No048 アイリの野望、領主編 「募兵と指揮官募集」 何故か織田家臣が来る。 8歳2月、
アイリはいつも通り内政に精を出し
時々やってくる指揮官と軍師希望者の面談を行っている。
もちろんメイド隊、抜刀隊はアイリの管轄だ。
各地での募兵は採用指揮官に一任している。
各指揮官は方面軍指揮官でもある。
シズオカ領は、カンスケ
領主館があるヤイズ(焼津)を拠点にした。
ドウキは改名してカンスケ(勘助)になっている。
これはアイリが爵位権限を利用して改名させたものだ。
ミエ領は、ノブツナ
領主館があるアノウ(安濃)を拠点にした。
ゲンタも改名してノブツナ(信綱)になった。
これもアイリの仕業である。
ギフ領は、叔父のカネツグ
領主館があるハシマ(羽島)を拠点にした。
羽島は近江進行時の重要拠点となる。
補佐官に前領主のユキタカがついている。
六角氏の同名者だ。
ユキタカは、かなり努力している。
だから同じ様に努力して指揮官を行っているカネツグは
きっといい手本になるだろう。
アイチ領は、父マサツグ
領主館があるオカザキ(岡崎)を拠点にした。
この地は一番人が多く集まるので二人を補助に付けてある。
保有兵士数も多く、軍団数も多い為、指揮官は3人となる。
カンベエ(官兵衛)。 スケタカも改名した。
ハンベエ(半兵衛)。 シゲハルも改名している。
歴史上では織田軍の誇る軍師の両兵衛だ。
重治は竹中半兵衛の本名で半兵衛のほうが有名だが通称名だ。
これはアイリのオタク歴女としてのこだわりである。
本名を変えてしまう傍若無人。権威をこういう使い方してはいけない。
採用指揮官は採用の可否だけでなく兵種適正を見て隊へ割り振り訓練も行う。
意外に大変な仕事だ。
アイリは午前中に剣士の面談を行い採用者を決め終わった。
剣士の採用とは、剣術の腕だけだけではない。
何事にも動揺しない胆力、誘惑に負けない精神力。
常に自分を高める向上心と努力。
そして一番重要なのが性格だ。
抜刀隊は現在、皇王様の剣でもある近衛兵の役割を持つ。
正直者で悪を許さない厳格さも必要とする。
もちろん主を裏切るようでは全く役に立たない。
アイリの鑑定と人物事典のコンボを使って採用を決める。
これはアイリにしかできない仕事だ。
午後から、指揮官・軍師枠の採用面談がある。
事前に集まった人材の情報を聞いて非常に楽しみにしている。
実力を示し権威を持つと人が集まる。しかもかなり優秀だ。
つくづくこれを実感している。
メイド隊に昼食を作ってもらい。
それを食べながらニヤニヤしている。
今日の昼食は、カルボナーラ・スパ。
食事が楽しくて、にやけているわけではない。
面接が楽しみなのだ。
「晩は牛丼かうな丼のどちらかがいいな。」
手に入れた材料で決めていいと指示している。
「親子丼も捨てがたいんだけどね。」
おっと食事が楽しみなのは、間違ってはいないようだ。
午後になって面談が始まる。
最初からアイリが目に付けていた人物の一人だ。
名前 ヨシナリ(可成) 武術技能は優秀。
実は、森 可成の同名者である。
歴史では、羽島辺りの生まれで美濃で土岐氏に仕官している。
道三が台頭し土岐氏が追いやられ滅亡した後
信長の元に来たという話がある。
何より重要なのは、可成の子供たちだ。
武術が優秀だった可成の息子の中には
鬼武蔵こと森長可がいる。
7人の子がいる子沢山でもあり、そのうち半分は逸話持ち。
特に森成利は有名だ。成利とは森蘭丸である。
アイリが話を聞くと妻子がいるそうだ。
二代続けてという例も見てきたから期待できる。
まだ幼いそうだが、成人になればアイリ権限で改名できてしまう。
力技でも歴史事実が成り立ってしまうことになる。
即採用となった。
次に来たものは
名前 イチマス(一益) 武術技能持ち
これはもう滝川 一益だろう。
アイリの人物事典には漢字名が載る。
イチマスと呼ぶだけでは気が付かなくても一目でわかる。
一益と書いてカズマスと呼ぶ方が有名だ。
父親が甲賀出身、近江甲賀は六角氏の治めた地。
甲賀と言えば忍者だからと物語ではよく忍者扱いになる。
実はまぎれもなく武士だ。
滝川一益と言えば滝川家の出身である前田慶次が関係性を帯びる。
正式には前田慶次郎といわれる。
慶次は歴史では父親の記録が少なく誰かという断定は難しい。
散々名前を変えたのは事実だとされている。
慶次は傾奇者として物語では有名だが。無骨ものではない。
文化人と交流を持ち、和歌や連歌を嗜む教養人だ。
私には改名スキルがある。・・いやそれはスキルではない。
イチマスの血縁者を無理やり権威で改名させようとするだけだ。
命令だから名前変えろという反則的なやつだ。
「これはラインがつながった。ぐふふ」
本日2人目の採用になる。
アイリにとって同名者が本人かどうかは気にしない。
類似の存在がいるから歴史的事実として役割を持たせるだけだ。
鑑定でも人物事典でも本人断定はできない。
いつもの「偶然は必然」というやつだ。
後の数人は、アイリに言わせるとふつうだそうな。
基準が興味の対象かどうかというだけだったりする。
ヨシノブと一緒に勉強してもらおう。
「頑張れば中隊長くらいにはなれるでしょう。」
指揮官だけでなく、その下の士官も不足していて大切だ。
人材の質が良くて不採用がまずいない。
休憩をはさんで次を待つ。
珍しく軍師枠で応募してきた者がいる。
名は ナガヒデ(長秀) 軍術技能、武術技能持ち
これはもう丹羽 長秀でいいや。
はい採用。
先日アイリは、カツイエ(勝家)を採用している。
柴田勝家断定したアイリは、やはり即決採用にした。
同名者というのは必ずしも歴史人物の類似とは限らない。
国単位で言えば同じ名を持つ人間が多数いても変ではない。
この国に、カツイエが10人いてもおかしくはない。
アイリはそれが10人来たら皆採用する。
その中で一番優秀なものを勝家認定するだけだ。
しかしスキルを持っていたらそれは優先度が変わる。
それほどスキル持ちというのは珍しい。
次に、オタク歴女であるアイリの興味の対象であること。
森蘭丸や前田慶次などが関係してくるなら話は違う。
スキル持ちかどうかは気にしない。
これはもうオタク歴女としての
こだわりコレクションの類になる。
オタク歴女としてのアイリには
丹羽長秀や柴田勝家は興味がない。
単に同名者枠として採用しておくだけだ。
以前、武田義信の同名者であるヨシノブを救ったアイリは
散々類似者と単なる同名者の違いを理解した。
ヨシノブには才能がない。
それはスキル持ちじゃないからという理由以前だ。
凡人だとしか言えない。
類似の存在とは言えない同名者がいるのだと知った。
類似の存在の同名者と単なる同名者
この違いを知ることはできない。
雇ってみてから考えるしかない。
ただ、何故か織田家臣団がやってくる。
アイリが自分が織田家だと気にしすぎるせいかもしれない。
残念ながら今のところスキル持ちはいない。
歴史上の本人は、スキル持ちだった可能性が高い。
類似の同名者もそれに準じている可能性が高い。
それが来るのを待つ。
ただ、来てくれる連中は凡才ではない。
それなりの優秀な技能を持っている。
頑張れば大隊長になれるかも知れない。
もっと頑張れば
叔父のカネツグのように指揮官を任せられる可能性もある。
努力して技能を上げれば、後発スキルが発生する可能性だってある。
同名枠の採用者は、織田家家臣にとどまらず
不思議なことに徳川家家臣もいる。
織田家はもうすぐコンプリートになりそうだ。




