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No040 アイリの野望、領主編 「皇子救出」 救出完了と西の2郡攻略作戦 7歳10月

この時期、同時並行して作戦が進行しています。

もう秋になる。

本来なら領内は収穫で忙しい時だ。

そんな時、アイリは、何かを待っている。


つい先日

皇子様の行方が知られてきた。

今まで領主館に幽閉されていたのが移動したようだ。

軟禁状態だったと言える。

それであまり外部に情報が出なかった。


しかし、安全開放というわけではない。

利用度が下がったことで監視の目が緩んだのだろう。

皇子の側仕えが、皇子と逃げたようだ。

領主が慌てているという情報が入った。


側仕えは女性だ。

勇気があると思った。


即時、アイリは動いた。

諜報院に命が下る。

「皇子に関する偽情報を広げて。」

とにかくあっちで見たとかこっちで見たとか

「それと領主の悪事を領民に広げておくように。」

領民にも混乱を広げておく。


特殊諜報員に工作の命を下す。

「背格好が同じような子供を使い、偽装工作を行って。」

嘘情報だけでなく見た目も混乱させることをお願いする。

他にも

「領主の命で動く部下たちの邪魔、足止めをしてね。」

「女性を使うとか酒を飲ますとか方法は問わないわ。」

とにかく時間稼ぎだ。


そして特殊諜報員の精兵であるスキル持ち達5名を呼ぶ

「皇子確保を優先事項とします。」

「場合によっては戦闘も辞さないつもりでいてください。」

これは非常命令だ。


「協力が必要なら他のメンバーを使ってもいい。」

「あなた方の指示は私の代行命とします。」

一番重要な役目である。

現場で臨機応変な対応をしてもらうしかない。


「みんな、お願い頑張って!」このチャンスを逃すと大変だ。


それで今、状況報告が来るのを待っているのだ。


珍しく外に行かず、部屋の中をうろうろしている。


サヤカが心配そうにアイリの世話を焼く。

アイリが朝から食事もろくに取らないから、

サヤカが軽食を準備して部屋にもって来たり。

お茶やお菓子を出したり。


時々頭をなでて

「きっと、大丈夫ですよ。」と慰める。


情報は伝言ゲームのように伝えられる。

距離によるタイムラグが悲しい。

「スマホとかあったら・・通信機でもいい。」


鳥を使って伝書鳩みたいにするとか考えようかな。

それはかなり難しい話だ。

ハトは大陸から渡ってきたものを品種改良した。

伝書鳩はまたそれを品種改良したものだ。


結局この日は何もなく過ぎた。

この世界のこの時代では情報がたやすく入るわけがない。


移動だけで、急いでも3日とか4日とかかかってしまう。

現在一番早い情報伝達は、飛脚伝言という方法だ。

アイリは緊急情報の取得時には、これを取り入れている。


早馬があればいいが、馬の脚が思うより遅いし面倒が大変だ。

移動領地が全部アイリの領地ではない。

人ならともかく馬に乗った人間が他領を走りまくるなど

怪しさ満載になる。


結果、最初の連絡が入ったのは、それから更に3日後になった。

これでも充分早い。


皇子様はまだ捕まっていない、南へ向かったという事。

皇王様と同じルートかな。

領内の工作は進んでいること。これは進めてほしい。

皇子様を確保した後も続けたい。


こう思ったことも返事として返す。


皇子様は路金があるのだろうか・・・。

苦労してそうで可哀そうだ。


皇子様確保の連絡は、それからまた更に5日後のことだった。


こちらへお連れになるまで、かなり日にちがかかる。

費用は際限を付けないから、安全に楽になるようにお願いした。


アイリはこれを皇王様に報告した。

事態はまだ完全に安全とは言えないが、少しでも早く知らせたいと思った。


皇王様はとても感謝してくれた。

良かった。あきらめているようではなかった。

希望はつなげたようだ。


月も終わり近くなった頃

特殊諜報員の救出メンバーが皇子様と帰ってきた。

アイリは、毎回情報を受け取っており

現在地や、どのルートを通るか聞いていた。


場合によっては、自分も動くつもりで準備していた。

領近くなったと聞いた時、皆無事だという話ですごく安心した。


アイリは領境まで出迎えた。

皇子様の来領の挨拶をかわし、皇子様の側仕えを労った。

もちろん特殊情報員は褒めまくった。


特別賞与確定である。

「皆様ご苦労様でした。任務終了の休暇をあげますからね。」

休暇もとってもらいたい。


今でも、混乱工作は続けている。

探している人物がここにいるなど知らないだろう。

領民への扇動も続けて行っている。

領主の部下は足止めどころか篭絡にまで至っている。


ただ、毒を使った犯人かどうかはわからない。

たまたま、チャンスを手に入れて

何やら画策しようとした程度の小物のにおいがする。

情報からそう感じた。


領境から数日かけてオカザキに到着。

今回は大々的に情報を出さずにいたので

いつもの巡回くらいにしか領民も思っていない。

でもみんな普段通り挨拶してくれる。


皇子様とその側仕えを皇王様の居館に案内して後は任せた。

家族のことは、家族内でやってもらえばいい。

皇子様がここにいるなど、他領に知らせる必要もない。


情報取得から任務完了まで、結局一月近くかかった。

しかし、これで安心が増えた。

いつまでも心の隅で気にしていた問題だ。

何かすっきりした。


ちなみに皇子様は、サネヒト(誠仁)様だった。

日本歴史と同名になる人物だ。

異世界だから偶然ではあるが

アイリが言うには「偶然は必然でもある。」らしい。


アイリはこの間、ただ待っていただけではない。

当初はかなり焦りもあったが、同時に他の事も考えていた。


東を何とかする前に。

ミエの南郡への侵攻作戦だ。

これを何とかしないと、シマ郡の位置がどうにも安定しにくい。


領境という防衛ラインが山森というのは

ゲリラ戦で守りやすいが逆にゲリラ戦を仕掛けられると混乱しやすい。

南下して平地に防衛ラインを作りたい。


すでに手配は終わっている。

アイチ領から2000の兵を移動指示してある。

ミエ領で1000と合流する予定だ。

西側を攻めた実績のあるメンバーを指揮官に任命。


全3000を率いてもらい。数と兵器で圧倒する。

あちらも今度は準備している可能性が高い。

皇子様の件があるので、今回アイリは参加していない。


特殊諜報員も特別任務で大変だ。

実は、この時はまだ皇子様の件で動いていた時になる。


謀略工作もできない。

諜報院による情報操作と情報取得だけだ。

いつものように領民への扇動は指示してある。

噂を流す程度なら一般の諜報員で行える。


奇襲作戦ではない。

初めて、正面から闘うことになるだろう。


ミエの防衛は募兵に任せる。イセ地区の元兵士だ。

一部の兵は編入されて戦いに行く。


ミエ領からゲンタ、先鋒になる。

第一軍

槍兵1中隊300、刀兵3小隊180、弓兵3小隊180

弩兵3小隊180、投石兵2小隊120 他支援兵40

計1000


アイチ領からドウキとスケタカ、2軍を合わせ本軍とした。

第二軍、第三軍ともに第一軍と同じ編成だ。

計2000


収穫が落ち着きだす。来月の作戦実施になる。

こちらは農民兵ではなく専門兵だから実際には収穫期は関係ない。

いつでも作戦可能だ。

準備が整い次第、行動開始と指示してある。


これも情報連絡を待つだけの仕事だ。

自分で動いてきたアイリにとっては結構つらい。









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