No028 アイリの野望、領主編 「家名と地名」 領主の初仕事。皇王家の血筋って。7歳1月、
織田家が登場。
それと共に世界が動き出すことになっていきます。
アイリが領主になる決断をした後。
すぐに行う必要があるものが、家名を名乗ることと領名を決めること。
これらは、皇王への任命申請に必要になるからだ。
この国では、領主以上だけが家名を名乗ることが出来る。
カザマ家も、もう名乗ることができなくなる。
こういったことも有名大名がいない原因かもしれない。
ただ抜け道がある。
他領を取ってしまえば、領主として家名を名乗ってもらえる。
アイリは余計なことはやめて本題に入る覚悟をした。
今まで放置し、出来るだけ考えない事にしていた問題を解き明かす。
それが、正しい家名と領名を決める一番近道だからだ。
アイリが持つ世界地図と地図院が作成した地図。
地図のポイントになる半島と川と湖の位置と形。
そして、なんちゃって日本という日本に似た風土。
全てを重ね合わせる。
これらの条件から導き出せる答えは一つしかない。
ここは異世界だが、日本という位置づけの国である可能性が高い。
例えば日本でこの地を想定した場合。
条件から尾張と三河が現在のカザマ領に当てはまる。前世の愛知県だ。
東は、静岡に少し入ってはいるが、あの湖は浜名湖
中川は矢作川で、東川は豊川になる。半島は知多半島と渥美半島だ。
青い河と称する大きな川は木曽川。
木曽川は水質から青く見える。特に上流はそうだ。
大河と言われるのは、近距離に川が三本あるからだろう。これは、木曾三川だ。
太原雪斎や竹中半兵衛の同名者の存在。
そして最近部下になったドウキ(道鬼)
実は山本勘助が出家時に称していた名前だ。
スキル「破軍」に関しても
勘助の活躍を称号のように「破軍建返し」と言われていた。
本来この地区にいるはずの大名は、小競り合いの中で消えている可能性が高い。
そもそも足利将軍家の存在が無い。
しかしこの国で登用されない軍師は生き残る可能性が高い。
年齢や出身地など異世界としての多少の違いがあるが
類似した存在がいてもおかしくはない。
実際、風間家というのは、元は信濃の氏族の家名だ。
これは歴史で存在している家名でもある。
本来女性で、結婚して風間家から独立するアイリは
夫が領主であれば、その家名を名乗る可能性が高い。
それが、今の条件では自分で家名を名乗ることになる。
この地で想定されるのは、現時点では、たぶん織田家が妥当。
後に、国が統一されたら徳川家にする可能性もある。
出来るだけ日本の歴史に合わせるのが無難だからだ。
そしてこの領を名付けるなら、アイチ(愛知)領。
偶然だが、アイリの名前の語源である「愛」が付く。
これだけ偶然が重なるということは、必然だともいえる。
領内の命名権も持つ、アイリは再び考える。
キヨスはたぶん名古屋の熱田区周辺くらいの位置
オカザキは、岡崎の南部と幸田や安城をかすめる位置
ヨシダは豊橋そのものだ。
これらは、北に郡役場や領主館がある。
地名を変えて郡役場や領主館まで含めれば全く同じ地名だ。
アイリのオタク歴女の知識と前世の記憶を動員したら
苦手な命名もあっという間に解決できてしまう。
北青河郡は春日井郡、青河郡は海部郡、半島郡は知多郡、西川郡は那古屋郡
西部4郡を尾張地区とする。キヨスは、アツタ(熱田)郷とする。
中川郡は額田郡、北中川郡は賀茂郡、東川郡は宝飯郡、北東川郡は設楽郡
東部4郡を三河地区とする。オカザキはそのまま、オカザキ(岡崎)郷
湖西郡は浜名郡、南湖西郡は渥美郡
追加2郡を東三河地区とする。ヨシダは、トヨハシ(豊橋)郷とする。
命名はこんなところかな・・・ふぅ。
そしてアイリ7歳の新年。
領内には、これらの布告が出される。
アイリは独立して オダアイリ(織田愛里)となった。
今年から、アイチ領の領主となる。
1か月後、皇王から正式任命を受け。父と叔父はアイリに臣下の礼を取る。
領民は皆喜び、お祭り騒ぎになった。
アイチ領には、豪族などの属領がない。完全直轄地領だ。
この領の収益とアイリの直轄事業の収益から臣下に給金が支払われる。
官吏院以下の組織で働く者や軍で働く者も同じだ。
領主になると、今まで以上に政策が自由になった。
アイリは本拠点をオカザキにした。
位置的にアイチ領の中心にあるからだ。
日本建築風の屋敷を建設。敷地は広大で、大きな屋敷が3軒建っている。
アイリの居館、両親と妹の居館、そして政務館。
これらをまとめ領主館と呼ぶこともある。
アイリの居館は、アツタとトヨハシにもある。
現地へ赴く必要があった時のためだ。これらは別館と呼ばれる。
基本的にこれからの仕事は、アイリが動き回るのではなく
定期的に政務館で会議が行われる。個別に指示を出す場合もそこを使用する。
皆がそこへ集まってくる方式になる。
もちろん緊急連絡時などは連絡員を通して指示が行くことになっている。
アイリは動き回りそうだが・・。
会議は3種類ある。そこでは、報告連絡相談が行われる。「ホウレンソウ」だ。
アイリからの一方的な指示が多いのだが・・・。
官吏院を始めとした政務を担う各院の長官。
アイリの直轄事業各舎の代表。
軍務を中心とした軍属上官。ちなみに軍の司令長官はマサツグである。
内政政策も強兵政策も事業政策も、地区別に実施される。
この体制が確立されたのは春を過ぎたときであった。
アイリからの新しい政策は昨年以降出ていない。
それまでの指示で実施されたものが多い。
井戸ポンプは、量産して各地に配置されている所だ。
今のところ何も問題はない。領民はかなり喜んでいる。
水汲みが楽になって、他の生活にかける労力が増やせたらしい。
軍配置は編成されなおし新しい装備に統一して
それぞれの地区に配備されている。
カネツグには東三河地区を任せ。ドウキには尾張地区に移動してもらった。
マサツグは三河地区だ。
元いた武官1500、第一次募兵600、2郡から加入した400
合計、2500。二次募兵中の数と支援兵を合わせれば4000近い。
募兵は毎年行い、1万規模にする予定だ。
ドウキを尾張地区に移動した理由がある。
木曾三川を超えた隣領は、豪族が争っている紛争地域だ。
防衛上の警戒でもあるが、仮にアイリが攻めるなら、この方面になる。
各個撃破が容易だからだ。
しかし早計だったかもしれない。
諜報院からの連絡によると、病気がちだった皇王がこの春とうとう倒れたらしい。
アイリの任命後でよかったと思う。
何かの加護か、それとも歴史イベント発動なのか。とにかく事態は必ず動く。
皇王だけは血統によって代々引き継がれる。
皇王が倒れたということは、近い将来国内が不安定になる。
不安要素としていくつかある。
倒れた皇王の代理を行うものが出現し、権力を自由に発動する場合。
皇王の血族争いが発生して、後援する領主間で争いが起きる場合。
血族が即位しても傀儡にされる場合。
諜報院の情報では、血族と認定されている者は4人いる。
残念ながら序列的なものはないので特にややこしい。即位条件もない。
女性でも子供でも即位可能とか、これを制定した人に文句を言いたい。
日本の天皇制を見習ってほしい。
だから小競り合いの様な争いが続いているのではないかと。
4人の所在地は、皇都の近くに1人いて場所的に一番即位しやすい。
しかしいる場所が、皇都の隣領だ。その領地の領主が後援になる可能性が高い。
他はアイチ領の北方隣領に1人、東方隣領に1人、不確定だが西方領に1人だ。
これらも、それぞれの領主が後援になるだろう。
よりによって、このアイチ領の周囲が一番危険になる。
戦国歴史でも足利家の問題や今川家の移動など、この手の問題は危険だ。
信長イベント満載だった。
これではまるで、織田家になったとたん、戦え、争えと言っているようなものだ。
信長に代わって歴史イベントでもさせるつもりなのだろうか。
遠い未来「アイリの野望」なるゲームを作らせたいのかもしれない。
いや、それはないと思うが・・。
東三河地区にはシゲハルと新しく編成した秘蔵の投石兵に行ってもらった。
カネツグとの連携は、経験もあるし問題ないだろう。
東三河には以前の部隊も募兵隊も揃えてある。配備兵数が一番多い。
浜名湖が間にあるから天然の防衛地にもなる。
地形の利などは、信長の時とは大違いだ。
さらに此方は水軍も準備中。西に向けたかったが東にも向けられる。
西には多分紀伊半島がある。海からのほうがはるかに陸より近い。
水軍を急ぎ準備をさせているのは、そういう理由もある。
今川家の再来イベントとかあっても、
アイリやマサツグが駆け付けるまで時間を稼いでもらう。
前世歴史の様な徳川家が敵にいるわけでもない。
むしろ、アイリが徳川家でもある。
とにかく準備を急ごう。
諜報院からの連絡後、アイリから各地に指示が飛んだ。
「作戦名、歴史イベントの回避」
アイリ以外の皆は全く理解できない。
指示内容に目を通して慌てるだけだ。
何故か得意げに、ニヤリと笑う幼女の姿があった。




