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No037 アイリの野望、領主編 「祭りの跡」 皇王の決意とアイリの策 7歳8月、

ここから歴史イベントが始まりだします。

祭りが終わった翌日

領主館前に大勢の人々が集まっていた。

アイリの居館や両親と妹の居館、今は皇王様の居館もある

この敷地一帯を領主館と呼ばれる。


かなりの数だが何事か聞いてみた。

祭りが本当に楽しかったようだ。

皆、来年もやってほしいという。

準備も手伝うし、お金も出すというのだ。


アイリは皆にお礼を言って

「来年も行うように頑張るから皆さんも手伝ってね。」

といって頭を下げた。上げた顔はにこにこしている。

みんな喜んで騒ぎあっていた。やったーと叫ぶ人もいる

しばらく喜んでいた後、解散になった。

アイリはそれを微笑みながら見送った。


これの一部始終を見ていた皇王様が言う。

「領民が自ら労力もお金も出すという。」

「領主が領民に頭を下げて協力を願い、約束をする。」

このようなことがあるとは夢にも思ってみなかった。

何かすごく感動しているようだ。


この国では領主が領民から搾取するのが当たり前だ。

領民は領主に何か言おうものなら処罰されてしまう。

ましてや領主が領民と対等に話し、頭を下げるなどありえないのだ。


アイリは現代人脳である。

人の上下に関して気にしない。ましてや自分は幼女だ。

立場が上だと思っていない。

領民にとって領主など雲の上の人だという認識もない。

しかも前世平民だった自分は領民と同じ視線にいる。

それが当たり前なのだ。


皇王様に言われても、アイリにとっては自然体である。

言っている意味は分かるが、これを変えるのはしょせん無理だ。

いい方向であると褒められている実感があるのでお礼を言った。


皇王は思う

アイリと一緒にいて毎日が楽しく驚きの連続だ。

この領の平和な姿を見てすごく安心感がある。

自分には、力も政治力もない権威しかない。

出来ればアイリにこの国を任せたい。

自分もこの領のような国を見てみたい。

アイリの役に立つなら喜んで協力しよう。

固く決意するのだった。


アイリはそんな皇王様の思いを知らず。

いつものように施政に精を出した。

特に新5郡の行政は大変だ。丸投げにするだけでは足らない。

相変わらず北や東、皇都周辺も気になる。


新領地の南にいる豪族も早く何とかしたい。

その地では困っている領民も多くいる。

課題は山積みだ。

とにかく5郡を安定しなければならない。

優先順位を決めてアイリは取り組む覚悟をした。


「ところで、歴史イベント的なものはどうなるんだろう。」

フラグが立つと言われそうなセリフだが、

それ次第で手の打ち方が大きく変わる。

「皇王様の嫡男、皇子様も何とかしてあげなくちゃ・・ふぅ」


皇都が前世で言う大阪と京都の辺りにありそうだとは皇王様の話で想定できる。

皇王様は追われないように海沿いを長い時間をかけて移動したという。

紀伊半島経由だったらそれは確かに大変だ。

しかし追われにくいのも事実だろう。


問題は、軍の移動ルートだ。

伊賀ルートなんてあり得ない。

関が原ルートか・・それも結構な距離がある。

確かに信長のように岐阜が拠点なら近くはなる。


しかし、関ケ原の合戦時によく毛利家はあんな遠いところから

17000もの部隊を率いてこれたよね。感心するわ。


方向性を変えよう。

皇王様に言って序列制度を作ってもらう。

成人が優先されるということにすれば、

嫡男でも成人でなければ、序列順位は低くできる。

利用価値が低くなれば変な動きが取れにくくなるはず。

そこで、何らかの仕掛けで確保する。

今の段階で遠方まで兵を動かすやり方は下策だ。


次に、他の二人だわね。

これはこちらにとっても危険な存在。

諜報院によれば、どちらも従妹的な位置に属するらしいけど。

下手に排除すると皇子様の序列が上がり危険になる。

皇王様のように、こちらに取りこんじゃうのが一番。

これは場合によっては兵を動かさざる負えない。


アイリは考える。

まず皇王という立場に限り、女性継承権をなくそう。

男子継承限定にする。これは日本と同じだ。

DNA的にも大切なことだ。

いやそんな話、誰も理解できないだろうけど。


北にいる皇王家の血族は女性だ。

皇王様は独身だし、婚約しちゃえば

苦労せず取り込むことが可能になる。

従妹なら結婚対象としても問題はない。


継承権がなくなった女性を婚約者として出せるなら。

北の領主も文句は出せないだろう。

後援者としての面目が立つ。

北の領は、現在こちらと和平状態だから話を持っていきやすい。


そして、皇王様に農姫イベントを代行してもらうことが出来る。

これはアイリにとっても、歴史イベントを攻略するのに助かる。

濃姫っぽい人物はいるけど、女性同士では結婚などできない。

一番の問題は、皇王様がこれを了承してくれるかだけど・・。


以前皇王様から聞いた話では

正室は病で亡くなったらしい・・これも毒の可能性がある。

とにかく、敵対すべき相手は間違いなく黄色だ。

いつかは、アイリと正面衝突することになるだろう。

アイリは悪人を絶対許さない性格だ。


これらの問題が回避できれば、残る脅威は東だけになる。

やはり領内の兵数を増やすしかないか

並行して4次募集をかけてみるかな。

人材登用も重要だ。

兵士の数を揃えても優秀な指揮官がいなければどうしようもない。


アイリの立場は、歴史的には信長と家康だ。

家康としての立場であれば、東への侵攻は問題ないはず。

歴史が帳尻合わせを仕掛けるならそれを逆利用すればいい。

西のまとめを早急に行い、東の対策をすすめる。

当面の方向性は決まった。


アイリは決めたら即行動する。

翌日、アイリは皇王様に面会して考えを伝えた。

皇王様はそれほど悩むこともなく了承してくれた。

「不思議だ・・かなり抵抗されると思ってた。」アイリは思った。


これは皇王がアイリに対して、

自分が出来る協力なら惜しまないと心の中で誓っていたからだ。

アイリはこれを知らない。

数日後、皇王から皇王序列と継承権に関する詔旨が発表された。


アイリ諜報院の手を使い、各地に連絡が飛ぶことになった。

更にアイリの使者を使い、北の領主に向けて婚約の旨が伝えられる。

この国では、婚約すれば同居だ。

立場はこちらの方がはるかに強い、これは命令になる。


日にちを決めて、

領境で婚約者になる皇族姫の受け入れが行われることになった。

もちろん後援者の立場となる北の領主と

受け入れる側であるアイリとの初の面会でもある。

一応アイリは皇王様の勅命を受けて皇族姫を受け入れる立場だ。


相手は道三ではなく、アイリも信長ではない。

しかし会談したというイベントにはなる。

アイリは何かしらの準備を行うことにした。





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