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No035 アイリの野望、領主編 「血族探し」 ジョーカーはどこ?残り2郡も制覇。 7歳6月、

驚くべき、ある人物と出会えることになります。

この後、更にアイリの活躍が増えて行くでしょう。

志摩半島に位置する郡は平地が少ない。

海の近くか、もしくは山の中の盆地。

あとは北部と南部に少しだけある。

領地としては、あまりおいしくない。


しかし、攻めるには面倒な土地だ。

逆に言えば、ゲリラ戦などをされると厄介になる。

その為、第三軍は奇襲作戦を実行している。

居館を急襲するのだ。


西の伊賀方面でも同じことがいえる。

しかし半島と違って内陸だ。逃げる地が多くある。

だから大軍で包囲殲滅をおこなう。

信長も彼の地では苦戦した。敵に地の利を活かさせない。

忍者はいないと聞いているが・・。


アイリが山間部に入って情報取集をしている頃。


第三軍が居館へ着いたと連絡が入った。

これから戦闘に入るだろう。

第一軍は周囲の役場や関の占拠を始めている。

居館を孤立させるためだ。


敵は準備態勢が整わないうちに防衛戦を余儀なくされた。

戦闘が始まれは1日もかからないとアイリは予測している。

豪族は処分、その他側近は捕縛し牢獄へ。

アイリの指示はそれだ。


後日アイリが鑑定を行い処遇を決める。

この地がアイリの支配下にないと鑑定情報が限定される。

それからでもいいだろう。

但し、皇家の血族を探すには詳細鑑定は欲しい。


第三軍の活躍に期待しよう。

第三軍を率いるのはゲンタ。経験豊富な人材だ。

真田家っぽい血筋の性なのか頭もいいし、機転も利く。

アイリ軍術をかなり早く習得した。

軍の指揮も問題ない。任せておいても大丈夫だろう。


アイリ軍術とは、兵種の特性を活かした戦い方を示す。

今回アイリが行ったのが、その基本戦術だ。

現状では複雑なことをしなくても、兵装の違いと数で蹂躙できる。

基本戦術が使えれば十分だ。


もちろん、アイリ軍術とは

オタク歴女の知恵と歴史上の有名軍師の知恵を纏めた軍術である。

歴史上使用されたとされる逸話も含め、かなり実戦的だ。

この国でそれ以上の軍術はないだろう。


アイリが山林の中で、領民を見つけながら話を聞いていると

山を抜けた3か所ほどに村落があるということが分かった。

盆地状の地形だ。

前回の連絡が来て、すでに二日が経過している。


やっと特殊諜報員から連絡が入る。

一つは、居館の占拠の成功報告。これでこの地の戦争が終わった。

もう一つは、この先の村の一つに不思議な館を発見したこと。

アイリはその館に向かう事にした。

これで詳細鑑定もできるだろう。


第三軍から歩兵2小隊を残し、

北西に位置する西の郡にある豪族の居館へ向かうように指示した。


途中で第一軍と合流し、既に準備している第二軍を含め

西の郡境で全三軍を3方向に分けて、それぞれ別ルートで

進行させるように指示。

あらかじめ計画していた通りの作戦だ。

同時に官吏院へ連絡し、この地の行政を実施させる。


別の特殊情報員から報告が入る。

この場所近くで衣装や態度、言葉遣いが変な人物が

いるとのことだ。

「これは、きっとビンゴだわ。」

不思議な館と変な人物、きっと近いうちに会える。


一日後、3つの村のうち、中央に位置するつの村近くに

確かに不思議な館を見つけた。

この国で初めて見る。「あーあれ、鳥居っぽい。」

館の前に立つのは、鳥居のような形をした物。


二本の柱の上に一本の柱が横に乗せてある構図

位置的にも館の門のようになっている。

館の周囲は板塀で囲まれていた。

確かに村落の建物とは異なる。


とりあえず、鳥居のような門をくぐり中に入る。

館は、手前と奥に大小二つあって、廊下でつながっている。

こんな作りは、この国で見たことがない。

確かに神社っぽい構造だ。


領主館の居館よりは、かなり小さく豪華ではない。

手前の大きな建物から人が出てくる。

この国では割と珍しい木綿性の衣装を着ている。

アイリは工房で散々作っているが、

こんな山の中で木綿性の衣装を見るとは思わなかった。


何の飾りもなく質素だが、村人と比べれば異質だ。

出てきた人物が問う。20代の男性だ。

「何様でこちらまで来られたのですか?」

鑑定によると使用人の立場の人らしい。

それにしては言葉が丁寧なのだが・・・。


カマかけを行うことにした。

「こちらにいらっしゃる、皇王家の方にお会いしに来ました。」

間違っていたらその時はその時だ。

こちらの答えを聞いて、かなり動揺がうかがえる。

鑑定するまでもなく顔に出ているからだ。


それを見て、やはりと思いながら続けて言う。

「是非とも御目通りをお願いします。」

「私は、アイチ領主。オダ家のアイリと申します。」

「決して怪しいものではございません。」

いや、幼女だし、メイド連れてるし、ワンピースとメイド服だ。

そして幼女含め女性ばかり11人の集団が怪しくないわけがない。


アイリは、ポシェットから任命状を取り出して見せる。

名刺とか身分証明書などないから領主任命状を身分証代わりに

もってきていたのだ。


それを受け取ると、使用人らしき男は

「暫くお待ちください。上の者に伝えてまいります。」

と答えて屋敷の中に戻っていった。


再び男が館から出てきた。

「こちらへどうぞ」

館の中へ案内される。


館に入ってすぐに広間があった。

入ってすぐ正面が広間とか、領主館の作りのようだ。

そこで待つように言われた。

ほどなく今度は40代の男性がやってくる。

どうやら上司という人物のようだ。


再び同じような挨拶を交わし、任命状を見せる。

男はこんな、小さい少女が領主なのかと驚いている。

「ようこそこんな山の奥においでくださいました。」

「主にお会いしたいというのは、何か理由がございますか?」

予想通りの質問が来る。


ここで変な答えを言うわけにもいかないが

ぶっちゃけ、遅かれ早かれ事態は動く。

「皇王様がなくなられたのをお聞きしました。」


男はびっくりする。

正式な連絡はまだ出ていない。

それが理由かもしれないし、その一言で悟ったのかもしれない。

「そのような話は聞いておりませんでした。」

「本当でございますか?」

やはり連絡が来ていないようだ。


「本当です。それにより国の事態が急変する可能性があります。」

「それを憂いて、お話をしたいと思い参りました。」

アイリは、勝負に出ることにした。

これは暗に主という人物にこんなところで隠遁している場合じゃないよ

と言っているようなものだ。


男は、なるほどと思いながら、考える風でもなく

「しばらくお待ちください、主に伝えてまいります。」

と答え退席した。

アイリの言葉の意味は通じたのだろうか・・。


伝言ゲームかよ・・と思いながらアイリは待つ。

40代の男はもう一人の男を連れて姿を現した。


部屋に入ると、後ろにいた男が正面上座に座る。

その男を見てアイリは息をのんだ。

「えーーーーーーーーーー。」

心の中で何かが飛んだ。

開いた口が塞がらないとはこれのことだ。


人間驚くと変な声が出るのだと思った。

アイリの正面、上座に座ったその男は、何と皇王だった。


鑑定

名前 オオギマチ(正親町)皇王 35歳

織田信長時代の天皇家の名前でもある。

同名者がこのレベルでも存在したのか・・。

いやそれでけではない、死んだはずの本人が生きている。


皇王は、名前というより即位時に付けられた証する名称だ。

皇王家の血族であっても名前もしくは、家名の様なものが出るはず。

しかも間違いなく鑑定で人物事典では、現皇王と表記されている。


「皇都では、お亡くなりになったと聞いておりましたが?」

アイリは聞くしかないと思った。

死んだなどと、すごく失礼な物言いをしてしまったことを後悔する。


「うむ、もしかしたらわが弟かも知れぬな。」

すごく残念そうな顔をしている。

何か理由がありそうだ。

「それは何か深い理由がおありではないですか?」

皇王がこの地にいること自体が不思議でしょうがない。


「そうじゃの、其方の様な幼き女子がこんなところまで来ておるのだ。

 わざわざ、余を欺きに来るとは思えぬ。とくと話をするとしようか。」

どうやら信用はされたようだ。

見た目が少女、いあー幼女なんだけど。

とても悪人には見えなかったらしい。


話を聞くところによると。

病になっていたのは事実のようだ。

但しそれが人為的ではないのかというのが、側近の推論だった。

皇王自身それは疑いようがなかった。


要するに毒を盛られていた可能性が高い。

事実、この地で養生をして回復したという。

代わりに皇王の役をやっていた弟は死んだ。これは影武者だ。

同じように病にかかり、あっという間に・・。


皇都では内部にも領主の息のかかった者が、横行しているという。

誰が仕掛けているのか全く不明な状態だったそうだ。

逃げるようにして、皇都から脱出を試みた。

途中、息子が領主に捕まったらしい。


あーそれが10歳くらいの血族ね。なんだか納得したわ。

となると怪しいのは、皇都の隣領の領主か・・。

傀儡か簒奪を狙っていた可能性が高い。


アイリは自分の思ったことも話してみた。

皇王もそれは納得した。あまりにも状況が揃いすぎだからだ。

裁判なら状況証拠はこれですというやつだ。

ただ、これだけでは追い詰めることはできない。

単に、こいつ怪しくない?くらいだ。


ただ事実として、影武者役として皇王の代理をした弟は死んだ。

だが実際には皇王は死んでいないのだから、即位式が出来ないはずだ。

即位式には、皇家に伝わる品が必要だという。

これも聞いてびっくりした。三種の神器だった。

これは現在、皇王が所持しているままだという。


皇王は逃げて隠遁しているから、

この神器が無ければ事態は動かせられない。

しかし、身の危険がある以上どこかに隠れる必要がある。

アイリは思い切って私の所に来ませんか?

と軽い気持ちで誘う。


美味しいもの沢山、面白いもの沢山、

この夏には花火大会もあるよ。

平和で安全は保障しますという具合だ。

結局一日かけて話をした。


皇王は面白い子だと言って笑った。

アイリは当日この屋敷に泊まり、翌日返事をくれることになった。

一日は考えたいのだろう。仕方ないことだ。


翌日の話でアイリは付け加える

アイチ領を皇都にする気はない。アイリ自身権力を必要としない。

皇王様には、アイリの友人、お客さんとして来てもらうだけだ。

しかし問題が出ないように皇王様が生きているという布れは出す。

もし事態が悪いほうへ動けば協力は惜しまない。

息子さんを何とか救う手立ては行う。などなど・・・。


「私を信じてお任せください。」

アイリは小さな胸を張って皇王に言う。

皇王はにっこり笑い、そして

「幼いのに聡明な面白い子が我が友になってくれたようだ。」

「うむ、其方の領に遊びに行くとしよう。」

と答えた。


気が付くと皇王様の人物事典のページが青く縁どられていた。

仲間認定の証だった。


準備を一日かけて行い、その後この地を出発することになった。

アイリは、オカザキの居館の客室では失礼だからと

出来るだけ早く領館敷地内に皇王の居館を建てるように連絡をした。

移動中に手配が進むだろう。

建つまでは時間がかかるが、アイリ好きの職人たちが頑張るに違いない。


アイリがこの地を離れる頃

西の郡の戦略が終了したと報告が入った。

これで、合わせて5郡が新たにアイリの直轄領に加わる事になった。


「しかし、ジョーカーじゃなくてキングだったとは・・ふぅ」

アイリの言葉の意味は誰にも分らなかった。











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