No018 アイリの野望、内政編 「領内改革拡張」 東部行政改革始まる。5歳7月、
東部視察前に行政改革の指示確認だけしておかなければならない。
アイリは、東部地区の行政の中心である中川郡役場に来た。
西川郡で行ったように、人事を見直し、各院を設置する。
まずは、院全体を統括する官吏院。
長官には、執務スキル持ちの
エンカン 32歳 を任命した。
根っからの事務屋っぽい、超真面目な性格の持ち主だ。
ここは領主のおひざ元だからそれでいいと思った。
心の中で「執事だー」と思ったのは言うまい。
今回は、カンドウを相談役内政官として官吏院所属に任命。
二人三脚で頑張ってほしい。
続いて
財務院、産業院、交通院、生産院、4つの実務管轄院を設置。
西部から一部の経験者をこちらに移動配置した。
もちろん長官は西部の各院長官の下にいた経験者を任命する。
西で副長官並みに働いた人材だから心配はないだろう。
皆、短期間で出世出来たことに感動していた。
そっか・・いろんなことがあったけど
あれから二年たってないんだ。
アイリは感慨深げにそう思った。
街道整備、区画整理、行政変更の領内通達など指示する。
領民への税制改革の説明実施も後日行われることになった。
全領地の大地主である領主から土地を借りて働く体制だ。
税金は取らず、その代わり借地代を取る。
先行政策となるが、教育院と防衛院も設置した。
これも、西から経験者を移動、それぞれ長官に任命した。
今回は、商工業主体ではないため
産業院の下部組織として技術院を配置した。
もちろん技術院長官も西の経験者を任命。
基準器も既にあるものが流用できるから管理業務主体になるだろう。
これで7院の設定指示が完了、官吏院の指示下に入る。
官吏院への指示は、本来ならマサツグが行う立場だ。
しかし、アイリに全権を任されているので、アイリ直轄組織となる。
商工業主体ではないとはいえ、広大な領地だ。
東部側にもアイリ直轄公舎や工舎を作って
産業の活性化は図るし商業地区も作る。
商業地区として目を付けてあるのは
ここ中川本郷の南へしばらく行った地
キヨスに類似した川と海が近い場所だ。
前回は急いでも、
行政改革の序盤の組織改革だけで2か月かかっていた。
経験がある今回は、1か月もかからず体制が構築できた。
経験の差は大きい。苦労した甲斐があったというものだ。
各院共、既に実務に入っている。
領民への説明も始まった。説明内容は前回と全く同じ。
今回は何も混乱はない、
それどころか東部領民は西部のことを聞いていたらしく
やっと自分たちにも機会が巡ってきたと喜んでいるようだ。
もっと早く対応してあげればよかった。
おかげで、
予定より早く、予定している経済地区の視察ができる。
アイリは、中川の中流から下流へと移動した。
メイド隊も当然一緒だ。
目的地周辺につくと、すでに数十人の人が集まっている。
「ここでしょ、姫が自由貿易郷にするところ・・。」
「あー、姫様が来た。」
「お嬢、先に来て待ったぜ。」
集まっていた男たちが、気安く声をあげる。
「気が早い人たちだこと。」
アイリは、くすくすと笑った。
キヨスでおいしい思いをした商人や職人たちだ。労働者もいる。
情報を聞きつけて、こちらでも稼ぐつもりで来ているようだ。
「お気づきの通り、この一帯を自由貿易郷にするつもりです。」
「但し、管轄院の区画整理が終わってからになりますよ。」
アイリが笑いながらそう答えると
一斉に声が返ってきた。
「お嬢、いつからになるんだ、何なら手伝うぞ。」
「姫さん、人集めたら早くできるよな。」
「俺なら明日からでも働くけどな。」
「姫様、俺なら今からでも働けるぞ。」
せっかくやる気になっているから、反論もできず。
名前を聞いて、準備できたら優先的に仕事をしてもらうと約束して
その場は解散してもらった。
まぁ鑑定で名前とかどういう人とかみんなわかっちゃうんだけどね。
翌日、各院の担当者に指示して
第二の自由貿易郷への準備と協力者として先日の面々の名前や
情報を託しておいた。
これで予定より早く着工されるだろう。
当然、東部全域に自由貿易郷の説明が行われる。
東部を拠点にしていた行商人や職人たちも
喜んで参加すると言っていたそうだ。
数日後には、急かすかのように労働者が東部に集まったらしい。
西部での経験者も多く、円滑に始まることになる。
肝心のアイリは、すでにその時、東部他郡へ移動をしていた。
視察の旅が始まったからだ。




