No039 アイリの野望、領主編 「会談イベント?」 皇王様婚約する。7歳9月、
歴史的会談イベントは簡単に終わりますが、その後にこの地は重要な役割をすることになります。
アイリは北の領地境にやってきた。
木曽川の向こうが北の隣領地になる。
出迎える側のアイリは、北の領へ入ることになる。
浅瀬を通って、3000の兵が移動する。
地理的に言うと前世でいう岐阜城の東側だろうか。
アイリが言う会談というのは実際にはないが
姫の受け入れの場所としてこの地が選ばれた。
川を渡りきるとアイリのスキル反応があった。
スキル成長するときに感じるやつだ。
世界地図が反応している。
どういうタイミングでそうなるのかは知らない。
地図能力がアイリの行動した場所だけでなく。
アイリの支配地全体が示される様になった。
アイチ領やミエ領の未踏破地域までが表示される。
それと共にアイリが命名した地名なども表示された。
今回はさすがに慣れたので大げさな驚きはしなかったが
驚いたことに変わりはない。
しかしこれで確実に便利になった。
支配下に置きさえすれば、地図が完成するからだ。
わざわざ出歩く必要もない。
アイリ曰く何かの条件がトリガーになったのだろう。
先方が待っている。
さすがに軍隊を率いてはいるもののアイリの部隊の比ではない。
人数は2000ほどいるが兵装が違いすぎる。
アイリの兵は最新兵装で兵種ごとに統一され
見たこともないような武器を持つ。
しかも旗が、これでもかと立てられ風になびいている。
相手の兵が驚いているのか、動揺が激しい。
かなりざわついているのが、こちらまで聞こえる。
対して、こちらは整然としているので大きな差だ。
「勝ったわね。・・ふふん」アイリは言う。
何を勝負していたのだろう。驚かしたから勝ちだったのだろうか。
アイリは前に出る。先方の領主も前に出る。
領主の家名は、フルタ家
古田家は岐阜の地で古い家系だ
古田織部という利休七哲に名を連ねる者がいる。
北の領名は、モトス領
美濃の歴史は古く7世紀まで逆のぼる。
古事記には、三野前国、三野後国、本巣国、牟義都国があったと記録されている。
後の時代に、この4つが併合され美濃国となった。
その一つであるモトス(本巣)だ。
本巣国とは、西部から中央部にかけての国であった。
そして領主の名前は、ヒサヨリ(久頼)48歳
この国では結構年配だ。「人生50年・・・」
隣にいるのが嫡男、ユキタカ(行高)26歳
アイリのオタク歴女としての知識が呼び起こされる。
事前に聞いていたものの二代揃って六角氏の同名者なのだ。
六角氏は近江を拠点としていた。
ゲームや物語では、かませ犬的な役割にされてしまうことが多い。
年齢、家名、地名は、異なるが出身地が近江方面なら、
れっきとした戦国大名ともいえる。
歴史の近江六角氏は、たびたび戦乱に巻き込まれて相当苦労していた。
先祖がどこかへ移動する可能性はあるかもしれない。
近江と美濃は隣同士だ。
それと実は信長とかなり縁がある。
敵としてだけではなく、味方としても六角氏の名前がある。
歴史的学的には、正式に認められてないのだが
信長イベントの今川家との戦いに援軍参加していた記録がある。
「実に面白いわね・・・。」アイリは、ニヤニヤする。
その二人の後ろにいる女性。
ショウシュウ(聖秀) 20歳 皇王家の姫だ。
歴史では、聖秀女王というお方がいた。後奈良天皇の第七皇女とされる姫だ。
将軍足利義輝の猶子となり京都曇華院に入ったと記録されている。
年齢も時代も異なるし、皇王様からいえば、従妹ではなく妹になる位置だ。
「うーん、日本の歴史と異なるのは、当たり前の異世界だけど・・。」
これだけ同名者が集まると歴史も頑張っている気がする。
この地には足利家はいないようだから足利幕府は存在しない。
いやいたとしても幕府を建立出来ない弱小勢力だったのだろう。
しかし、皇王家は足利家に絡む人材が多い。
足利家がないから皇王家が直接、害を被ってしまったという見方もできる。
要するに、アイリが言う「足利家イベント」である。
まずは何より挨拶から始まる。
「アイチ領、領主オダアイリと申します。」
対する先方からも挨拶が返される。
「よくぞ参られた。モトス領、領主フルタヒサヨリと申す。」
「この度は皇王の命により、姫をお預かりする為に参りました。」
「姫を守護していただき、誠にありがとうございます。」
「こちらは、お礼とご婚約による祝いの品でございます。」
アイリがそう言うと、荷車に積んだ山のような荷物が送られる。
アイリの兵を見て驚き、続けてこれにも驚いているようだ。
「そ、それは、誠にかたじけない。」
領主は、慌てて言い出す。
「今回はすぐに、帰られるとの話は聞いておる。」
「後日、話が出来るとよいのだが・・・。」
何か言いたいことはわかるが、ここで面倒は避けたい。
「そうですね、後日改めて挨拶に・・。」
適当にお茶を濁しておく。
「まずは、皇王様の名代としての責務が優先されますので、早々に。」
もう帰るからねという返事だ。
「ヒサヨリ様の忠誠のお心は、皇王様にしっかりお伝えします。」
とりあえず、最後に立てておくことにした。
この時のために準備した馬車に姫を乗せる。
太鼓がならされるとアイリの軍が隊列を保持したまま整然と反転して行軍する。
姫の馬車は軍の中央に位置する。
アイリはメイド隊を従え後方になる。
「では、後に皇王様からの書状などを送らせていただきます。」
これは感状のこと。いわゆる感謝状をあげますねという話だ。
ヒサヨリは、ただ見送ることしかできなかった。
「あのような小さな娘にやられるとは・・・。」
最初から圧倒されてしまい、後手に回ってしまったのだ。
確かに英知の姫だとは聞いていた。
皇王の使いの立場上、向こうのほうが上になる。
しかし、齢7歳の小娘だと見くびっていた。
「何じゃ、あの異様な軍は・・・。行軍も布陣も只者ではない。」
「それとこれらの贈られた物。見たこともない品々だ。」
ヒサヨリは感心するしかなかった。
「相手のほうが、一枚も二枚も上手じゃった・・。」
ヒサヨリは、嫡男のユキタカに言う。
「もし、わが領に何かあれば、オダ家の姫に頼るがよい。」
「逆にオダ家の姫に何かあれば協力せよ。」
「絶対に敵対してはならぬ。」
ヒサヨリは言った。
「どうやら、わしの時代は終わった。」と
この後しばらくして、ヒサヨリは隠居した。
皇王の元には、領主申請として「ユキタカ」の名前があがっていた。
この国で嫡男が継ぐのは珍しい。力こそすべての領主だ。
これは、力を保持しているのに後任を託すということになる。
アイリの父と同じだ。
アイリは、意気揚々と帰ってきた。
領内は大騒ぎだ。
あちらこちらで歓迎される。
ほどなくして皇王様の婚約の儀が執り行われた。
もちろんアイリは、手を尽くし全領地で盛大に祝った。
姫はこれにより、聖姫と呼ばれることになる。
当初は形だけの婚約かと思っていたら、ずいぶん仲がいいようだ。
聖姫様も嫌がる様子もなく、この領に来てから楽しんでいる。
二人揃って出かける姿が見られるようになった。
「まるで、うちの両親のようだ。」とアイリは思った。
これで残るは、ミエの南とアイチの東になる。
北は、臣下の礼を取ってきた。皇王様にではなくアイリに対してだ。
これはアイリの属領ではないが、
命に従いますと正式に言っているようなものだ。
皇王様から聞くところによると
こういった場合は、アイリが領主宣言してしまうことも可能になるという。
要するに本当に部下にさせて、アイリの直轄にできるというわけだ。
「いやいや、忙しくて北に手を広げるどころじゃないわ。」
色々落ち着いてから考えることにした。
何故か、領外なのに鑑定情報が増えた。
「スキル的にも準支配地認定なのかな・・。」
まだスキルに関して、すべてがわかってはいない。
地名がない地図が現れたということで、それとなく察した。
現在、皇王様の嫡男、皇子様の行方を諜報院が探っている。
出来るだけ、ピンポイントで見つけなきゃだめだ。
見つけたら、特殊諜報員で何とか対処する。
特殊諜報員からも情報取得系のスキル持ちを送った。
後は報告を待つしかできない。




