今、前世で言う米原からやや北で移動を止め布陣している。


ギンは絶対に置いていくつもりだったのに

アイリの隣で、ふんぞり返っている。

オイチもサヤカも公言通りついて来ている。

もちろん、マナリもだ。


以前、マナリとこの先どうするのかと話し合った時。

マナリの答えは、アイリとギンを守るだった。

確かに自分たちは年下だ。

しかし戦場は何が起きるのかわからない。


マナリは訓練を続け、確かに戦える。

面白いことにマナリが選んだ武器は、短刀だった。

アイリがメイド隊のため、海戦用に作ったものだ。


この短刀というのは、短剣とは違う。

日本刀の脇差しよりは短いが、短剣と比べたらかなり長い。

しかも、なんちゃって日本刀の技術で作られた一応刀である。


ひたすら行っていたマナリの訓練は独特だった。

この短刀を二本使うからだ。

意外にマナリは、瞬発力があり動きが早い。

アイリはそれを見て、そのまま続けさせていた。


実はこれはアイリの冒険物語の影響でもある。

ロボット物ばかりが冒険物ではない。

アイリはいろんな話をしていた。


マナリがその話の中から気になったのが二刀流。

それが、かっこいいらしい。


当然身体が小さいマナリには、普通の刀など無理だ。

そこで、海戦用にと作った短刀を持ち出したらしい。

確かに短刀なら二刀流が出来る。

その後かなり訓練して変則的な動きまでできるようになった。


元々二刀流自体が変則だ。

すでに訓練を共にしていたメイド隊の下位隊員クラスだと翻弄される。

薙刀が主武器な側としては、懐に入られると対処に苦労する。


それと短剣術の応用、短剣術の中には短剣を投げるものが含まれる。

マナリはこれも使う。

アイリの鍛冶師から、小さい短剣を作ってもらった。

それは投げるためだという。


相手との距離があると、短剣を投げて懐に入る。

どこでこんな戦い方を覚えたのか・・・。

はい、私の冒険物語のせいです・・・反省。

子供と言うのは、まったく大人とは考え方が違う。

柔軟と言えば柔軟なんだろう。


今は腰の左右に短刀を差し、背中側には小さい短剣を2つ隠し持つ。

そんな姿のマナリが馬に乗っている。


ギンとオイチにも一応、軽弩の小さいのは持たせた。

なにも武器が無いのも不安だからだ。

同じものは自分も持っている。


メイド隊は、20軍編成で今や200人の大所帯になった。

これでもまだ予備隊員がいる。

たぶんそのうち300人規模の中隊が出来上がる。


今メイド館の2つ目を建設中だ。

先を見越して3つ目も作ったほうがいいかもしれない。


メイド館は、かなり大きく作ってあり200人収容できる。

今それでも足りなくて1軍から5軍はアイリの居館にいる。

みな、旅仲間だったからそれはそれで楽しい。


メイド隊の指揮は、キチョウとシホウがおこなう。

1軍から10軍はキチョウで、11軍から20軍はシホウだ。

メイド隊は普通の兵とは違い上下関係がはっきりしている。

それぞれの軍にも隊長がいる。


指揮系統は明確だが一応、キチョウとシホウは

指揮官の勉強や訓練をしている。


メイド隊は、もちろん騎馬隊としての行動訓練も行っている。

騎馬軽弩を使った訓練も行い、変化のある戦い方が出来る。


今回、かねてからの懸案だった抜刀隊を編成した。

剣士レベルの強者の集合体だ。

仕官者もいたが、刀兵からアイリが選抜している。


それが1中隊、300人になっている。

中隊長はジロウ。今は改名して、ナオトラ(直虎)になった。

指揮官技能が発生したことで、中隊長に任命し

アイリが誉めて、ナオトラの名を付けた。


この名前は、女性の有名武将から取った名前だと言ったらすごく喜んでいた。

いあ、あなたその人の類似存在だから・・・なんてことは言えない。


これによりアイリの基本軍兵数は、他の軍より5百多い。


だが、そこはアイリだ。

例の新兵器を、ちゃっかり持ち込んでいる。

それも無茶して50台も揃えた。

これを火箭隊と名付けている。


今回は、実戦運用をする気満々である。


火箭は、牛より足が速い馬で移動させている。

操作は3名、ロケット花火専用の輜重隊も連れて来ている。


その中には、マッドサイエンティストことサイエンを始め、

これに加わった職人や研究者が混じっている。

自分たちで運用して確認したいらしい。


何とお好きな連中だ。戦場まで行きたいとか聞いた時はびっくりした。

彼らのおかげで、訓練などはほとんどいならかったのは助かった。


そして、特殊種諜報員も100名ほど加わっている。

アイリがあちらこちらで拾ってきた異能の集団だ。

既に各地に配備している。


結果、軍に配備された輜重隊も多く必要になる。

防衛兵も1中隊3百が余分に同行している。

中隊長は、カゲイエ(景家)、柿崎景家の同名者だ。

上杉家の家老級の重臣である。


何故かアイリの所の仕官者には、

織田家、徳川家に続き上杉家がらみが多い。

謙信がいるせいだろうか。

その次が真田家だ。

異世界だから理屈は、考え無い事にしている。


だからアイリの軍は発表よりかなり多いことになる。

まぁこれはいつものことだが・・。

他の指揮官もそれは承知だ。

父上など本軍なら5千は必要だろうと言ってるくらいだ。


いや戦力的には、それに匹敵するほどいるんだよね。


騎馬隊であるメイド隊、歩兵である抜刀隊、投射兵である火箭隊

これらの戦闘力は、アイリの予想では一般部隊の倍以上は、あると思っている。


アイリがここで布陣しているのは、各地での状況報告を待っているからだ。

既に戦闘が始まっている頃になる。

「敵側の動きを知りたい。」

半ば強引な2正面作戦で、奇襲とも呼べる強襲だ。


京極家にいる、たぶんスキル持ちも気になるし

その北側の朝倉的存在も気になる。

京極家と対等に戦った畠山家も気になる。


この後、3日ほど過ぎて第一報の報告が入った。

次々と様々な情報が飛んでくる。


「近江方面各地で、緊急に徴兵を開始している模様です。」


「南の軍は、1郡目の役場を占拠し、郡中央部を突破しました。」

「現在、南の東近江へ進軍中。」


「2郡目の境で敵の先鋒軍と思わしき軍を発見。」

「南進行軍は、このままだと敵軍と対峙状態に入ると思われます。」


「北の軍は、長浜の北を過ぎたところで、敵軍を発見しそのまま対峙しております。」


このあたりは想定していたから問題はない。

だが他の情報がすごく気になる。


「近江の北、若狭の領主が緊急で徴兵をはじめました。」

「すでに、先行する一部の軍は領境へ移動を始めています。」


「近江の西、丹後・丹波の領主が徴兵を始めました。」


「近江の南西、山城の領主が徴兵を始めました。」


これら地名や場所などは、アイリが勝手に名付けたものを流用している。

アイリ自体が、位置関係をわかりやすくしたいからだ。


「なにこれ、プチ信長包囲網でも作るの?」

歴史で包囲網を築いた足利家がいない状況では、ありえないはずだ。

「それとも、チャンスだと見て近江を侵略するのかな・・。ふぅ」


とにかくアイリが侵攻したことで、何らなかの動きを誘発したことに間違いはない。

しかし、これでアイリ本軍の動きが取れなくなった。


追加情報が来る。

「琵琶湖を西から東へ船で移動してくる軍が見つかりました。」


そうだ、琵琶湖は海並みに広い。

船を使うことも想定はしていたが、側面を突くか後ろを取るかしてくる可能性が高い。

こちらは船が無いのだ。


「こんな奇襲っぽいことを考え出すのは、京極家のスキル持ちだな。」

アイリは、相手が戦術系のスキル持ちなら考えるだろうと思った。


「船で移動してくる敵の距離と上陸場所の想定を急いで調べて。」

アイリは即座に、特殊諜報員に伝令を出す。


敵はアイリが情報網を持っていることは多分知らない。

潜伏専門の兵なんて聞いた事はないから理解もできないはずだ。


しばらく待つと調査報告が来た。

「彦根の北あたりへの上陸が濃厚ということです。」

「すでに、近くまで迫っています。」


これでアイリの動く場所が決まる。

「7軍から9軍は堅く布陣して戦闘は避けて。」

「敵が来たら、しばらく防衛に回って時間稼ぎしてね。」

北の軍へ伝令を飛ばす。


「我々本軍は、ただちに南へ移動! 彦根で上陸する敵を迎え撃ちます。」

急ぎアイリの軍は移動を開始する。


これは、南の決着を早く付けないと、じり貧なる。


畠山家攻略の作戦を考える。


南の攻略は・・前世の曖昧な地理記憶を使うしかない。

多分近江八幡に入りだす辺りが畠山家との戦場になる。

あのあたりから、平地が広がるはず。

敵は迎撃布陣を広く取れないから、側面攻撃は有効だと思う。


「5軍、6軍を東の山の方に迂回させて、敵側面を奇襲して。」

「そのタイミングで1軍から4軍は正面に対して攻撃。」

南進する部隊に対して、伝令をとばす。


「後詰防衛軍1軍は、東近江から彦根前まで防衛網を広げて、そこを守って。」

「特殊諜報員は、南領主の拠点地区の情報取得をお願い。」

南の各所にも伝令を出す。


「全近江周辺の領にいる特殊諜報員は、潜伏各地で扇動開始。」

「少しでも徴兵を遅らせておいて。」

周囲各地にいる特殊諜報員にも伝令を出す。

徴兵を始めた各領主に対する牽制だ。


この忙しいときにまた変な情報が来る。

「少し前からですが・・。」

「例の皇都隣領から盛んに近江周辺領へ使者が送られているようです。」


アイリの感が叫ぶ。

「きっとあいつだ。あいつならやりかねない。」

それはアイリが黒幕と呼んでいる人物。


近江周辺領主を、あらかじめ扇動していた可能性が高い。

「あいつ、あくまで私を狙う気か・・。」

あいつなら・・・信長包囲網を作る可能性があることを見逃していた。

人を使って敵を叩くのは、あの黒幕の常とう手段だ。


「これは、その隣領の領主も使われてるな。」

領主から使者が出るということは、いいように利用されているのだろう。


「くそー。しっぽが出れば見つけられるのに・・。」

領主まで利用されているのならそれはかなり難しい。

方針を変えることにした。


皇都潜伏の特殊諜報員へ伝令を出す。

「皇都周辺領で、例の隣領領主の皇王暗殺の疑いを題目に扇動して。」


皇都隣領潜伏の特殊諜報員へも伝令を出す。

「領内で領主が悪い奴に騙されて利用されていると扇動して。」


これらは事実だ。事実の噂は強い。

目立つ動きがしにくくなるようにしておく。


自分の全領地の直轄事業に伝令を出す。

「私に敵対する領地への資源の移動、販売を停止。買い付けも中止です。」

「相手がこっちに借金があれば、緊急に取り立て催促して。」

「領主自らお金を払わないなら、その地の商人や職人に領主の金払いの悪さを伝えて。」

高額品や大量品の販売では、こういう借金が、商人や領主にあったりする。


諜報院への伝令も出した。

「近江とその周辺でアイリの軍に敵対すると悪い事が起こると噂を流して。」

「そうね・・皇王様に敵対することになるから天罰があるとか言えばいい。」

これで特殊諜報員の扇動工作と、方向性の違うダブル攻撃になる。


「こうなったら、手段を問わず。包囲網でもなんでも受けて立つ。」

アイリは、徹底抗戦の覚悟をした。


ギフ、アイチに保険としておいてある軍も援軍として動かす。

「関が原から近江へ侵入し、北にいる軍の後方支援をお願い。」

伝令を出す。


指揮官補に任せている千5百の軍が3軍。全4千5百の兵になる。

すでに編成もできていて、どこへでも移動可能に準備させている。

これも戦場に投入することにした。


これで、アイリは背水の陣になる。

効果が出るまでには時間がかかるだろう。

援軍だって、すぐに到着するわけではない。


「打つ手は打った。今は彦根で目の前の敵を叩く。」

アイリの仲間達にも緊張が走る。


とにかく今は戦争の途中なのだ。

一つ一つでも勝利しなければ意味がない。


こうして近江を中心に、激動が広がり始める。








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