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No031 アイリの野望、領主編 「領主の仕事」 春の出来事。7歳4月、

桜の咲く季節。

ちなみに桜と言っても山桜しかないので自然木だ。

見栄えがないので、山藤のほうが人気があったりする。

前世現代人のアイリの思い入れだけだ。


アイリは時々妹のアイルを見に行く、最近は何か反応してくれるようだ。

今のところまだ、スキルは発生していない。

どう見ても赤ちゃんなのに、この国の制度では無理やり数え年で1歳。

アイリはデンデン太鼓と縫いぐるみを準備している。

もう少し大きくなったら、これで遊んでくれると嬉しい。


アイルの乳母、サユリは11歳だ。

残念だが幼女メイドではなく、少女メイドになってしまった。

アイリの線引きは、ギリ10歳までなら幼女だ。


ちなみに自分だけは、15歳まで幼女だと言い張るつもりでいる。

15歳で成人を迎えるこの国で、それが通用するとは思えない。

しかし「私は永遠の幼女・・ふふん」とか言ってたりするから怖い。

永遠の17歳は聞いたことがあるが・・。幼女は無理がある。


サユリはアイリからメイド服をもらって着ている。

幼女メイドの時は、スカート丈が少し短かいタイプだったが、

短いと言っても結構長めだ。

今はロングスタイルのメイド衣装になっている。

この国ではまだ、ミニスカートとかは無理なようだ。


スカートを普及させるために、女性下着を作ったのにチラリはご法度だ。

アイリのそんな思惑とは別に、下着は売れ筋品になっている。

メイド隊を引き連れ歩く姿を見て、スカート類は売れ行きが良くなった。

アイリも基本ワンピース姿だ。


時々メイド服を売って欲しいという話も聞くが、

それはアイリのオタクポリシーが許さない。

真のメイドだけが許される制服だ。メイド隊は何といってもメイドだ。


女性はワンピースでエプロン姿が今の流行だったりする。

女の子は皆、アイリのようにポシェットをぶら下げて歩いている。

男性は、作務衣姿が定着したようだ。

なぜ人気なのかはわからないが、ほとんどの男性が作務衣になっている。


アイリ工房で試作し、量産化した木製サンダルが大流行だ。

いわゆる便所下駄なのだが・・。

老若男女問わず、ほとんどの人はこれを履いている。

甲の布部分のデザインを変えるだけで、種類が増やせるから作るのは楽だ。


生活用品も色々考えたが、意外に売れたのはモップだった。

雑巾がけより楽だからだろう。雑巾棒と呼ばれている。


布類は基本的に麻を使うのだが、アイリ工房作品では綿も使っている。

一般品と高級品に分かれる。三河地区では綿の栽培を広げているところだ。

綿は中国からの輸入に頼っていたのが前世歴史だったが

キヨス時代に綿化自体も入っていたのを見つけ、種で増やしている。


三河地区で畑を見つけたため、それを広げるように指示した。

当初は両親の贈り物に使っていたが、高級布団を売り出したら

意外に購入する人がいた。ベットや本畳も大繁盛だ。

やはり人間、安眠は大切だよね。


お茶は順調だが、砂糖黍はやはり気候のせいか広げるのは断念した。

一部、温暖な土地で育成を続けている。

ウナギ養殖は軌道に乗り、うな丼が食べられるようになってきた。

はやく白米が欲しい・・・。


火薬は製造に成功し、この夏は花火祭りを行いたい。

打ち上げ花火は無理なので、家庭用花火のレベルだが、

娯楽のないこの土地では、みんな喜んでくれるだろう。


是非、夏の風物詩にしたい。

浴衣を着て集まれと布告を出す予定にしている。

また、花火会場は自由に露店を出していいことにする。

この時ばかりは大盤振る舞いだ。


もちろん、兵器としての運用は忘れていない。

爆発力はさほどないが、投石機との運用はできる。

見たことのない武器だから、きっと混乱するに違いない。


鉄砲製造は苦戦中だ。さすがにオタク歴女でも限界がある。

ミリタリーマニアでもなければ、詳しい銃の構造は知らない。

何とか知っている情報をもとに、職人が頑張っている。

種子島のように、どこかから輸入品として手に入れば

参考にできるのだが・・。


なんちゃって日本刀は、かなり完成度の高いものが出来てきた。

やはり、量産型の和刀とは性能が違う。

残る問題は、量産工程にしにくいことと耐久力だ。

いっそ一品物にしてチマチマ作るほうがいいのかもしれない。

近い将来には、念願の抜刀隊が作れそうだ。


先日来た剣士に、斬りこみ隊長でもやらせて

少数精鋭で突撃するとかロマンがある。

優秀な隊員には、抜刀斎の称号でも送ろうかと考えている。

気が早いオタク幼女だ。


牧場事業では、ウサギが増えすぎて困ると言われた。

仕方ないので、しぶしぶ間引きすることを了承した。

毛皮はアイリ工房の素材となる。


アイリが領主宣言をしたときに集まった領民にウサギ汁が配られた。

「食べちゃダメなのに・・ふぅ」

と言いながらアイリも食べていたのは、内緒である。

肉の形になったら鳥でもウサギでも見た目はわからない。


ウリ坊もかわいいが、すぐ成長して憎たらしくなるので

肉になるのは仕方ないと思っている。

牧場では、猪も飼って増やしている。豚変わりだ。


アイリが動物園と称する牧場の一角に、子供たちが良く遊びに来る。

ここには、子ウサギや子ヤギや仔馬、ウリ坊やリスなどがいる。

可愛いものを子供が好きなのは、どこでも変わらないかもしれない。

無料開放されており、数少ない娯楽エリアになっている。


他には釣り堀もある。

川魚の養殖池で自分で釣ってその場で食べることが出来る。

アイリ懸案の事業の一環だったが、これも人気が有る。

竿の貸し出し代金だけで、釣り放題にしてある。


竿が折れたり糸が切れたら、また借りることになる。

金魚すくい感覚で意地になって頑張る人がいるから

釣れ過ぎたら買い取ってあげることにした。

もちろん持ち帰りは自由だ。


アイリは娯楽を少しでも増やして、心豊かになってほしいと思い

儲からなくても、こういった事業も進めている。

これらはすべて、この領がアイリの完全直轄領だからできることだ。

領内は争うごとがなく平和だ。


アイリはメイド隊を引き連れて、領内を巡回するときに

人物事典で黄色や赤色を見つけたら即、捕縛している。

領内は、敵がないだけだけでなく、悪人もほとんどいない。


官吏院下に、警察院を作り地域警戒をさせている。

いわゆるお巡りさんだ。

他に消防院も作った。

各地に火消し隊を配備し、夜間巡回もしている。

火が出たら鐘を鳴らして知らせ、近辺の人も総動員で火を消す。


こういった地味な行政も領民を安心にさせる。

一応、領主としてできることはやっているアイリだった。







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