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No044 アイリの野望、領主編 「東伐戦策略」 アイリの布陣。7歳12月、

東2郡目の領堺まで来てマサツグとカネツグは布陣を引いている。

中軍を待っているのだ。

この間、敵の動きはない。

情報が入る。「敵は郡役場で防衛体制です。」


第三軍、第四軍が来る。

「マサツグ殿、カネツグ殿。先鋒ご苦労で御座ったな。」

ドウキである。

「お二方、まさに電光石火の早業でしたね。」

ゲンタだ。


マサツグとカネツグから見れば、この二人は

イセとキイを攻略した実績を持つ。

「いや、お二人とともに戦えるのは光栄ですぞ。」

マサツグは言う。

カネツグは、早く軍を移動させようと声をかける。

「アイリの指示ですと我々は南へ行くことになりますな。」

それを察してマサツグが答える。

「うむ、では早々に出陣するか。」


ドウキは言う

「では我々は、北へ参ります。」

これもアイリの指示だ。

「ドウキ殿、これからは南北連動して動くことになります。」

「情報を聞きながら軍を進めましょう。」

ゲンタは結構冷静だ。


4つの軍はそれぞれ一斉に行動を開始する。

「全軍移動せよ!」

北と南に別れ2郡目に侵攻を始める。


アイリはこの領境にある川で敵軍が防衛をされるのを嫌っていた。

天竜川である。

川幅があるので渡る途中で邪魔されると面倒だと思っていた。

だから先に領堺まで確保してほしかったのだ。


北と南にある郷役場をそれぞれが攻略する。

次々郷役場を占拠していった。

アイリが戦場にするべき地として掛川か菊川の辺りと言っていた。

そこは、平地が広くなる場所だ。

ゆえに北と南に軍が分かれる。


アイリが遊軍だといった第五軍、第六軍はアイリの第七軍と合流し

中央を進む計画になっている。

敵が布陣を敷いた時に、この中央軍が相手をするように見える。

この約4500の兵が侵攻兵だと思わせるためだ。


掛川の手前辺りは中央が山になっている。

これを超えた先を戦場にしたい。

北と南に分かれて進軍させたのはそういう理由もある。


本当の意味はまた別にあるのだが。

アイリは山を過ぎたところで、遊軍と本軍の三軍を合流させる。

その先を直進すれば郡役場がある位置になる。


情報ではそこで防衛をするべく敵が集まっていると聞いた。

菊川の中流域辺りで布陣を敷く。ここで敵を待ち構えるのだ。

後は誘いに乗って敵が正面の位置に布陣してくれればいい。


中央軍はその存在を示すかのように太鼓や銅鑼を鳴らす。

「何時しびれを切らしてくるかな。むふふ」

アイリは防衛のための簡易的な柵などを設置し、

旗を立て、存在をアピールする。

特殊諜報員に扇動工作をさせ、敵を動かしやすい偽装情報を流す。


織田軍は、菊川あたりで布陣をして。のんびりしているという話だ。

実際のんびりしているわけだが。

2郡を取れる位置に来たことで余裕が出て、

舐めてかかってる様に捉えてもらえてもらえばいい。


やっと、次の情報が入る。

敵数約6500強が、こちらに移動を開始した。

かなり集めたほうだとアイリは思った。

敵がではなく、こちらが釣った数としてだ。


ここで釣れるのは敵の全兵力の半分くらいだと予想している。

敵が前方で布陣を敷きしだした。

結局、敵が集められたのは7000を超えていた。

これで勝てると思って向こうからきてくれそうだ。


アイリの計算はこうだ。

この領全体で約15000は集められるだろう。

農民の徴収兵が主体だ。

他領支援軍がいたとして5000程と予測。


全部で2万になる。今川軍も同じような数だった。

ここで三分の一を削ってしまおうという考えだ。

それだけの数が負けたと知ったら農民兵のやる気が大きくそがれる。

ただでさえ好き好んで戦うわけではない。


敵領全体に謀略を仕掛け、領民は反対派が多い。

大きく負ければ、その火は広がるだろう。

「うん、よく釣れました。ふふふ」

こちらは既に開戦の準備は出来ている。


支援軍を派遣する可能性がある周囲の領へも謀略の手は伸ばしている。

大義名分というが、実は完全な私利私欲だと宣伝中だ。

いやこれ多分ほんとのことだと思う。


この戦いで負ければ、支援をやめるかも知れない。

もしそうでなくとも領民が領主に反感を持つだろう。

火の粉がついたら火を広げるのは簡単だ。


しばらくして、敵が動き出した。

「しびれが切れたのかな。」とアイリは思った。

総数、約7500に膨れ上がった敵は

こちらの数を見くびっているようだ。


普通に考えれば他領から来た兵4500程

それに対して自領の兵7500。しかもほぼ同数の後詰がいる。

これでも動かなければ、ヘタレとしか言いようがない。


敵は数で勝負を決めに来たのか全軍を前進させる。



これは、敵領なのでアイリの鑑定が完全ではない。

あくまで聞いた話だ。


この地の領主は、センユウガン(千熊丸)

変な名前だが、文字に書くとチクママルだ。

この国は、名前を読むときには音読みが多いので、

変な呼び方になるのかもしれない。


家名は、ハタノ(波多野)家

波多野家は、丹波の大名家として名が上がるが、元は相模の豪族。

相模は神奈川県だ。静岡県とは近い。


波多野家は、あまり有名な話はなくゲームや物語では咬ませ犬的な

立場にされることが多い。


当初信長側にいたが信長包囲網の時点で寝返ったことから

信長に恨まれ処分され波多野家は滅亡した。

こういった経緯があったからだろうと思う。


この名前と家名。

アイリのオタク歴女としての記憶で連想される人物は

三好長慶となる。幼名が千熊丸だ。

長慶は波多野家から妻をもらっているから関連性がある。


三好家と言えばゲームや物語では悪役的な印象を受けるが

長慶は、松永久秀に翻弄された苦労人でもある。

病により思考が変になったという話もある。


弟の安宅冬安を死なせたのは、この二つの要因ではないかという。

事実は本人しか知らないが・・。


ただ言えることは、

北の領主家名の六角家と近い位置にいた大名家名。

信長に関係していた人物であること。

味方だった記録があるが、後に敵対し滅ぼされた家名。

という点だ。


それともう一つ

アイリの推論が当たっているとすると足利家関連の人物でもある。


千熊丸という幼名は、ほかにもいるから何とも言えないが・・。

アイリの良く言う「偶然は必然」論からすれば何かしら臭う。


三好家を名乗っていれば、アイリの有名大名という好奇心に

ヒットしていたかも知れない。

今更だが・・。


今はもう後戻りは無理だ。










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