No023 アイリの野望、内政編 「取り組み」 事業推進し、軍師募集する。6歳6月、
オカザキに取り組んでから半年がたった。
アイリ直営の工舎や公舎は、オカザキにも作られた。
基本の紡績工舎、織物工舎、染色工舎、縫製工舎をはじめとする
アイリご用達のアイリ工房も含む。
貸家公舎、湯屋公舎、製紙工舎、商業公舎=百科店、牧場公舎、運輸公舎
鍛冶工舎、保存食材工舎、製麺工舎、養殖工舎、塩田工舎、造船工舎
陶器工舎、木炭工舎、海運公舎、武術公舎、治療院 などなど
東川郡の南にある海は視察であまり人がいなかったので
砂浜地帯には、アイリの塩田が並んでいる。遊休地などもったいないからだ。
東部の農耕利点を活かして
オカザキには、新たに味噌醤油工舎と酒造工舎を作った。
中川郡南部の綿花畑と茶畑、砂糖黍畑の支援のため農耕公舎を作った。
資金支援や技術提供をするだけでなく、収穫時など労働力も提供する。
その代わりに、アイリ専売にさせてもらう。
農家との連携をする新しい事業の試みだ。
アイリ曰く「なんちゃって第三セクター。」だそうな。
北東川郡の木材が豊富なので、家具工舎も作った。
今後の百科店は、ますます正体不明のホームセンター化するだろう。
東部全体の南には遠浅の海が広がる。
養殖工舎では、貝類、海苔などを主品目にした。
保存食材工舎で乾燥品も作ることができる。
魚の干物だけでなく、貝の干物や、焼き海苔を品目に加える。
「しぐれ煮を作れば、しぐれおにぎりの完成だ。」
米が白米なら完璧なのだがそこは我慢しよう・・ふう。
北中川郡の岩山から石灰石も入手できるし、貝殻の入手が容易なことから
石灰を材料とした漆喰工舎を作った。
中川郡の川を越えた西部側で粘土土壌が見つかった。
陶器工房では、食器類以外に瓦の製造を行う。
北東川郡は木材が豊富だ。
東部では、建築材料が揃いやすい。アイリは建築公舎を作った。
漆喰を壁面に使い、瓦屋根の新たな家を建てることができる。
アイリの知る日本建築的な家ができるはずだ。
「オカザキにも私の領館を作る。その時は日本建築風にしよう。」
アイリの新しい野望が出来た。
こうして広大な中川郡の産業基盤が出来上がった。
一方、西部ではアイリ指示の募兵が完了した。総数600人。
それぞれ、兵種ごとの武装を行い訓練が始まる。
東部でも鍛冶工房で武器防具などの量産を指示した。
西部では、引き続き量産を進めているところだ。
アイリの直轄産業や内政指示が軌道に乗れば、東部は豊かになる。
カザマ領は今より、大きく発展するだろう。
それを背景に更に兵力強化を図りたい。第二弾の募兵の指示を出した。
槍兵1中隊、刀兵、弓兵、弩兵それぞれ3小隊
計840人規模の募兵となる。1年後までには揃うだろう。
第一弾の部隊は、訓練後に東川郡の防衛駐屯地に移動させる。
叔父の指揮下に入らせる予定だ。そこで、更に指揮行動の訓練を行う。
入れ替わりに、現駐屯地武官500人を新たな武装で編成しなおし訓練を行う。
オカザキにおいて武術公舎を用意したのはそのためでもある。
経験者揃いだから短期間で終わるだろう。
内政政策が山場を迎えるこの状況なのだが、
「最初の指揮訓練は自分がやるとして、シゲハルに体験させなきゃ・・。」
叔父とシゲハルに兵種の特性と運用、指揮の仕方を覚えてもらう必要がある。
それと・・・アイリは、新たな参謀を探す必要を感じる。
「領内にいればいいけど、いなかったら領の外で探すかな。」
軍学士というのは意外に少ない。
しかも、軍術自体が手習いの机上学でしかない。武士の嗜み的なあれだ。
アイリが、独自の考察を入れて新しく編纂した軍術を軍学道場で教えている。
そう言った土壌で優秀な人材を探すのは大変だ。
アイリはさっそく西部へ移動すると諜報院に新たな指令を出す。
検討から実行が早い幼女だ。
「子供の頃、神童だと言われるほど明晰だった者。」
「奇特な考え方や行動が多く弁がたつ者。」
「もの静かに、目立つことなく学問に励んでいる者。」
「一芸に秀でていると、周りから言われている者。」
「優秀な軍学士であり、軍術を諳んじる者。」
これに二つ以上当てはまれは良い。
その者を探し出してこう伝えてください。
「カザマ領のオカザキまで来るだけで、姫から褒賞が出ます。」
「但し、期限は来年の夏までとします。」
すでに各地にいる諜報員は、連絡係りも含めると50人近い。
「下手な鉄砲も数うちゃあたる作戦開始!ギスケお願いしますね。」
諜報院長官のギスケがこれを聞いて固まったのは言うまでもない。
特に最後の一言は意味すら不明だ。
ただ、指示内容はアイリが文面にしてある。
指示内容自体は理解できたので、これを各諜報員に連絡する。
これと同じ指示内容は、アイリ直轄事業の幹部や東西の官吏院にも連絡した。
アイリが気が付かないだけで、領内にもいるかもしれないからだ。
シゲハルの時がそうだった。
「この5つのうち、2つ以上当てはまれば、褒賞が出るそうだ。」
噂が各地を飛び交うことになるのだった。
アイリは心の中で言う
いやー正直5項目ってマジで適当に作ったんだよね。
軍師じゃなくても、面白そうな人が来たらそれでいいや。
鑑定と人物事典のコンボで、すべてみられるから大丈夫。
「そんなこと、お見通しよ・・!」というやつだ。
悪人や詐欺師だったら即捕縛するだけだし・・。悪人撃退だ。
ちょっとお祭りっぽくて、面白そうだと見に来る人も集まる。
むふふ・・少し悪い笑顔をする幼女だった。
失敗しても悪い方向へは行かないだろう。




