表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

74/173

No074 アイリの野望、番外編 「スキル成長」 スキルについて考える。 8歳9月~

アイリは相変わらず仕事に精を出していた。

もう9月の暮れになろうとしている。

9月は里月とも言う。アイリの誕生月だ。


アイリは誕生月がスキル成長する確率が高いという予想をしていた。

ただ何らかの条件もそれに必要なのだろうか。


地図の時は全領回った時や他領へ初めて行ったタイミングと重なっている。

それはアイリが地図が欲しいと思った時でもある。

また、人物事典はアイリが世界事典の整理がしたくていろいろ試していた。


誕生月に入ってもアイリのスキルは成長の兆しが無かった。

それほど大きな変化でなくても、何らかの形で誕生月の影響はあると思っていた。

何かに必要を感じなければならないのだろうか。

そう、考えながら日々過ぎていった。


別に今の状態でも充分で問題はない。

高望みをする必要はないのだ。

だからそれは単にオタクとしての好奇心である。


仕事を手伝ってくれるオイチは、内政技能を取得し内政官になっている。

目標としていた次の課題として、内務官の勉強に入っている。

内務官になるためには、軍務の勉強も必要だ。


軍の編成や仕組み、軍事費用などなど今までと習うことが大きく違う。

アイリは、内政技能を取得したオイチの技能取得の速さに驚いていた。

だから頭がいいのかと思っていた。


どころが、天才とは思わぬところにいた。ギンである。

勉強を始めてからのギンの覚える速度は、オイチより早い。


ギンは天性と言うスキルを持っている。

世界事典によると技能向上スキルなはずだった。

ギンには技能が無い。

しかし、どう考えても天性スキルの恩恵が働いていると思える。


そんなことを考えていると世界事典が反応した。

それは人物事典にも関連している様だ。

「ん?、何か来た」アイリは思った。

もう月末近いからあきらめていたのだが・・・。


たまたまオイチやギンのことが気になって

スキルの事とか考えていたタイミングだ。


世界事典と人物事典に補足情報が追加された。

大幅な機能向上ではなかったが、やはりスキルが成長したようだ。

それは特に技能やスキルに対する情報のようだ。


まずは世界事典による、技能についての記述から


技能を取得するには、技能を取得できるために決められた課題がいくつかあって

その課題すべてが達成した時点で取得が可能になる。


そしてアイリの人物事典で、課題の達成具合と経歴がわかるようになった。


また技能は取得達成後でも、同じように成長課題があるらしく。

その課題を乗り越えれば技能が成長する。

「なるほど、技能は二段階あるってことね。ふぅん」


技能向上によって向上した技能取得後に、

更にスキルへの成長課題を達成すると技能スキルが発生する。

「これは3段階目はスキル取得ってことになるわけか・・ふふ」


技能が取得できたというのは

剣術技能であれば剣術が出来る人。素人よりはかなり強い。


そこから経験を積むだけでは

剣術がうまい人と言うことになる。巧者と言うやつだ。

刀兵はこのあたりになる。


2段階目の技能向上の課題をクリアすると

剣術を極めた人になる。これは、剣士である。抜刀隊員だ。


技能スキルとは、

そういったレベルからさらに上の課題を達成することになる。

3段階目と言うやつだ、こうなると剣豪、宮本武蔵とかになってくる。

「なるほど、なるほど・・・ふんふん」


スキルについての世界事典の記述を見る。


基本的に、一般スキル、固有スキル、特殊スキルの3種類がある。


一般スキルは、

技能から成長するスキル。これは取得したら終わりになる。

その後の成長はなく、経験の上昇だけになる。

「私が後発スキルと言ってたあれか・・。」


固有スキルと言うのは、

初めから持っている場合が多いが、何かの条件で発生する場合もある。

実は、いままでアイリが後発スキルだと言っていた中にも固有スキルが含まれる。

「えっ・・後発スキルって違いがあったんだ。」


今までのアイリの鑑定と人物事典では、その分別が出来なかった。


固有スキルには

植木鉢で、花が咲いているものと、種から育つものがあると思えばいい。

種から育つものは、発芽条件がある。


種の状態では、今までのアイリの鑑定では反応しない。

発芽した時点で反応するわけだ。だからひとくくりで後発スキルだと言っていた。


多分、今のアイリならスキルが無かったと思っていた人でも

スキル所持しているかどうかまで、鑑定で確認できる。

「がーん、これって今まで見落とし満載だったってこと?」


固有スキルは、成長するスキルだ。

成長条件は、その個人が経験や体験すべき、課題的なものを達成することになる。

これにより発芽したり成長したりする。

成長するとスキルの能力が上がることになる。


「ほうほう、スキルにも2段階とかあるわけね。」


そして特殊スキル

これは基本的に最初から持っているものだと思えばいい。

中には発生条件が厳しく、後から発生して見えるものもあるが珍しい例だ。

「あー、このタイプもわずかだけど後発するのもあるんだ。」


このスキルも条件で成長する。


違いは

固有スキルが技能のように一つの事を極めていくのに対して。

特殊スキルは、汎用性を持つと考えればいいだろう。

「専門的なのか、汎用的なのかと言う事かな。・・ふぅん」


アイリの持つスキルは、ユニークスキルだ。

言わば特殊スキルと固有スキルの両方を兼ねた上位版と言うことになる。


スキル自体にも、それぞれ特徴がある。


オイチは、「無償スキル」を持っている。これは固有スキルの1種のようだ。

この無償スキルというのは、成長すると対価を必要としなくなるスキルらしい。

「無償の愛とか言ってたのは、ちと恥ずかしいな・・。」


技能と言うのは、言わば努力を対価に技能が上がる。

無償スキルは、成長するとその対価がなくなる。

要するに、努力なしでも条件が揃えば、技能が取得できるようになるという物。

「スキルの条件で取得できるのか・・。ほうほう」

「なるほど、オイチのスキルは、1段階目の成長を終えた。ということか。」


成長しきってしまうと条件の対価も必要なくなる。


これはある時点から、飛躍的に技能取得が可能になる。

目標を決めて一つづつ極めるタイプのオイチには相性がいい。

「2段階目のスキルって、やばいな。」




そして、ギンの「天性スキル」は、特殊スキルの1種だ。


アイリは技能バフ的なスキルだと思っていたが、それは基本的な能力であって

スキルが成長すると、技能に関係なく効果が発揮される。


技能取得まで行かなくても技能持ちクラスの能力になれる可能性があるということになる。

しかも適応範囲が広い。何をさせても、そつなくこなせるということだ。

「これってギンは既に、1段階目の成長に入ったってことね。」

「どうりで、最近急に理解力が上がったと思った。」


天性スキルが完全に成長しきると、基礎的なことを知っていれば、

後は知識取得が簡単に進む。いわば天才である。

極端に言えば、足し算引き算を知ったら、すぐに方程式が解けるようになるようなものだ。

「天性って、やっぱ天才だったんだ。ギンおそるべし。」


二人は何らかの形で成長するきっかけをクリアしたのだろう。

しかもまだ成長の可能性があるというのはすごい。



そして、そうなると気になるのは、他の人たち。

同じ部屋にいる仲良しメンバー。



最近訓練に励んでいるマナリを見てみる。

マナリのことも気になっているからだ。


マナリのスキルは、「忍」と言うスキルで今までの世界事典では耐え忍ぶ

要するに我慢強いという物だった。


マナリの「忍スキル」は、特殊スキル。

まだ成長まで至っていないようだ。

「単なる生活苦からの、後発スキルだと思っていた・・。」


現時点のスキル能力の派生として努力を辛いと感じない。


目標はわからないが、目標を達成するために辛くないというのはいい。

どうりで最近もくもくと訓練しているから、集中力が高いのかと思っていた。

辛くないから持続力が高かったようだ。


成長すると、忍スキルはどうなるのか。

これは補足情報しかない。

一般的な成長の仕方ではないとある。


「ひょっとして特殊スキルの中でも、稀有な例と言うやつだったのか。」

発生条件がかなり厳しいはず。それが発芽しているとすると

やはり耐え忍ぶという体験が関係しているのかもしれない。


気になるが、スキルが成長すれば、世界事典に詳細が出て解明できるだろう。

「最終的な成長後には、どうなるのか・・。こうご期待!」


たぶん今は、戦場までついてくるつもりだから訓練しているのは間違いない。

「うん、今度ちゃんと先のことについて話をしよう。」

アイリはそう思った。



次にスキルを持っているのは・・。


キチョウは「努力スキル」持ち。

アイリは今まで努力してきたから後発スキルとして発生したと思っている。

それにしては技能系じゃないから変だと思っていた。 


見てみると固有スキルだった。 発芽条件をクリアしたのだろう。

基本能力は、以前の世界事典と同じ技能の向上。

これは基礎技能があれば、さらに技能が高くなるというという物。


要するに剣術で言うと剣術が出来る人になった時点で剣術が上手い人になる。

「うはー知ってたけど、強いわけだ。」


しかも、さらに成長すると努力した分だげ技能が上がるとある。

言葉だけ見ればそれは当たり前に感じるのだが、技能向上にも課題がある。

これは課題をクリアせず努力を対価に技能が上がるという意味だ。

「1段階目で、もう無双になるんだ。」

「どおりで、1段階目の今のキチョウは剣士並みに強いわけだ。」


成長しきれば、技能スキル並みの能力が持てる可能性もある。

課題達成などは必要なくなるから当然時間短縮になるだろう。

努力だけで一気に宮本武蔵も夢ではない。


考え方によっては、とんでもないスキルだった。

「これ、努力の天才と言うやつだ。・・ほほう」

「しかし技能スキルレベルまで上がる可能性とかって・・マジ2段階目やばいわ。」



次は、射撃技能と言う見慣れない技能が発生したサヤカ。

射撃技能は、アイリの知る限りサヤカしか所持していない。


よく見ると、固有スキル持ちだとある。

「おっと、早速出た。隠れスキル持ち。こんなに身近にいたなんて・・ふぅ」


まだ完全には、スキル発芽していないらしいのだが、

発芽が近いのか補足情報がある。

それによると、射撃技能に関係するスキルのようだ。


「なるほど、スキルが技能に関連しているタイプかぁ・・。」

「スキル発芽が近くなって、関連技能が発生したって感じかな。」

そう、アイリが渡した軽弩と、その訓練のせいだろう。


「やっぱ、サヤカは雑賀衆っぽかったんだ。・・ほほほん」


射撃技能が向上するとスキルが発生するのか

他に条件があるのかはわからない。



ここからは、全く見当もつかない人物が続く。


シホウだ。これもまた固有スキル持ちだとある。

スキルが発芽する条件を満たしていないのだろう。


戦闘技能は揃っていて、薙刀については、向上技能レベルが近い。

「技能の2段階目の達成が近いという感じね。」


キチョウがスキル持ちでは無かったら、シホウはキチョウと互角。

僅かに経験の差程度になる。

現状は、キチョウのスキルが有効過ぎて無双状態なのだが・・。


今のシホウは、キチョウに鍛えられて

1軍のトップと並ぶレベルだから、技能はそれなりの課題が達成できている様だ。


しかし、所持スキルについては不明。

補足によると戦闘系ではなく、支援系とある。

「スキル発芽の条件にも段階があるのかな・・。ふうん」


発芽しなければ詳細は出ないからこれは仕方がない。

スキルが発生する可能性があることを知っただけ良しとしよう。

「隠れスキル持ちが、近くに二人とかねぇわ・・。」



最後にジロウ。


これもまた固有スキルだ。

「げーっ、3人目の隠れスキル持ち。なんだコレ!」


補足によると指揮系の支援スキルらしいが

発芽していないから詳細は不明。

「指揮系とか最近勉強しているから、発芽しやすいかも。」


剣術技能は、かなり高くなっている。もうベテランの域にある。

元々技能持ちだから訓練による経験の上昇だ。

実戦を経験していけば、更に向上技能レベルに近くなる。

「技能の2段階目のクリアも近いとか、頑張ってたんだ。ほほう」


それとごく最近、軍術技能が出たから指揮技能が出る可能性が高い。

指揮技能は軍術技能の上位に位置する。

「やっぱ軍術の上位関連技能は、指揮だったんだ。」


軍の指揮を行うためには、軍術知識は最低条件となる。

これは何となくアイリがそうだろうと思っていたから

指揮官候補は、すべて軍術の勉強をしてから指揮官訓練に入る。


アイリの指揮官の勉強とは、基礎の軍術の勉強となる。


指揮官として教育しているから、

遅かれ早かれ指揮技能も発生するだろうと思っている。

「指揮訓練をさせるタイミングかも知れないわね。」

それが、指揮技能の発生課題の様な気がする。


「何だ、結局皆スキル所持者だった・・。へへへ」


と言うことは他にもたくさんいるのかもしれない。

アイリ自体のスキルが向上したことで、それがわかったのは収穫だったのか?


実際はすごく損をしていた気になる。

それと今回のスキル機能向上は、残念だが自動更新にはならなかった。

地図機能との連動が無かったからだ。


試してみたが

鑑定をしなおさなければならないということが分かった。

「そっか、スキル向上するときに反応が出なかったものね。ふう」



スキルに対する発芽条件とか成長条件とかは、いまだ不明。



これで、アイリのスキルに生まれ月が関係していることはわかった。

それと、望むとか要求は関係しているらしい。

これが自分のスキルの成長条件になるのだろう。

「今後、スキルの成長対策を考えることが出来る。まあいいことにする。」



ところで、妹のアイルの時も生まれ月にスキルが見えた。

あれは・・。

アイルの問題なのかアイリの問題なのかもわからない。

あの時は自分が生まれ月に関係してたから、そう思っていただけ。


今なら何かわかるかもしれない、見に行くことにした。


妹アイルのスキルは、特殊スキルだった。

「統治スキル」これは汎用性が高いスキルだった。


補足に支配力向上とかあるのは、ちとやばい気がする。

妹とは絶対に喧嘩しないようにしよう・・。


「信長と信行のようには、絶対にならない。」


アイリは、この後も色々鑑定をして回ることになる。

それは仕事が忙しい中でも、アイリにとって結構楽しい事だった。


やがて収穫の季節が来た。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ