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No068 アイリの野望、領主編 「ギフ領での出来事」 戦争と避難民。そして孤児たち。 8歳7月~

スズカへの移動も山道になる。

ミエ領の視察も終盤だ。

心にゆとりがあるから道中のキャンプを楽しむ。


スズカに着くと早速視察に入る。

メイド隊にも連絡。ローテーションの指示だ。

クワナの地で待機しておくように言う。


スズカの郡役場がある街は、アノウの衛星都市化していて

人も多いし物流のおかげで栄えている。


アイチ領のチタ郡で粘土質が見つかり陶器を作った。

それらは海を渡り、最短距離のここへ運ばれる。

そのルートを使い、アイチ領から様々なものが集まる。

特にアイリが力を入れた布製品が多い。


ここに来たものは、南のアノウへと運ばれることになる。

生産物の物流拠点としても、繁栄している。


2日ほどかけて視察と人材登用を終えてクワナへと向かう。

もう月が替わっていた。

あとひと月でギフ領の視察を終えないといけない。


スズカもクワナもアイチ領からの陸路を一番最初に作った場所だ。

アイリが自由貿易郷にアノウの場所を決めたので、

その開発のために、資源流通が必要になり力を入れた地域でもある。


クワナは、アイチ領のアツタの衛星都市化している。

ミエ領内で、アイチ領の自由貿易郷のアツタに一番近い。

もちろんここもアツタから直接、海を渡って生産品が届く。


長くともにいたメイド隊たちに別れを言い。

新しいメイド隊とあいさつを交わす。

クワナで、2軍・3軍を4軍・5軍と入れ替えた。

3軍の欠員は、ギフ領から戻った時に行う。


1軍メンバーは、レギュラーだからそのまま継続だ。

だから皆、1軍になろうと努力する。

それが序列順位となり、競争になるのだ。


既にメイド隊も10軍まであり、その下に予備隊がある。

予備隊員から上位まで上がるには、普通の努力では足りないだろう。

それもあって戦時には予備隊員でも即戦力になる。

アイリは近江攻略時には、20軍編成を考えている。


試作だった騎乗用の軽弩も一緒に運ばれた。

アイチ領では、すでに訓練を始めているという。

1軍メンバーも、これには負けられない。

アイリの視察同行の合間に訓練をするらしい。


なんと軽弩の先生は、サヤカだったりする。

サヤカは以前から訓練していて、飛びぬけて扱いがうまいからだ。

射撃技能が発現するまで頑張ったからでもある。

たぶん銃が出来ても一番射撃がうまいと思う。


実は鉄砲を主力とした雑賀衆。

その歴史の記録の中にサヤカ(沙也可)と言う人物がいる。

側仕えのサヤカと呼びは同じだが、人物事典での漢字表記は異なる。

ところがここは異世界だ。何が関係しているのかはわからない。


いろいろな説がある謎の人物だが

雑賀衆で鉄砲使いであることと、

秀吉を敵視していることは、どうやら共通している様だ。


例の黒幕が秀吉の類似存在なら、アイリを狙う相手に対して・・。

サヤカは間違いなく秀吉を敵視することになる。


偶然にもアイリが狙われる少し前から、サヤカは戦闘訓練を始めた。

そのおかげでアイリは助かっている。

これも歴史のいたずらなのだろうか。

「偶然は必然である」アイリは自分のよく使う言葉を思い出す。


まさか・・・自分が生まれる前から仕組まれた偶然なんて。

アイリは考えをやめた。


クワナでオカザキに戻るメイド隊と一緒に

ギン、マナリ、ジロウもオカザキへ行くかと言ったのだが

いく気は毛頭ないらしい。

結局、押し切られてギフ領へも同行することになった。


クワナの地も早々に視察を終えて。

揖斐川沿いの街道をつかい、北へ向かう事にした。

予定していたルートではないが、日にちを稼ぐためだ。


北にしばらく移動すると、そこはギフ領になる。

アイリがギフ領で最初に内政支援を手掛けていた地域になる。

それは、アイリが正式にギフ領主になる前のことだ。

途中でヨウロウ(養老)郡の郷役場を視察し、北を目指す。


アイリが今、ギフ領での最初の目的地としたのは、関ケ原。

近江方面との境になる場所だ。


現在近江は、元領主の畠山家が抵抗し続けている。

初期の段階で、奇襲を続けて快進撃していた京極家も奇襲は続かない。

琵琶湖の東と北6郡まで支配したが、そこで勢いが止まった。

奇襲と言うのは、相手が奇襲を認識した時点で終わる。


近江の西4郡は、比較的に裕福な地が多く、領民数も多い。

戦い続けてきた京極家側は、かなり疲弊している。

無理に支配地を広げすぎたというのもある。

ここにきて膠着状態になったというわけだ。


ちょうどその小競り合いの戦場の位地が、関ヶ原の西になる。

何とも微妙な位置になってしまったのだ。

今のタイミングでアイリが攻め込むと3軍入り乱れることになる。


アイリにとって近江侵攻は決定事項である。

しかし、それがこの状況だと非常にやりづらい。

戦場が侵攻先なら、敵2軍を力技で抑える必要がある。

しかも最悪、アイリが来たことで敵が手を結ぶ可能性が無いとは言えない。


領地内で内乱の様な事をしているより、

手を結び先に外敵を叩くというのは、歴史でもよくある話だ。

ミエ領の南部を責めた時もそうだった。

敵同士だったものが手を結びアイリの軍に抵抗したのだ。


アイリの考えでは、近江では西南の裕福な地を早めに取りたい。

それは皇都への近道にもなる。


関ヶ原の領境の砦には、戦場近くにいかないように指示している。

人間という物は、自分の知覚範囲で戦いが起きるとどうしても気になる。

喧嘩の時のやじ馬がそうだ。

気になったアイリの軍兵が戦場近くまで行ったらそれは挑発行為になる。


だから、アイリは砦の様子を見に行くことにした。

こちらの近江侵攻準備が終わるまでは、まだ半年ある。


川沿いの街道を進んだ先は、前世で言う大垣の辺りになる。

そこが養老郡の役場だ。

役場や街へは行かず、後回しにして宿舎だけ使う。

そこから西へ向かえば関ケ原になる。


翌朝、関ケ原に向けて移動。

東西を結ぶその街道には、かなり多くの移民が東へと移動している。

それは、たぶん戦争難民だ。

近江の地から領民や商人、職人らがアイリのギフ領へ逃げてきている。


中には荷物を抱えた者もいれば、身体一つで逃げてきたものもいる。

家族で幼い子を連れている姿も見かける。

砦近くの郷役場を過ぎると、もっとたくさんの人がいた。


領境の砦と、郷役場の間は悲惨な状況だった。


気になるのは、迷子なのか孤児なのか子供の姿だ。

アイリの指示で孤児院を作らせているが、まだその政策は始まったところになる。

受け入れ先も無く対策がない状態では、見て見ぬ振りも仕方ない。


アイリは、役場の内政官や防衛兵を叱るつもりはない。

自分がもっと早くこの惨状に気が付くべきだったのだ。

それなのに先に気になったのが、領境や砦の事だった・・。

アイリは深く反省した。


子供たちには、片っ端から迷子なのか孤児なのか聞いて回った。

メイド隊や同行したメンバー全員が手分けして頑張った。

迷子は親を探して回った。


中には、たぶん捨てられた子も混じっていた。

迷子だというが、親はどこにも見つからない。

これも仕方が無い事だ。こういうことも歴史では当たり前だった。

食料もなく、生活が出来ないなら結果は見えている。


こうなると郡役場やその隣にある自由貿易郷のハシマに応援を呼ぶしかない。

伝令を頼んで、アイリ直轄事業から馬車と牛車をできるだけ調達。

ついでに大量の食料を運んでもらう。

職人たちにも、この地に仮設住居を作るよう手配をした。

避難民の保護地区を作るためだ。


ハシマのアイリの居館敷地にも急遽、孤児用の建物を作らせる。


荷物を運んできた馬車や牛車は、避難民の移動に使う。

ヨウロウ郡役場の街や自由貿易郷のハシマへ移住を希望する人たちだ。

余裕を持って出発させ、途中の避難民も乗せていってくれと頼む。


各役場だけでなく、アイリの銀行でも避難民用の支援金貸し出しを行う。

それを避難民を受をけ入れる各地で説明するように頼んだ。

アイリの借家公舎でも空きがあるなら仮住居として提供する。


アイリが内政を事前に行ったこの地では、アイリの事業も軌道に乗っている。

仕事も斡旋できる。

ハシマの官吏院には、事態を説明し農地の貸し出し支援許可を出した。


これらの対応だけで1日つぶれてしまった。


目的地を急ぐより、

こちらの方が重要だと、アイリが同行メンバーに告げたから皆協力してくれた。

幼いギンまで手伝ってくれる。マナリもオイチも真剣だ。皆孤児である。

他人事ではないからだろう。

ジロウが意外に頑張っていた。そうか彼女も戦争で親がいない。


荷物が届くと

とりあえずのムシロやゴザを地面にひいて落ち着ける場所を作る。

サヤカとキチョウ、シホウが中心になってメイド隊が炊き出しを始めた。


職人たちが、さっそく仕事に取り掛かる。

とにかく先に屋根と床だけでもいいから、休憩できる場所が欲しいと頼んだ。

「お嬢の頼みなら頑張るぞ!」「おおー!」「やるぜ!」

先行してやって来た職人たちは、皆アイリの顔見知りだ。


その後も、応援に来る人がたくさんいた。

行商人もやってきた。商売ではなく、助けに来てくれた。

これも皆、アイリの顔見知りだった。おかげでいろいろな物資が届く。


アイリは彼らに感謝を言って回った。


大変だった時に助けてもらったとか、目をかけて仕事を回してくれたとか

皆逆にアイリに感謝の言葉を返している。

「これも姫への恩返しだから、大丈夫。」行商人達からそんな言葉が出た。


商人と言うのは損得で動く人間である。


しかし、彼らはそれ以上に大切なことがあるという。

自分たちが平和で豊かな生活がおくれるのはアイリのおかげだ。

それに報いることが出来るなら儲けなどいらない。


だから、アイリからの話を聞いて協力しようと来てくれたらしい。


とりあえずの休憩所が出来たのは2日後だった。

職人たちが頑張ったからかなり早い。

その間アイリたち一行は、ここで野宿をしながら手伝っていた。


その後は、仮設住宅の建設に移る。

追加でやってきた職人や商人たちも集まってきた。

内政官や領民も来て手伝っている。皆ボランティアだ。


郡役場やハシマでも受け入れ処理が進んでいると報告が入った。

様々な支援が始まったらしい。


避難民たちは、アイリに事の次第を話した。


戦争が膠着状態で長引き、男は次々兵に取られ

生産したものや財産は軍費として接収され、

自分たちの食料まで奪われてしまった。


老人は口減らしのため自ら命を絶ち。

生活に困窮した親は子を捨てる。

もう、家や農地を捨てて逃げるしかないと思った。と


アイリは言う

「大丈夫、私がみんな助ける。生活の支援もする。」

「だからここで一緒にやり直し、頑張りましょう。」

避難民はそれを聞いて平伏した。

中には拝む人もいた。


元気とやる気を取り戻した者から、街へと移動していった。

中にはここに残って、

まだやってくるであろう仲間たち避難民をを助けたいという人も出てきた。


アイリは砦の防衛兵も応援を頼んだ。

「ここを難民村にする。付近の開拓を手伝って。」

防衛兵達も快く引き受けてくれて、木を切り農地を作る。

進んで手強い労働力になってくれた。


ハシマからも、防衛兵が労働力として応援に駆け付けた。

この地は、近江の隣だからと防衛兵の配置数を多くしていたのが

今ここになって助かっている。


貴重な労働力が一気に補充されたことになる。

職人の指示で動く者も多い。

皆快く、指示を聞いて動いている様だ。


中には食料調達のために狩りに行った兵士もいる。

訓練だとか言って笑っていた。

支援物資を軍の輜重隊が運んできてくれた。

兵隊も領民も職人も商人も協力し合って頑張った。


ここへきてアイリは、ギフの視察を断念することになる。

しかし、残念だとは思っていない。

花火祭りまでには、約束だからオカザキに戻るけど

そのあとでまたギフに来て視察すればいい。


「期限ぎりぎりまで、私もここでみんなと頑張る。」

同行メンバーは皆、アイリらしいと笑った。


避難民は、驚いていた。

領主自ら仕事を手伝い、いちいち言葉をかけて労っている。

しかも、上下関係など無いように笑いあい会話しながら・・。

何も徳も縁もない自分たちのために。


アイリは、孤児達の面倒も進んで見ている。

「受け入れ先が準備できたら一緒に移ろうね。」

そう言って孤児を安心させている。


ハシマでは今、孤児の収容施設を作っているところだ。

そこでも兵士たちが労働者として応援している。

指揮官補のユキタカや叔父のカネツグが指示を出している。


特殊諜報員には、別の任務を与えている。

近江へ潜入して、避難民を誘導すること。

これは、領民に紛れ込める彼らにしかできないことだ。

北と南へと送り込んだ。


敵地であり、戦地であるからかなり危険なのだが

彼らも人助けの任務だからと、喜んで引き受けてくれた。


領境の砦では、避難民が境に来たら受け入れをしている。

普通、他領の領民は砦をさけて通り抜ける。

避難民ならなおさらだ、逃げて通っていく。

兵がいるから当然だと思う。


アイリはそれを堂々と受け入れ宣言をして

砦前で出迎えろというのだ。


今、中隊長の二人が自ら前に出てそれを行っている。

領境で避難民に声をかけ、難民村に誘導する。

領境は線上になっているから兵も分散して配置している。

これも危険な任務だ。


その二人とは、カツイエとトシイエ

柴田勝家と前田利家の同名者である。

二人にもアイリから槍が贈られている。


何故か同じ名前が多かったのだが、

今のこの二人は、その中で技能が抜きでて優秀だった。

しかも、アイリに対する信奉が強い。


歴史では信長の信任も厚く重臣でもある。

アイリは、彼らに一番重要なこの地を任せたのだ。


他にハシマには、防衛兵の中隊長としてノブミツもいる。織田信光だ。

彼は自ら孤児の受け入れ施設の建設の為、労働者として動いている。

歴史での信光は信長のために献身的に動いた人物だ。

似たようにアイリの願いを聞いて、中隊長なのに真っ先に動いてくれた。

そのおかげで防衛兵が協力してくれている。



「領民を困らせる戦争の仕方はダメだ。」

アイリは、新しくやってくる避難民を見てそうつぶやいた。

アイリの側近たちは、それを聞いて納得していた。


孤児の中には幼児もいる。

乳母だったサヤカと、

以前、サヤカの教育を受けていたオイチが手分けして面倒を見た。


幼年の孤児の子は、盛んにギンが慰めて面倒を見ている。

同年代だからきっと通じる思いもあるのだろう。

マナリがそれを助けている。


泣いている子をジロウが慰めていた。

親に捨てられた子らしい。

ジロウもやはり女性なのだろう。ほおっておけないようだ。


その間でもメイド隊は、ことあるごとに食事を作り配る。

避難民だけでなく、協力してくれる皆全員分だ。

量がすごいが、メイド隊は下済みを経験してきた強者である。


特に今回連れてきた4軍、5軍のメンバーは慣れているのか手際がいい。

メイド館でも食事は大量作成だからだろう。

食事がおいしいと、すごく好評だった。

お腹が膨れれば気持ちも落ち着く、おいしいものを食べれば幸福感が出る。


10歳以上の孤児は、アイリの直轄事業で受け入れをする。

奉公と言う形で仕事を学ばせて働いてもらう。


中にはアイリのメイド隊や兵になりたいという子もいた。

アイリの兵たちの姿を見て感動したらしい。

アイリの兵は人助けをする。

それは子供たちが今まで見たことが無い兵の姿だった。


「15歳を過ぎたら採用してあげるからそれまで待ってね。」

アイリはそう言って、直轄事業の幹部に連れられて行く孤児を見送った。

しばらく幹部の元で生活しながらいろいろと学ぶだろう。

「意思が変わらなければ、採用してあげよう。」

アイリはそう心で思った。


避難村は皆の協力もあり、その後半月ほどで完成した。

アイリは全員の前で感謝を述べた。皆嬉しそうに照れていた。

アイリは、この村を「希望」と命名した。

ここから、人生が再出発するから希望を持てという願いだ。


希望村は、この後も避難民を受け入れ、新地へと向かう支援を行った。

アイリの代表的な慈善事業として、こういった流れはその後も引き継がれる。

近江各地にその情報は流れ、この希望村を目指す人々が後を絶たなかった。


アイリは一段落したこの地を離れ、

ここに赴任してくれた内政官に後を託し、ハシマへと向かう。


内政官はアイリが各地で登用してきた人物たちだ。

無名だった自分たちを登用して教育してくれたことに

感謝を感じていたから協力に名乗り出た。


ボランティアとして駆けつけてきた者も多い。

何人かの領民とアイリに賛同した避難民はここで支援活動に残るという。


孤児たちを連れてアイリは移動していく。

残る者たちはそれを見送った。


馬車に揺られて、孤児たちは笑顔で新しい地へと行く。

ハシマの孤児院は、ほぼ完成している。

完成して移れるようになるまで、アイリの居館にいればいい。

部屋も多いし、使っていない大広間もある。


アイリは、ハシマに到着すると

協力してくれたカネツグやユキタカ、ノブミツに礼をいう。

官吏院にもその旨を伝えた。


アイリは、ハシマで子供の世話をしてくれる女性を登用した。

アイリには残り時間が少なくなっている。もう月末が近い。

ここにいられる間でもと、サヤカが女性たちを教育した。


孤児院が完成すると同時に、アイリはアイチ領に戻った。

孤児院第一号、しかもアイリの居館敷地内に建てられたそれは

「夢館」と名ずけられた。


アイリが去るとき、孤児たち全員見送りに出た。

泣いている子もたくさんいた。

「また来るからね。」アイリはそう言って子供たちを慰めた。


そして急ぎオカザキを目指す。


オカザキでは、もう花火祭りの準備が始まっている。

アイリが戻らないと祭りが始まらない。

あれほど領民が、またやってくれと期待していた祭りだ。


それと花火のこともある。

ギフは、名残惜しいが祭りが終わったらまた行く。

アイリは責任者として、やると言ったことは責任を持ちたい。


それに・・・。

オカザキでも孤児院が作られている頃だ。

アイリがハシマで孤児院を作る指示を出した時、

オカザキの領主館敷地内にも作るように指示を出してある。


突貫工事で最短と言うわけではないが

完成したら、仲良くなった孤児をそこに来させてもいい。

子供たちの選択は自由だ。


ハシマのほうは、その後も新しい孤児たちが集まるだろう。

努力は無駄にはならないと思う。


アイリがオカザキに帰った時は、本当にぎりぎりだった。


8月に入れば10日間ほど祭りは続く。

それが終わったら絶対に行く。


アイリは気を入れ替えて祭りの準備に入った。









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