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No047 アイリの野望、領主編 「任命式と官位と募集」 官位もらったけど。8歳1月、

アイリが命名を苦労して考えた後、形式だけの申請を行った。

それを受け、皇王様から正式な領主任命が行われた。

今回は、共に官位が叙爵される。


皇王様が言う。「アイリを正三位大納言にする。」

「えーと、それ今までとかなり飛んでる気がしますが・・。」

アイリは、思ったことをつい口に出す。

知っている知識だと9段階上がっている気がするのだが。


「うむ、それくらいの功績はあると考えたのだが不満か?」

皇王様がニヤニヤしながら言う。

あーこの顔は何か考えていらっしゃる時の顔だ。

これ下手なこと言うと、むしろ官位あげちゃう気がする。


正三位の上は従二位右大臣だ、信長と同じになる。

「申し訳ありません、不満はないです。」

アイリとしては、上がっても正五位か従五位くらいだと思っていた。

辞退すると上にあげちゃうイベント発生の予感がする。

ここは素直に感謝して納めておこう。


「ありがたき幸せです!皇王様感謝いたします。」

心の中でいろいろ思いながら平伏する。

結局それ以上、皇王様から何も言ってこなかった。


次に上げる楽しみもとっておくそうだ。

あーやっぱり何か考えてた。アイリは思った。

基本的に官位と職位は連動している。

時代にもよるが信長の従二位右大臣というのは近衛大将だといえる。


現実的な立場からいえば、アイリがそうなってもおかしくはない。 

しかし皇都からまだ離れたこの地で名誉爵をもらっても実権が伴わない。

せめて近江と皇都付近の領をもう一つとったくらいでいいと思う。


皇都にいる有象無象も心配だ。

麻呂的な人がいて「田舎侍が!うまく取り入りおって。」とか言われそうだ。

多分そういう連中の中に皇王様事件の協力者がいる。


やっと皇王様事件から始まった今川イベントが終わったとこだ。

変に挑発になることは避けたい。

しかし皇王様はそれを理解したうえで、何やら考えてらっしゃるようだ。

これはあれか・・早く2領取ってしまえというやつかな。


皇都までつながるラインがアイリの領になる。

だけどそれやると確実に信長包囲網イベントのフラグが立つよね。

それを回避したら次は本能寺イベント。

「やばいよ、やばいよ・・。」どこかの芸人風のセリフが出る。


アイリはしばらく内政をすることにした。

領を豊かにして人口を増やすのが一番。

そうなれば、養える兵ももっと増やせる。


ちなみにアイリは、ギホク(岐北)地区とイズ(伊豆)地区を取る気はない。

あまりおいしくないからだ。豪族には属領になれと言っていない。

豪族から臣下の礼を取ってこなければ放置だ。

まぁ熱海は気になるけど・・そんな遠い所へ温泉旅行などムリ。


結果、目を向けるのは、近江(滋賀)方面一択となる。

参考として姉川の合戦では文献ごとに大きく異なるが

浅井朝倉軍は15000~20000強

いくら武装が違っても、

最低それくらいの兵が動かせないといけないと想定する。


20000動かしたら領に誰もいないのでは話にならない。

何か発生した時の援軍がない。防衛軍だって必要だ。

これだけ広大な領地になると防衛軍の数も多くなる。

信長包囲網イベントも怖い。


新しく領地を取れば、またそれを守る軍がいる。

現在アイリが持つ総兵力は、33000を超える。

ミエ領に約5000、シズオカ領に約5000、ギフ領に約5000

アイチ領に約18000の兵がいる


兵装と訓練度からいえば、充分多く脅威なはずだ。

しかしアイリはこれを50000以上に増やす必要があると考えている。

「できれば6万は、ほしいんだよね。」アイリの中の目標だ。

それだけ集めるためには、収入を増やす必要がある。


アイリは、現在攻めに行ける兵数は13000程と試算している。

シズオカに派兵した時の兵数よりやや多い程度だ。

だから募兵を盛んに行っているし、その為に内政に力を入れている。


近江(滋賀)方面に出るのなら25000は欲しい。

その時はギフ領の美濃地区に後詰を10000程準備したい。

結果、不足は22000となる。

これをアイリは、最低ラインだと思っている。


アイリの軍編成では1軍の最大兵数は3000。

近江方面へ9軍27000が進軍し、

ギフで後詰3軍12000を待機させる

それを合計すると、総兵力で60000欲しいという目標になる。


「1年間は、まじめに領政を行うかな・・ふぅ」

アイリの内政ターンが始まる。

この間に新兵器の量産や開発もするつもりだ。


軍を動かす指揮官も必要だ。

目標の12軍を編成するつもりなら12人

最低ラインの10軍なら10人


現在の指揮官は、アイリを含めて7人

新しく指揮官候補にした2人がいるが

1人は中隊長レベルで、もう1人は小隊長レベルだ。

むしろ、軍内から採用したほうがいいかも知れない。


歴史での織田軍の強みは人材だった。

織田軍に限らず、精強と言われた軍はどれも人材が豊かだ。

歴史ゲームをやると、とんでもなくそれが誇張される。


「ゲームみたいに他領へ行って ホイホイ人材登用できたらいいのに。」

それはいくら異世界でも現実的にありえない。

アイリはそんなことを考えながら地味な内政に精を出すのだった。


アイリのこんな悩みを吹き飛ばすように。

募兵や様々な募集で人が集まる。

実は皇王様による、任命式と叙勲の効果である。


今まで、いくら頑張っても他から見れば

麻呂的な人じゃなくても「田舎の小娘がいい気になって」であった。

それが、実力が示され権威が付いた。

この効果は絶大となる。


皇王様は無駄にアイリに任命式を薦めたり叙爵をしたわけではない。

「アイリのための協力は惜しまない。」

これはアイリの知らない皇王様の心の内にあるお言葉だ。


国中に広がれば、我こそはと思う人が来る。

偶然でも何でもなく必然だ。

名を挙げたい人、優秀な主を求める人、力を求める人

そう言った者は、いつの世でも多い。

在野に下って時を待つ人材も多い。


それが今、アイリのいるアイチ領に向かって一斉に移動する。

中には豪族をやめた人や、仕えていた主を見限った人。

混沌の歴史の中に埋もれていた人材などが動き出す。


アイリは考えていたことがある。

この国は異世界にあるが、なんちゃって日本だ。

過去の歴史の中でターニングポイントだったものが

何か間違いを起こし、異なる歴史になっているのだろうと。


それはタイミングなのか、人の行為なのかはわからない。

この国は歴史書がないからだ。

わかるのは、歴史にとってひずみが大きいところ。


今が信長の時代に相当するなら

そのひずみとは、皇王様と足利家そして織田家


アイリは当初、有名歴史人物がいないと思っていた。

僅かに見つかったのは、幼名のまま存在する類似の人物や

称した名前を持つ人物だった。


それがだんだん増えていき、

やがて完全一致する名前の人物が現れだした。

もちろん、歴史上の人物と同じとは限らない。


しかし三好と松永のように何らかの影響を持ち合う存在がいた。

アイリはこれを歴史の帳尻合わせだと言っている。

しかし、ひずみが減ることにより

その帳尻合わせの力が大きくなるように見える。


既にいない足利家、

しかし足利家が必要だった時代はやがて過ぎる。

歴史に取って大きな影響を持つ織田家が台頭してくる。

いや徳川家もそうだ。


織田家・徳川家の代わりをアイリが担うことで

行動の結果、偶然とはいえ、どんどんひずみが減る。

今アイチ領は、国と歴史に影響力を持つ二人がいる。

皇王様とアイリだ。

協力すれば歴史を修正できる可能性を秘めている。


要するにひずみが減ることで

歴史では本来当たり前だった状態に近づく。

アイリが言う歴史イベントの継承もそうだ。

アイリはできるだけ前世歴史相当のイベントを攻略してきた。


結果として

一番歴史の影響が大きかった織田家のひずみが修正され

同名者とのかかわりが増えていくのではないか。

これがアイリの推論である。


さて、この先どうなるだろうか。


いろいろと考えながらアイリは内政の仕事に没頭していった。




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