No029 アイリの野望、領主編 「軍師と軍旗」 新軍師採用する。旗が出来たけど・・。7歳2月、
ここからだんだんアイリの元に人が集まりだします。
アイリの指示で周囲が忙しくしている中。
以前軍師募集で仕掛けていた5つの項目のうち、
2つ以上のクリア条件を満たした者が集まった。
第二次軍師面談の開始である。
前回は8人の詐欺師だったが今回はどうなのかな・・。
アイリは、あれで懲りて少しはまともな人材が来るだろうと予想している。
日にちがたっていることもあり、遠方から来た者が多い。
集まった人数は前回より多かった。21人
アイリは鑑定を使って見渡すと、面談を二日間かけて行うといった。
残念ながら今回、詐欺師はいなかったのだが
5項目の中の条件が悪かったのだろう。
「子供の頃、神童だと言われるほど明晰だった者。」
「奇特な考え方や行動が多く弁がたつ者。」
「もの静かに、目立つことなく学問に励んでいる者。」
「一芸に秀でていると、周りから言われている者。」
「優秀な軍学士であり、軍術を諳んじる者。」
「軍士で軍術を諳んじる」というのと「学問に励む」というのと
「奇特な行動をとり弁が立つ」、しかも「神童だったと」言い張れる。
これらが非常に条件として後付けしやすかったようだ。
まずは、学生の一夜漬け状態のような者がすごく多かった。
努力は買うのだが、能力が低くては話にならない。
詰め込み勉強とかいらないから、もっと実践的なことを学びなさい。
ハリボテはいらない。
単に学士を極めただけの者もいた。
勉強が得意なだけではどうしようもない。
頭でっかちになられても役に立たない。
むしろ自分は優れているなど変なプライドを持たれたら困る。
だいたい、学習など、アイリにとっては、単なる暗記能力でしかない。
前世で成績優秀だったアイリは、単に暗記が優秀だと言っていたのだ。
アイリは、暗記が優秀な程度で人間が優秀だと結論付けるのは
違うと思っていた。
だから有名大学の進学など気にもしていなかったのだ。
勉強が出来る=人間が優秀というのは、いわば洗脳でもある。
これは前世教育の在り方の弊害だと思っていた。
中には、現代日本時代にいた学生革命戦士的な連中もいた。
自己満足的な志向を熱弁されても困るというものだ。
自己陶酔された時には本当に参った。
いやあんたそれ理想論でしかないからね。
廻りに頼らず自分の力だけで叶えてから来なさい。
こういう人物は往々にして口だけの小物が多い。
右向きだの左向きだのの思考も持つ者もいる。
思考が偏りすぎて視野が狭すぎるから勘弁です。
確かにこの時代では奇特だろうが、一番使えないタイプだ。
偏りすぎるのは良くない、
自分の意向にそぐわなければ、敵視して排除したがる。
人を陥れるために変な策とか考えそうで嫌だ。
哲学者予備軍的な連中もいた。
勝手に達観してればいい。
それは、一歩間違えば宗教だからね。
そんな生産性の無い事に時間を使わないで
もっと周りの役に立つ事に労力を注ぎなさい。
そういう連中は一日目で帰ってもらうことになった。
来たからには約束通り、土産は渡した。
二日目に入る。
アイリ的に面白いから残していた人物。初の採用者だ。
奇特で弁が立ち、一芸に秀でる。これは、確かに芸人に当てはまる。
現代日本で言う漫才師的な人物をアイリは、芸人として採用した。、
三河漫才とか覚えてもらえば、娯楽が出来る。
そう、忙しくてあまり気が付かなかったが、この国には娯楽が少なかったのだ。
だから何かにつけてお祭り騒ぎをしたり、アイリ見たさに見学者が多い。
本人は知らないが、この領ではアイリはアイドル的な役割も持っている。
軍師予備軍の募集だったが、
こういう面白い人が拾える可能性も含んでいた。
なにも採用したいのは、軍師だけではないのだ。
使える人物であれば、どの方向性でも採用する。
珍しく、剣士がいたので残してある。
この国で剣豪を目指すというのも面白い。
奇特というより孤高と言ったほうがいい感じだ。
物静かに学習する。というのは武術にも当てはまる。
武術家は、たいてい軍術も学んでいる。
脳筋より多少は学ぶ姿勢のある人のほうが技能が高くなる。
アイリは採用することにした。
でも武器の使い方は、一から学んでもらうからね。
うちの和刀で本当の剣豪を目指してもらおう。
なんちゃって日本刀が出来たら
切り込み隊長にできるかもしれない。
今回、2人目の採用になった。
そして、今回最後の人物
貧相な見た目。
年齢は若いのに、髪も髭も伸ばしっぱなし状態で整えていない。
確かに弁は立つ、良く学んでいる。経験不足は、否めないが。
しかしアイリは、採用するつもりではある。
聞いてみると、
こんな変な人集めをするからには、単に会うだけでなく任官募集だと思った。
話も聞かず、見た目だけで帰れと言われたら帰るつもりだったらしい。
学士と言っても、教師になるつもりはなく実戦で役立てたい。
それにはきちんと人の言葉を聞いてくれる主でなければ使ってもらえない。
逆に話をきちんと聞いてくれるなら、自分から仕官するつもりだった。
アイリは、今回3人目の採用を行った。
スケタカ(祐隆)17歳 策謀スキルを持つのは二人目だ。
スケタカとは、黒田官兵衛の最初の名前だ。
竹中半兵衛に続く、織田家軍師の登場となる。
しかも二人合わせて「両兵衛」と秀吉に言われた人材だ。
シゲハルと共に鍛えれば、いいライバルになるだろう。
歳も若いし勉強をして経験を積んでもらう。
アツタでアイリ軍術を学んでもらう。
ドウキもいるから、いろいろ学ぶことは多いだろう。
とりあえず軍師は3人揃った。
シゲハルやスケタカは、まだまだ経験含め勉強不足だが若い。
この先の希望はある。
ドウキはどちらかというと指揮官向きだ
自分と組めばいいだろう。
とにかく、有名武将と同名っぽい人は存在することも分かった
先祖の時点で滅んだ人もいるだろうが、生き残りを探せばいい。
他領地ではアイリの鑑定が効かないのは辛いが、
きちんと鑑定できれば、多分スキル持ちの確率が高いと思われる。
こうしている間でもどんどんこの領には人が集まってくる。
平和と希望と夢を叶える為、皆やる気もある。
どうしても戦うことになったら自領地ではなく他領地を戦場にする。
仕掛けられそうになったら、こちらから仕掛ける。
諜報院には、周辺領の情報取得を優先するように指示した。
皇都は引き続き様子を見てもらう。
きな臭くなったら、そこへは特殊諜報員を送り込むつもりだ。
トヨハシは、まだ開発中だ。しかし、収益は上がっている。
東三河地区の領境と尾張地区の北の領境には
アイリが指示した砦を建設中だ。
従来の木造平屋の民家っぽいのではない。
石材で防壁を作り、物見櫓を設置した防衛砦だ。
完成したら、投石機が内部に設置される。
移動用の小型ではなく、防衛用の大型設置式の物だ。
飛距離も威力も大きい。分解すれば移動は出来る。
浜名湖と木曽川河口付近には、軍港を建設中だ。
各地の海側も大きな軍港を作っている。半島の先端は特に重要だ。
湖や河口には中型船仕様の軍船を配置予定で、海のほうは大型船になる。
領内移動を楽にするために、各川の浅瀬に橋を建設している。
拠点間に近い位置には、深場でも舟橋を設置中だ。架橋船ともいう。
川の横断が楽になれば、輸送もよくなるし軍の移動も楽だ。
変わったところでは、軍旗を作った。
アイリお気に入りのウサギの頭のシルエット絵と花丸絵だ。
軍旗には他に、愛の字一文字というのもある。
これは、直江兼続ではない。アイチとアイリの愛の字だ。
残念だが織田軍旗ではないし、
ましてやお気に入りと言っても六文銭でもない。
アイリが散々使ってきたせいで
アイリと言えば、ウサギと花丸になったというのが正しい。
あまりに威厳が無いので、愛一文字が作られた。
これらウサギと花丸は、
アイリ直下の職人たちが、こぞって作ってしまった結果でもある。
愛一文字はアイリ自身が推した。
アイリとしては、得意顔で、にこにこしている職人たちを
責めることが出来なかったというのが真相だ。
一応、基本軍旗は愛一文字だ。
一方、アイリの花押はウサギで、家紋は花丸だったりする。
これはアイリ自身が先に似たものを作っていたせいだ。
人のことを責めることはできない。これは自業自得というものだ。




